『模範的女子高生な彼女』作者:AI / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
全角15251文字
容量30502 bytes
原稿用紙約38.13枚
五月中旬の火曜日の夜だった。バイトを終え、家に帰ろうとしていた時、携帯が鳴った。幼馴染で同じクラスの女、理恵からだ。俺が面倒くさそうに電話に出ると彼女は勢いよくしゃべりだした。
「あ、もしもし理恵だけど。ねえ、敦今何やってんのぉ?」
彼女の声の後ろから聞こえてくる音のうるささから、彼女が例外なく、今夜も行きつけのクラブ『ナイン』にいることがわかった。
「バイト終ったから家に帰るとこ」
そう言いえるか終えないかの間に彼女は間髪入れず、
「どうせ暇でしょ?これからおいでよ。今日は超盛り上がるからさあ。じゃあ、二階のフロアの奥にいるからついたらメールでも頂戴ね、バイバイ」
彼女はそう一気に言ってから、電話を切った。
俺はどうしようかと迷っていたが、どうせ明日も学校に昼寝をしに行くだけだからと少しだけなら、と思い顔を出すことにした。それが始まりだった。俺はその日、彼女に出会ってしまったのだ。これから俺がしばらくの間、夜も寝つけなくなるほど悩まされてしまう、彼女に。

ナインの中に入り理恵を見つけたとき、時間はすでに十二時半を指していた。むんむんとした空気と、煙草の煙とでフロア全体はぼんやりと暑く大音量でDJがクラブミュージックをかけていた。俺は一服してから、カウンターでハイネケンを買い、飲みながら理恵達のいるテーブルの方へ向かった。人の波を掻き分けながら俺は奥の方へと進んでいた。

その時だ。壁伝いにあるテーブルを囲んで酒を飲んでいる四、五人のグループが目に留まった。俺はその中の一人で、びっくりするくらいかわいい子を見つけた。彼女の周りだけ空気が違っていた。黒くゆるいウェーブのかかった長い髪、こぼれ落ちそうなくらい大きな瞳に、瞬きをするたびにばさばさと音がするほどびっしりと生えている長い睫毛。センスよく着こなされているノースリーブとジーンズ、背の高い華奢なミュール。完璧に好みだった。声をかけようかと迷いながら、しばらく友達と楽しそうに笑っている彼女を見ていた。その笑顔がまた一段と彼女を華やかにみせている。そして、あることに気がついた。よくよく見ると彼女は俺と同じクラスの、岩井亜美にそっくりだった。

俺は困惑した。なぜなら彼女は、絶対にこんなところにいるとは思えないタイプの女の子だったからだ。
「あいつも、クラブとかくるのかなぁ…」
まさかなあ、あいつはそんないまどきなやつじゃないだろう、当たり前のようにそう決め付けた。俺はビールを飲みながらしばらく彼女を眺めていた。確信がもてなかったが、俺は結局声をかけなかった。

翌日、二時間目が終るころ俺が教室に入ると、岩井亜美の姿はなかった。朝方近くまで騒いでいたので今ひとつ睡眠が足りてなかった俺は、いつものように昼休みまで眠ることにした。うとうとと夢心地に机につっぷしていると、ガラっと教室の開き戸が開く音が聞こえた。ドアを開けたのは岩井亜美だった。
「すいません、遅れました」
彼女は聞こえるか聞こえないかわからないほどか細い声で教師に向かって謝り、そして何事もないかのように席についた。

ドキッとした。俺はかなり動揺していた。昨日の女の子が岩井亜美に似ていたからかもしれない。俺は、彼女の顔を気づかれないように腕と頭の隙間からこっそりと見た。岩井亜美は、いまどきどんな高校でもあまり見かけないような外見をしている。そういった意味で典型的で模範的な女子高生だ。二つに結った三つ編み、黒ぶち眼鏡、ひざよりも長いスカートの丈、白く短い靴下、それに付け加えて成績良好、そして休み時間は常時読書。全てそろっている。決して顔立ちが悪いとかそういったレベルの話ではないのだ。きっと、今風に言うとダサいと言う言葉がぴったりと当てはまるだろう。そのレッテルのせいで俺が知る限り、彼女が友達らしき人と談笑している姿を教室で見かけたことがない。

俺はしばらく、窓際の前から三番目に座っている岩井亜美を一番後ろの自分の席から観察していた。教科書を開き、青い、五月の終わりの空から差し込む黄色やオレンジの日差しに、頬杖をつきながらけだるそうに三つ編みの先を透かしている彼女はとても甘美だった。眼鏡の下に光る子犬のように澄んだ大きな目、あの長い睫毛、化粧こそしていないが眼鏡をしたままでも十分にわかる整っている顔立ち。俺は間違いないと確信した。昨日、俺がナインで見かけたあの、かわいい彼女は岩井亜美だ。

その瞬間、俺の中で何かが生まれた。それは単に彼女に対する興味なのかそれともその先にあるあの、胸の奥をぎゅっとしめつける感情なのか俺はよくわからなかった。ただ彼女をもっと知りたいと思った。

昼休みになり、声をかけようと思ったとたんに、
「敦、昨日行ったんだろ、ナイン?」
小倉が話しかけてきた。やつは俺と同じ落ちこぼれの遊び仲間兼クラスメート、そしてその周りには理恵を筆頭にいつも俺がつるんでいる連中がいた。
「なんで連絡してくれなかったの? 敦がいるなら私も行ったのにぃ」
「私もぉ」
いつもながらに女はうるさい。今、俺はお前らよりも岩井亜美の方が大切なんだよ。
俺は横目で、一人ですたすたと教室を後にしていく彼女を追っていた。岩井亜美はそんな俺の視線に気づくこともなく消えてしまっていた。

「ねぇ、ちょっと敦きいてんの?」
理恵はマスカラがびっちりとついた目をぱちぱちさせながら俺の方を見ている。
「…お前さぁ、化粧濃くない?」
「何それぇ、敦超ひどくない?理恵いつもとかわんないよぉ」
そう言いながら彼女はすかさず鏡を取り出し、色々な角度から顔を映す。
全く、こいつらの頭の中は何が入っているのだろう。きっと、今日の髪型は今ひとつだとか、どこの誰が男前だと、どいつが誰を好きだとかそういったどうしょうもないことで大半は埋め尽くされているのだろう。まともに考えていることはあるのだろうか。俺も人のことは言えた義理ではないが、彼女たちのくだらなさに、何故だかとてもいらいらした。
それから俺はふと、岩井亜美は、彼女は何を考えているのだろうということがぽつんと頭に浮かんだ。彼女もまた、好きな男のことを考えたりしているのだろうか。そう思うと胃の上の方が痛んだ。

家に帰っても、その、胃の上にあるもやもやは消えることはなかった。こんな感情になったこと、正直一度もなかった。今まで、多くはないにせよ女と付き合ったことだってある。恋だと思えるような気持ちにも何度となく経験している。それでも、この得体のしれない内臓の中につっかかっている物体はなんだろう。俺の意志に多少反しながらもその日を境に、岩井亜美はじんわりと俺の中に住み着き始めた。

彼女をナインで見かけてから三日目だった。四時間目が始まる少し前で、俺はいつものように完全に熟睡する体制を整えながら岩井亜美の方を見ていた。そのときだ、彼女がそっと席を立ち教室の後ろのドアから消えていった。俺は彼女が教室から出たのを確認すると急いで後を追おうとした。
「敦、どこ行くんだよ?」
小倉が聞いた。
「便所、緊急時なんだよ」
そう答えながら走り出した。
それでも俺が教室を後にしたとき、すでに彼女の姿は廊下にはなかった。俺は彼女が行きそうなところを検討し、校内を走り回った。それでもなかなか見つけることができない。俺は保健室、屋上、全て見て回った。そして唯一探してない、一番最後に残されていた場所、まさかなぁっと思っていたところをあたってみることにした。

彼女はそこにいた。俺が、入り口からっそっとのぞきこむと、岩井亜美は誰もいないがらんとした食堂の一番隅に座ってラーメンをすすっていた。
「マジかよ…」
俺はしばらく入り口で彼女を見ていたが、気合を入れ直し食堂に入り、彼女に話しかけた。
「岩井さん。だよね?」
岩井亜美は、一瞬だけ驚いたと言う顔をしてこちらを見たが、すぐに
「そうよ」
とだけ答え、再びラーメンの方に視線を戻した。彼女の眼鏡が曇っている。俺はかなり動揺していた。自分の心臓の音が耳まで届いている。
「ここ、座っていい?」
そう言いながら岩井亜美の前に腰を下ろした。
「俺、高瀬。高瀬敦。俺のこと知ってる?」
と思い切って聞いてみた。
「知らない」
岩井亜美は興味なさそうに言った。
「俺ら、同じクラスなんだけど…」
そう言ったきり俺は黙ってしまった。彼女が俺に興味を持っていないことが手に取るようにわかったらだ。それでも俺はくじけず、
「ねえ、なんで今ラーメンなんか食べてるの?」
と聞いた。
「おなかがすいたから。昼休み、食堂いつも混んでるし」
彼女は当たり前のことを聞かれて答えるのも面倒くさそうに言った。彼女をこの時間にここで見かけるのが意外だった。そして、そのそっけなさに少し戸惑った。俺は聞くことをためらっていたが、やはり気になったので、あの夜のことについて触れてみることにした。
「俺、この間岩井さん見かけたんだけど、クラブで。岩井さん、いたよね?火曜の夜、ナインに」
彼女はへ?っという表情を浮かべ、きょとんとしていた。いきなり核心に触れちゃったよ、もっと会話してからのがよかったかなあ、岩井さんちょっとひいちゃってない?人違いだったのかなあ。だったら俺、超バカだよ。内心正気ではなかった。しかし以外にも彼女は
「えぇ、いたわよ。それで?」
と静かに答えた。やっぱ、岩井亜美だったんだ。やべえ、俺、今テンション猛烈に上がってるよ。
「それでっていうか、よく行くの?」
俺は少し、調子に乗ってきいた。彼女はふっと少しだけ笑った。
「私だってクラブぐらいたまには行くと思うんだけど。何かおかしかった?」
「や、別にいいんだけど、なんていうか…ちょっと意外だったから…」
俺はそれ以上何も思いつかなかった。それでも、必死に彼女との会話をつなぎとめるための次の言葉を探していた。
「じゃあ、私行くから」
ラーメンを食べ終わった彼女は席を立とうとした。俺はあせった。そして思わず、一言がとっさにでてしまった。
「あ、あのさ。今度よかったら一緒に行かない?」
言ってしまった。俺、もうちょっとかっこよく誘えよ…と思ったが後の祭りだった。それと同時に絶望的だ、という思いが押し寄せてきて俺は一気に意気消沈していた。しばらく沈黙が続いた。岩井亜美は考えていた。そりゃあどう考えても、たった今、クラスメートだとわかったばかりの男と出かけようなんて普通思わないだろう。しかも、俺はクラスでも軽そうなやつナンバースリーに常時ランクインするグループの一員だ。普通の女ならともかく、彼女は岩井亜美だぞ。全く俺、相手選べよ。これじゃナンパと同じじゃねぇか何やってんだ。色々なことが頭の中を駆け巡っていた。しかし、俺の絶望に反して奇跡が起きた。
「いいわよ」
「へ?」
「別にかまわないわよ、クラブに行くぐらい」
岩井亜美は何でもないことだというように淡々と言った。
「え、ほんとに? やった」
自分の中にいるちっちゃい俺たちがいっせいにガッツポーズを決めた。
「でもマジで行ってもいいって思ってんの? だって俺と二人だよ?」
俺はなるべく冷静を装ってたずねた。
「いいわよ。じゃあ、詳しいことはまた教えて」
そう言ってすたすたと出口にむかって歩き出した。
「あ、じゃあさ、連絡先教えてよ。携帯とかもってる?番号かアドレス聞きたいんだけど」
そう言ってから、さすがに図々しかったかなと思った。それ以前に彼女は携帯電話を持っているのだろうか。すると彼女はポケットから携帯電話を取り出し、番号とアドレスが表示されている画面を「はい」と俺に差し出した。俺がそれをメモするのを見届けると、彼女は教室に戻って行った。

俺は彼女が何を考えているのかよくわからなかった。いつもあんなに真面目そうに見える彼女が本当の彼女なのか、クラブで遊んだり、四時間目の授業中にラーメンを食べたりする彼女が本当の彼女なのか、どっちなんだろう。それとも、どちらも彼女の本質なのだろうか。俺は一日中そんなことばかり考えていた。

それでも、男というものは単純で、俺はうれしいことには変わりなかった。一緒に出かける約束をした上に、連絡先まで教えてもらえるなんて思ってもいなかった。きっとこのクラスで俺だけだろう、彼女の連絡先を知っているのは、そして彼女が実はとんでもなくかわいい女の子だってこともだ。俺は妙な優越感に浸っていた。

それから一週間ほどして、初めて彼女に電話をかけるとき、俺はかつてないほど緊張していた。高校の合格発表でだってこんなに緊張はしなかった。深呼吸をし、通話ボタンを押した。彼女は六回目のコールで電話をとった。
「もしもし、俺、高瀬敦だけど」
「ああ、こんばんは」彼女の柔らかい声に俺はどきどきした。俺は二日後の夜にナインであるイベントに彼女を誘った。そして待ち合わせをすることを決め、電話を切った。話し終わった後も、耳の近くに残る彼女の声の余韻が俺をどきどきさせていた。

それからの二日間俺は浮かれまくっていた。それでも必死にうれしさをひた隠し、何事もなかったかのようにクールに振舞おうとしていた。
「ねぇ、敦ぃなんかいいことあったの?」
理恵がつまらない、と言った表情で聞いた。
「別に、なんでもねぇよ」
「なんかさぁ、敦っていつもちょっと冷めてるよねー。うちらよく言ってんだよ、ちゃんと本気で女の子と付き合えるのかなぁって。敦ってさぁ、顔もいいしわりと優しいからいいなって言ってる子結構いるんだよ。なのに、いつもどっちでもいい見たいな感じでさあ。たまには本気で好きになったりしてみなよ」
理恵は長いふわふわした茶色い髪の毛を触りながら言った。俺は全く興味がなかった。理恵達のいう女の子達はきっと俺の中身なんてどうだっていい女の子達なのだ。一番大事なことは、『自分がどれだけかっこいい男とつきあっているかを周りにみせびらかすこと』なのだから。俺は今の会話が、岩井亜美に聞こえてないことを祈った。 
「お前、もういいからあっち行けよ」
そう言ってから、岩井亜美のほうを見ると彼女は読書に夢中だった。俺は自分がほっとしていることに気づき、苦笑いを噛み砕いた。

俺は岩井亜美を気遣って学校や教室で声をかけたりはしなかった。そして、もちろんのことだが彼女の方から俺に声をかけると言うようなことはまずなかった。

その夜は少しだけ冷えた。俺は、待ち合わせの場所に十分も早くついていたためにコンクリートの階段に座り煙草に火をつけた。今日はいつになく気張っている。髪型、身に着けているもの、全てが気になってそわそわしていた。
「お待たせ」
顔を上げると彼女はいた。きらきらと全身からオーラを放っている。少なくとも、俺にはそう見えていた。華奢な体にスプリングコートをかけ、黄緑のトップスに薄い緑の目元、唇はオレンジに光っていた。学校にいるときとは、どうしてこうも違うのだろう。彼女はとても輝いていた。かわいすぎる。そして俺だけがそう思っているわけではないことが、すぐにわかった。彼女と二人でいるといつになく、周りから視線を感じていた。例外なく男から、そして女からもだ。

俺は思い切って、気になっていたことを岩井亜美に聞いてみることにした。
「な、岩井さんってどうして学校ではあんな真面目な格好してるの?」
「どうしてって、別に理由なんてたいしたことないわよ。今、パーマだからほどいてたら目立つでしょ。だから結んでるだけだし、化粧するのやコンタクト入れるのが面倒だから眼鏡にしているだけ。それに私、人前で足を出したいなんて思わないし」
俺は、それを聞いて以前よりさらに彼女に好感を持った。
「岩井さんって、学校楽しいの?」
「別に、楽しいとか、楽しくないとかそう言うのって関係ないから。私にとって学校って、勉強しに行くところだし」
彼女は本当に学校と言うものに執着していなかった。
「高瀬君、学校楽しい?」
俺は初めて彼女に名前を呼ばれ有頂天だった。そして、彼女から何かを聞かれることも初めてだった。張り切って答えたいところだったが、俺にとって学校と言うものはつまらないものだった。それに勉強なんて考えたこともなかった。
「うーん、俺の場合友達に会いに行ってるみたいなところもあるし。ま、楽しいって言ったら楽しいかな」
「へえ」
「岩井さんは仲いいやついないの?学校に」
俺はそう言ってからしまったと思った。
「学校にはいないな。だって、友達になりたいなって思うような人、いないから。でも、私だって友達ぐらいいるわよ」
彼女は微笑しながら答えた。
知っている。だって俺は彼女が友達と楽しそうに笑っている姿を見て彼女に声をかけようと思ったのだから。
「俺も、友達になりたいんだけど」
心臓が言葉と共にとびだしてきそうだった。彼女は、一瞬間を置いてから、
「じゃあ、よろしくね」
と言って笑った。彼女の笑顔が初めて自分に向けられた。そして、よろしくと言われたことでその後した会話を全く覚えていない。
俺たちは何杯かお酒を飲み、テーブルを囲んで話をした。フロアでかかっている音がうるさすぎるためと周りが暗くてお互いがよく見えなかったため、俺たちは知らず知らずのうちに至近距離で会話をしていた。そして、俺が何かしゃべっていたとき、彼女は聞こえないと言って耳を俺の口の近くに近づけた。形のよい耳につけられた小さなクローバーのピアス。そして香水の甘い匂いがした。俺は楽しくて楽しくて仕方なかった。女の子と二人でいてこんなに楽しいと思ったことはなかった。そして俺は気がついた。彼女とは、友達になんかなりたくないってことに。

俺たちはその日を境に、少しずつ仲良くなっていった。教室で目が合うとお互い誰にも気づかれないように微笑みあった。つまらない授業のときはメールを交換し合った。そして、何度か四時間目の授業中に二人でラーメンを食べに食堂に行った。俺たちの暗黙の了解で、誰にもこのつながりを気づかせないように振舞った。

俺は、だんだんと彼女がどんな人間かわかり始めていた。彼女は酒を飲むことにも、クラブに通うことにも慣れている。何が楽しいことなのか理解しているし、自分の限度というものもちゃんとわきまえている。それでいて、実は誰よりも頑張り屋だったりもする。だからどんなに遊んでいても勉強に手を抜くことはしない。それどころか、逆に人並み以上に努力している。彼女は、勉強はして当たり前だと思っているようだ。両立、まさにそんな感じだろう。それから、俺はあるひとつの結論に達した。彼女がこの学校で浮いてしまっているのはなぜか、それは彼女が周りよりも断然大人で完璧に自立しているだからだ。そして、彼女にとって制服で着飾って周りの目を惹こうなんてことはどうだって言いことで、そんなことすることが彼女自身でも、ばかげていると思っているのだろう。いや、そうではないのかもしれない。彼女はそんなことすら興味がないのだ。ただ、彼女は相手側から彼女に近寄ってくると、普通に接するが、自分から相手に近寄るほど興味のある人間がいないのだろう。まして、彼女はこんな狭い学校という世界にいなくても自分と言う存在がきちんと見出せる世界や友達、あるいは、彼氏を持っているだろう。俺はそのことを悟ったときに、自分の幼さを痛感せずにはられなかった。自分がどれだけ小さな秤で彼女を見ていたか。彼女だけではない、社会、学校、両親、友達そういったもの全てをだ。甘えていたのだろう。俺は、もっと大人になりたいと思った。

俺は『大人になろうプロジェクト プレゼンテッドバイ俺』の手始めとして、勉強を始めることにした。岩井亜美は、もし参考になるのなら、と自分のノートを快く貸してくれた。そして、わからないところがあると丁寧に説明してくれた。
「敦ぃ、なにやってんの?」
理恵が俺の顔を覗き込んできた。
「なんでもねえよ」
そう言いながら岩井亜美から借りたノートを見ながらシャーペンを動かしていた。
「お前、もしかして勉強してんの?」
小倉も俺の異常事態に驚いている。
「あぁ、そうだよ」
「なんでまた。お前最近なんかおかしくない?」
俺はふっと笑って
「あぁ、ちょっと可笑しいのかも」
と答えた。その瞬間、理恵は
「てか、このノート岩井さんのじゃない?」
女という生き物はそういったところにやたら目ざとい。
「おぉ、これ借りたんだよ」
できるだけ俺たちの関係について気づかれないようにと、細心の注意を払って答えた。
「えぇ、なんでまた岩井さんなの? ノートだったら理恵の貸してあげるのにぃ」
もう、頼むから俺のことはほっておいてくれ。それでも俺は無視してノートを写していると、話題は岩井亜美の方へと流れていった。
「ていうかさぁ、岩井さんって超暗くない? そして究極にダサいよね。いまどきあの髪型に黒ぶち眼鏡はないよねぇ。もとは悪くなさそうなのに」
俺はその言葉にかちんときた。それでも俺は何も言わずに我慢していた。幸い、彼女は教室にはいなかった。きっと今日も、食堂で昼飯を食べているのだろう。
「岩井ってさあ、男とかいんのかなぁ。ていうか、興味あんのかな? アニメとか好きそうじゃない? たぶん俺らがみたこともないようなキャラクターに本気で恋とかしちゃうタイプじゃねぇ?」
小倉が無邪気に茶化した。
「きゃはははっ」
「それ、超ありえるぅ」
俺はさすがに我慢できなかった。
「つーかさ、お前らマジで、人のこと何にも知らないくせにそう言うこというなよ。うぜぇよ、そういうの」
声を荒げてしまった。それでも彼らはなぜ俺がそんなことで大きな声を出したのかさえわかっていないようだ。
「何? お前、どうしちゃったの?」
「敦ぃ、なにそんなに怒ってんの?」
確かに。別に何を言われたって、そんなこと結局彼女にとっては関係ないことだし、そんなことでいちいち面倒くさい思いをすること自体いやだろう。言ってしまってからそのことに気がついたが、俺はどうしても自分の好きな女が悪く言われることが許せなかった。そして、とてつもない自己嫌悪に襲われてしまった。机に突っ伏して、先ほど自分が怒ったことについて考えていると、携帯のバイブが鳴った。どうせ理恵からかなと思い、どうでもいいと言った気持ちでメールボックスを開けた。

『さっきはありがとう。私の思い違いじゃなかったら、かばってくれたんでしょ? 敦君』

岩井亜美からだった。彼女は気がついていたのだ。俺は真っ赤になってしまった。その様子をちらっと振り向きながら見た彼女は、誰にも気づかれないように微笑した。その仕草があまりにも優雅に見えて俺はため息をついた。一体、なんだって彼女はあんなにいい女なんだろう。

俺は彼女が言っていた言葉を思い出してしまった。 
『友達になりたいって思うような人、いないから』
彼女の言葉の意味が以前よりもよくわかった。俺は、彼女にどう思われているのだろう。友達になりたいと思うような人になれているのか全く自信がなかった。ましてや彼女になんてなりたいなんて思われているなんてこと、想像すらできないほど俺は子供だった。なんて返信しようか、かなり考えたが結局俺は、何も返さなかった。

俺、もっとがんばれよ。いい男になってくれよ。そう言い聞かせて俺はとにかく、彼女に見合っただけの男になろうと全力投球することを決めた。彼女のことを理解できるくらい大人になりたかった。

その間にも時間はどんどん流れ、彼女と俺は何度か一緒に遊びに行った。次第に彼女も俺に対して心を開いてくれるようになってきた。岩井亜美は俺のことを敦と呼ぶようになり、俺は彼女を亜美ちゃんと呼ぶようになった(彼女は亜美でいいと笑っていたのだが、どうしても彼女を呼び捨てにすることができなかった)。

六月、三週目の土曜日の夜、二人でナインの奥のソファに座り、たわいのない話をしていた。何かの流れで話が変わったとき、亜美が
「敦、最近がんばってるね」
と、にこにこしながらそういった。俺は単純にうれしかった。今まであまり人からがんばってる、というほめ方をされたことがなかった。そしてほめてくれる相手がまたよかった。
「かなぁ」
俺は照れながら彼女の方をみた。彼女はグラスの中のレモンをストローでつついていた。そして、
「うん、出会ったばっかのときより断然いいよ」
と言って笑った。俺はその彼女の笑顔に完璧にやられた。相変わらず音がうるさくて、俺たちは話をしているうちにだんだんと顔が近づいてきた。俺は自分の心臓の音の方が音楽よりうるさいのではないかと心配した。
「あのさぁ…」
「え、なぁに?」
彼女の顔が俺の目の前二十センチにある。睫毛に髪の毛がかかっている。瞬きをしながら俺の話を聞こうとする彼女の瞳に俺は自分を抑えることができなくなってしまった。彼女は「?」と頭を斜めに傾けながら、顔を近づけた。そのきらきらとピンク色のグロスで光る唇がおいしそうに見えて、

俺は彼女にキスをしてしまった。

俺の中では時間が完全に止まっていた。とにかく、すごい衝動に駆られていた。そして心臓は今まで聞いたこともないような速さで動いていた。俺、やべえ、死ぬのかも。そう思いながら、顔を離して彼女の方を見た。
「どうしたの? いきなり」
彼女は少し困ったように笑いながら言った。動揺していないのだろうか。
「ごめん、ごめんね。つい…つい、してしまいました」
俺はとにかく必死で取り繕おうとした。そうすればするほど、俺はどんどん恥ずかしくなっていった。キスぐらい、俺だってしたことはある。でも、今回はなんだかいつもとは全く違うのだ。彼女はこんなことぐらい平気だという顔をしていた。
「敦、酔っ払ってるの?」
作り笑顔で平然と聞く彼女に、俺は自分が情けなくなってしまった。俺は、自分の気持ちを言おうと決めた。
「あのさ、亜美ちゃん。俺…」
よし、行け俺。男だろ。言ってやれ!そう腹をくくったその時だった。

「あれぇ、敦じゃあん」
理恵の声がした。俺は今まで一度も遭遇しなかったため、すっかり忘れていたがここは理恵のテリトリーでもあったのだ。やばい、と思ったときにはもう遅かった。
「敦、この子誰?」
理恵は好奇心に満ちた声を上げた。でも、さすがの俺も理恵の目がただの好奇心だけで亜美を見ているわけではないことがすぐにわかった。きっと俺達の今の微妙な空気を察知したのだろう。幸い、理恵は酔っ払っているからか、俺の横にいる彼女が岩井亜美だと言うことに気がついていないようだった。
「敦、二人でクラブに行くような女の子、いたんだ」
理恵は力なくつぶやいた。理恵が俺に好意を寄せていてくれたことにやっと気がついた。
「いや、この人は俺の彼女ではないんだ」
俺は亜美をいやな気持ちにさせないために必死に彼女をかばおうとした。それが返って裏目にでてしまった。その結果、俺は理恵にいいわけをしているような形になってしまった。
「ふうん。別に私には関係ないからさ。私、敦の彼女じゃないし」
理恵はそう冷たく言い放った。それは本心ではなく彼女が強がっているだけだと言うことはすぐにわかった。俺は黙っていた。理恵は無理に笑顔を作ろうとしていた。
「でもさ、隠してることないじゃん。教えてくれたっていいじゃん。敦っていつもそう。肝心なことは絶対誰にも言わない。私、何年も友達やってるけど、いつも何考えてるかかわんなかった」
今にも泣き出してしまいそうだった。
「ごめん、理恵」
そう言うのがやっとだった。
「いいよ、もう。わかったから。敦、私に興味なんてないんだね。私、ずっと敦が好きだった。きっとそれにも気がつかなかったんでしょ」
彼女の目から涙がこぼれそうだ。
「ごめん、正直言って理恵の気持ちには鈍感だった。それから、理恵に俺が何を考えているのかあまり話さなかったかもしれない。でも、それは俺の問題だからで、理恵のことは友達だと思ってるよ」
俺がそう言った瞬間、理恵は泣き出してしまった。
「いいよ、敦。無理やりそんなこと言わなくても。結局敦は自分のことしか考えてないんだよ。いつもそう。優しいけど結局人は人って感じでさ、誰にも関心なんてないんだよ」
彼女はその場にしゃがみこんで泣き出してしまった。お酒が入ると、人間は泣き上戸になる。そして、手がつけられなくなってしまった。俺はどうしていいのかわからなかった。そして亜美の方を見た。彼女は静かな顔をしていた。
「ね、敦。とにかく彼女をトイレまで連れて行ってあげましょうよ」
そう言って、亜美は理恵の背中をさすった。
その瞬間、
「触んないで。どうせあんたも心の中じゃ笑ってるんでしょ、ああこいつ惨めだなって。敦は私のものよってそう思ってるんでしょ」
そういって亜美の手を跳ね除けた。俺はさすがに頭にきた。
「お前、いい加減にしろよ。俺に当たるのはとにかく彼女は関係ないだろ。早くトイレいって顔洗って来いよ」
彼女にきつく当たった。理恵はゆっくりと腰を上げ、ふらふらとトイレの方に歩き出した。
「一緒に行ってあげたら?」
亜美は優しく言った。心配そうな顔をする亜美に俺は申し訳なくなった。
「ごめん、やなおもいさせて」
「いいの? いかなくて?」
俺は少し迷った。それでも俺は理恵のところには行かなかった。なんて夜なんだ。俺は今さっき、彼女にキスをしたところだったのに。まだ、告白だって途中だったのに。今夜はもう、そういう雰囲気ではなくなってしまった。
「今日、ごめんね。色々と」
本当に彼女に申し訳なかった。
「何が? 敦、何も悪いことしてないじゃない」
彼女は俺を諭すかのように言った。
「うん、でもほら、理恵のこととか」
「彼女、敦のこと、本当に好きなだけよ。悪く思わないで。女って誰でも面倒なところあるじゃない。私だってきっとそうだし」
俺は何も返す言葉がなかった。本当はそれだけじゃない。キスしたことだって、俺は謝りたかった。二人の間には、なんだかどうしようもない、というような空気が流れていた。俺は一気にグラスの中のジントニックを飲み干した。その日から俺たちは一緒に出かけていない、もちろん、以前と同じように接してはいる。

夏が来ようとしていた。あと、二週間で夏休みだ。休みに入ってしまったら、もうしばらく彼女には会えない。そう思うと俺はいたたまれなくなった。あの日から、俺たちはなんとなくだけど少し、ぎくしゃくしていた。口に出しては何も言わないものの、やはりお互い明るいだけの関係とは少しだけ違ったものを意識していた。俺は、もう一度ちゃんと気持ちをはっきり伝えようと決意を固めた。今回の期末テストで亜美よりもいい点数を取って、告ってやる。俺、やってやるぜ。不純な動機ながら、俺は今までしたことのないいわゆる猛勉強と言うものに取り組んだ。あれだけ日課としていた授業中の昼寝を辞め、夜もバイトを休み、ひたすら勉強をした。もちろん、夜遊びなんてしている暇などなかった。俺は初めて知った。人を好きになると、人間は変わると言うことを。

理恵と俺との関係は、多少のわだかまりやしこりが残っているにせよ、以前とさほど変わったところはなかった。彼女もあの日以来、俺のことを、恋の対象として見なくなった。そうではないのかもしれないが、少なくとも俺の前ではそんな素振りは全く見せなかった。そして最近の彼女のお気に入りは小倉らしい。彼女はいつも小倉の横を離れない。彼女の本心はわからないし、別にそれ以上深入りするつもりもない。俺はそんな友達連中を尻目に、暇さえあればノートをめくり、単語帳に目を通していた。おかげでやつらからは付き合いが悪いだの、おもしろくないだの言われたが、一向に気にならなかった。そして、きっと、亜美も俺ががんばっていることを見ていてくれている思うと、さらにやる気が出た。

一学期の終業式前日、ホームルームの時間に俺はこっそり亜美にメールを送った。
『亜美ちゃん、テスト何番だった?』
緊張しながら、亜美からの返信を待っていた。もう、ホームルームが終るというときに、彼女からのメールはやってきた。俺は目をつぶった。神様、お願いします。初めての神頼みだ。
『9番。』
「よっしゃあ」
俺は大声と共に、立ち上がった。その瞬間、クラス全員が俺を一斉に見た。そしてどっと笑った。俺はそんなことお構いなしだった。俺の成績はなんと、学年で六番目だったのだ。今回はかなり自信があった。俺は毎日毎日二週間、授業が終ると先生のところに行き、わからないところを徹底的にしつこく聞いた。先生も俺の熱意に押され、答案ぎりぎりのところまで丁寧に教えてくれたのだ。

俺はそのまま亜美ところまで駆け寄った。クラス全員が、何事かと俺の動きに注目していた。俺はそんなことどうだってよかった。
「亜美ちゃん、俺さ、亜美ちゃんが好きなんだけど付き合ってもらえないかな」
クラス全員の前で堂々と言った。勢いに任せて言ってから気がついた。俺、今かなり目立ってる。そして、俺が少し冷めていて、斜に構えている男だと認識していたクラス中は沸き立った。それと同時に、どうしてこの、岩井亜美なんだという疑問と好奇心に満ちた視線を俺たちに向けた。

一方、岩井亜美は相変わらずとても冷静だった。しばらく、何がおきたのか事態を飲み込めずにいたようだったが、俺の目を見ながら笑って
「高瀬君の気持ちはわかったわ。でも、その話は後でしましょう」
と少しみんなの目を意識しながら答えた。
「もう、俺の言いたいことは言ったから。ごめんね、こんなところで。でもたまにはバカで熱いことやってもいいかなって思ったんだよね」
そう笑って俺は席に戻った。しばらく教室中がざわついていた。
「敦ぃ、本気なの?」
「おぉ敦、なんで岩井亜美なんだよ」
「敦、マジで言ってんの?」
「てか、あの真面目のどこがいいの?」
「あたし、岩井亜美に負けたなんて思いたくない」
ホームルームが終るとみんな一斉に俺に群がった。おかげで、俺は亜美に話しかけることができないまま彼女はさっさと帰ってしまった。もう、頼むから俺を放っておいてくれ。俺はただ、亜美が好きなだけなんだ。

その夜、俺は眠れなかった。何度も亜美に電話をかけようとしたけどできなかった。どうして俺はこうも意気地がないんだ。あんな目だったことをしたくせに。俺、彼女の気持ち考えてなかったかなあ。ただでさえ、彼女だって目立つことがいやなのに、明日から注目されないわけにはいかなくなってしまったのだ。俺、ちょっと軽率すぎたかなあ。そう思うと、何も手につかず、煙草の火をつけては消した。明日からしばらく会えないんだなあ。そう思いながら俺は途方にくれた。

翌日、俺が教室についたとき、岩井亜美の姿はなかった。予想通り、相変わらず昨日のことで話題は持ちきりだった。おかげで俺はほかのクラスの友達からも朝から質問攻めに合い、うんざりしていた。本鈴がなっても彼女の姿はなかった。あぁ、やっぱり面倒くさかったんだな。そりゃあ、休むわなあ今日は。そう思いながら俺はいつものやる気のない自分に戻りかけていた。明日から何しようかなあ。俺は机にだらりと上半身をたらし、ぼうっと亜美の席を見ていた。

ガラっとドアが開いた。もしかして、と俺はそのドアのほうをみた。そして、四十人の視線が一気にドアに注がれた。そこには俺が初めて見たときと同じ彼女がいた。ふわふわと緩やかに揺れている長い髪、陶器のように白く透き通る肌に、フランス人形のような丸い目、それを縁取るマスカラが薄くついた密度の濃い睫毛。短いスカートから覗くすらっと長い細い足、そして俺の知っている香水の匂い。俺の顔はみるみるうちににやけていった。クラス中が、いきなり現れたモデル級の美人にたじろいで、息を呑んでいた。そしてその美人が岩井亜美だということが更に彼らを驚かせた。その当の本人は、全員の視線をよそに涼しげな顔で俺の方に向かってまっすぐ歩いてきた。そしてにっこりと笑って
「敦、おはよう。昨日の返事だけど、こちらこそ、よかったらつきあってもらえませんか。ふつつかものですが、明日からもよろしくね」と言った。そして
「私もたまにはばかなこと、やってもいいかなって思ったの、夏だしね」
と付け加えた。
俺は、うれしさのあまりに発狂しそうだった。そしてそのまま、彼女を抱きしめてから言った。
「お前ら、絶対俺の彼女に手ぇ出すなよ」
2005-06-05 10:34:35公開 / 作者:AI
■この作品の著作権はAIさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初めて投稿させていただきます。

これから夏だなあと思い、ちょっとそれを意識しました。

初めて書いたもので、読みにくかったとは思いますが、厳しくご指摘いただけるとうれしいです。どんな感想でもかまいませんのでよかったらお聞かせください。

それでは、読んでいただいてありがとうございました。
この作品に対する感想 - 昇順
文句なしのおもしろさです!
私はそう思いました。もし、これが普通に発売されてても私は買ってもいいくらいです。
というか、買います!
とても丁寧に書かれていて、素敵でした。
2005-06-05 13:02:51【★★★★☆】五月
五月さんへ

ありがとうございます。
五月さんの感想とてもうれしかったです。こんな女の子がクラスメートだったら好きになっただろうなという理想をもとにしました。
ありがとうございました。
2005-06-05 15:20:09【☆☆☆☆☆】AI
読ませていただきました。これを元にもっと長く深くゆっくりと描いていけばすごくいい物語になると思いました。こう言ってしまってはあれですが、まだ不完全品という感じです。読みにくさは感じませんでしたが、もうちょっとキャラを描いて欲しいかなという思いはありました。脇役キャラなども(一応)描いて、主役キャラに関してはもっと濃く書いていいと思います。綺麗でラストのまとまりもうまいなと思わされました。次回作頑張って下さい。
2005-06-05 19:09:34【☆☆☆☆☆】影舞踊
あ〜、よかったなあ。普段はこういうの(LV)読んで、よかったなんて言わないんだけどなあ。やられたなあ。こういうの、自分じゃ書けないからなあ。馬鹿丸出し感想ですが、よかったなあ……。
2005-06-05 21:52:45【★★★★☆】clown-crown
羽堕さんへ

読んでくださってありがとうございます。
ほんとうですね、最後、今日からでもよかったかもしれません。
それでは、感想をいただきましてありがとうございました。

影舞踊さんへ

ご指摘ありがとうございます。もう少し、練り直してみようと思います。
今回、本当はもっと短い話をかくつもりだったのですが、実力がないためだらだらと長くなってしまい、中途半パな長さになってしまいました。次回、もう少し考えてみたいと思います。ありがとうございました。

clown-crownさんへ

感想いただきましてありがとうございます。
僕自身、こんなこてこてなものを書くのに抵抗をかんじていたのですが、夏ってことで勢いでやっちゃいました。
たまにはバカなことやってもいいかなって思ったの、夏だしねっていうのは実は結構自分のことかもしれません。
それではどうもありがとうございました。
2005-06-05 22:06:46【☆☆☆☆☆】AI
えーっと、AIというと戦場のメリークリスマスを思い出す(?)京雅と申します、初めまして。拝読しました。うん……短いけれどドラマを観た感じがしました。何て言うんだろう、人間らしさが出ているというのか。終わり方も読みきり少女漫画みたいで(全く悪い意味じゃありません、よい意味で受け取ってください)、文章も読み易くて面白かったです。歪みの軸が違う私には書けないなぁ、こういったものは。これも純愛って言うんですかね。長長と語ってしまいました、申し訳御座いません。素直に「良かった」です。次回作も期待しております。
2005-06-05 23:08:21【★★★★☆】京雅
拝読いたしました。素直に面白かったです!キャラがわざとらしくなくて、文章もきちんとしていて好感が持てました。話の流れも自然でよかったです。まじめっ子が眼鏡を外すと美少女、という王道中の王道をここまで気分よく読ませてくれる筆力に拍手ですね。若い子の一人称でつづられていてもふざけたところがなくて、ところどころ出てくる真摯な言葉はしっかり染み込んでくる感じがありました。描写もお上手でした。ていうか最後がすきです^^スカッとしました☆次回も頑張ってください。
2005-06-06 12:11:21【★★★★☆】有栖川
京雅さんへ
コメントありがとうございます。僕自身もこれ、オチが少女漫画のようだなあなんて思っていたのですがうれしいです。ありがとうございました。

有栖川さんへ

うれしい感想ありがとうございます。まだまだ文体が幼稚だなと自分で思っていただけに嬉しいです。感想をくださってありがとうございました。

                   
2005-06-06 22:13:58【☆☆☆☆☆】AI
計:16点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。