- 『逆走的恋愛話』作者:トロサーモン / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
- 全角1801文字逆走的愛話
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原稿用紙約4.5枚
俺が今より若くて、エネルギッシュで、欲望に忠実で、ご飯を一杯食べて、18歳未満のコーナーに入りたくて、とにかくエロくて、お金が無くて、全くモテなくて、そして彼女の事が大好きだったあの時期の話。
とにかくこの話を始めるには幾つか言わないといけない事がある。
まず一つ、俺はモテてなかった。二つ、中学生で二年と3年の中間だった。三つ、部活には入ってなかった。四つ、友達がいた。五つ、とてもエロかった事だ。
一つで言っているように、全くモテなかった。バレンタインは一つ来ればいい方だったし、来たとしても俺は喰わなかった。とにかくモテなかった。でも、女友達はいたけど。でもモテなかった。
五つで言っているようにとても俺はエロかった。思春期的にエロかった。まさにエロスの塊だった。修学旅行だって、一晩中エロい事言ってた。でも彼女の事を好きになったあの日から、頭からエロい事は消えていた。
まずは彼女との出会いだ。出会いって言っても、期待すんじゃねえぞ。決して彼女を殴ろうとした酔っぱらいを助けたわけでもねえし、彼女の着替えてるところを見たと勘違いされてそれから付き合っていくラブコメでもねえ。俺と彼女の出会いは普通だ。俺が二年になってそしたらクラスにいただけだ。一緒のクラスだったわけだ。
そん時は普通の女子の中の一人にしか見えなかった。
そして俺はそん時は気が付かなかったし、友達と喋ってばっかだった。
それがある春の日、たまたまある日、塾から帰っている途中に喋りかけられた、「おもろい事言ってたな〜」って。その日俺はたまたまホームルームでちょっとおかしな事を言っただけだったのだが。しかし彼女は笑顔で俺にそう言った。その時、初めてちゃんと彼女を見た。俺より身長が10センチほど高くて(俺は155だった)髪が長くて。制服を着ていた。そして何より、とても気持ちの良い笑顔をしていた。
漫画的表現で言えばきらきらと星が付くであろう笑顔。
よくアメリカの学園ものラブコメならばスローモーションになりヒップホップがかかりオタクな学生はメガネの縁を持ち、そして隣にはアメフト部がいる。
そして俺は、そん時ちょっと一目惚れしたのかもしれない。しかしあいにくそん時俺はだっせえ服を着ていた。親からかって貰った服。ぶかぶかの服。だっせえプリントが張ってある服。
しかも彼女に話しかけられたのに「うん、あっうん」としかか答えられなかった。最悪である。普通なら「ありがとう」とかナルシスト的ならば「まああれくらい軽いもんよ」とかあるけど、俺はそのどれも言えずただ「うん、あっうん」と言っただけであった。またこの時、自分の恋心という物には全く気が付かなかった。
自分の恋心を理解するのにはもっと先でその時には彼女を振り向かせるチャンスはほとんど失っていた。
俺はその日から少しずつ変わっていった・・・と言えば電車男のような話を期待するだろうが全くもってそんな話ではない。自分で服を買うようになったり(Tシャツ)、大声で話すようになったりしただけだ。
次第に俺は彼女の事を意識し始めた。ちょっとでも彼女を振り向かせたくて、アホな事とかしてみた。でも、自分にギャグのセンスはないのは分かっていた。
でも頑張ったのが功を奏して、女子に話しかけられるようになった。
もともと、話しやすかったのかもしれないがそれでももっと話されるようになった。
そして彼女はその女子の後ろで笑っていた。そして俺に喋りかけてきた。
「面白いなぁ」と笑いながら。
俺は何故か恥ずかしくなって目を合わす事ができなかった。そしてまた「うん」としか言えなかった。他の女子ならしゃべれるのに。喋れなかった。
その日、俺は塾の帰り道。寂れた大きな公園の横を自転車で激走していた。叫びながら。
買ったばかりのTシャツを汗びっしょりにして。黒色のジーパンまで汗で湿らせて。
俺は叫んだ。
ちょっと恥ずかしかった。サラリーマンに舌打ちされた。そして何より自暴自棄になっていた。
夏になり、席替えになり。くじによって俺は窓際の席になった。
夏には窓際が一番だ。涼しいし。
「席隣やなぁ」
俺の隣の席は彼女だった。
(続く) - 2005-06-20 17:08:30公開 / 作者:トロサーモン
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短編。
リアリティ重視。
塾帰る時に叫んだのは実話。
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どうも、菖蒲と申します。こんにちは。
ではまず初めに、たぶん訂正部分だと思うのですが一行目の「18歳未満」のところ。禁止とかそういうような言葉が補われるべきでしょうか?
冒頭から表現や説明などはわかりやすかったと思います。けれど「〜た」「〜だった」で終わるものが多く、多少読みにくさを感じてしまいました。すいません、本当に私の勝手な意見ですので流してやってください。全体が主人公の感情に沿って進められていくので、それなりの若さとかトロサーモンさんの言われる現代人的なリアリティは感じました。それでは、次回にも期待してます。2005-06-20 17:28:27【☆☆☆☆☆】菖蒲ホッチキスです。拝読いたしました。
まず気になった所。「彼女を殴ろうとした酔っぱらいを助けたわけでもねえし」では、彼女じゃなくて、「酔っぱらいを助けた」と勘違いされかねません。「殴ろうとした酔っぱらいから彼女を守ってあげた」の方が分かりやすいと思います。
それから、「自分の恋心を理解するのにはもっと先でその時には彼女を振り向かせるチャンスはほとんど失っていた」の所は、読点が無くて読みにくいです。
長々と批判ばかり書いてしまいました。すいません。2005-06-20 18:24:16【☆☆☆☆☆】ホッチキス上下です〜。
なっ、なんなんだこれは〜。この上下の心を切なくさせる作品は〜!やばい、このままではもう一人の自分が出てきてしまうではありませんか(なんの話だ・・・)いいですね。こういうの大好きです。続きを楽しみにしています2005-06-20 21:15:18【☆☆☆☆☆】上下 左右羽堕です(o*。_。)o読ませて頂きました♪無骨な感じの語りが、男子中学生らしくて良かったんじゃないかと思いました(*´σー`)彼女との触れ合いで、その文章もじょじょに変化していってくれたら凄く良いだろうなぁ〜なんて勝手思ってみたりしました(^^;)ではこれからの展開を楽しみしています\(o ̄∇ ̄o)続き頑張ってください(。・_・。)ノ2005-06-20 22:00:21【☆☆☆☆☆】羽堕拝読しました。リアリティ、なるほど、ふつうなことを綴っているわけですね。兎角次章から物語は展開してゆくわけですか。文章が同じように締められているのは意図的なのかな、状況説明的な感じ。これから現実味のある恋愛が書かれるのか、それとも少し日常からズレた話になるのか、そういった事も含めて次回更新期待しております。ただ、一文目の題名が「逆走的愛話」は間違っているのかわざとであるのか、それが気に掛かりました。2005-06-21 04:22:04【☆☆☆☆☆】京雅作品読ませていただきました。何と言いましょうか、身に覚えのあることが描かれていて痛いやら、懐かしいやら、恥ずかしいやら。複雑な気持ちで読ませていただきました。文章の方ですが、やや硬い印象を受けますね。それが主人公の心情を表しているようで面白い感じもするのですが、ちょっとぶっきらぼうすぎるかな。さて、これからどのように展開するのか楽しみです。では、次回更新を期待しています。2005-06-21 22:07:01【☆☆☆☆☆】甘木私が書く短編(SS?)の主人公はいつも「君」なんですけど、この作品は「俺」らしく「俺」らしい文章になっていますね。男子中学生という設定ですので私は良い感じがしました。ユニークな比喩と同時に周囲の情景の端的な表現があってもよかったのかなとも思いました。新作を期待してます!2005-06-29 04:42:24【☆☆☆☆☆】月夜野計:0点 - お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。