『暗い闇の底へ(超短編です)』作者:貴志川 / V[g*2 - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約2.01枚

 僕は生きる意味を探してる。彼女の為に。
 いつか死するその時まで、自分は欲や世界に順従し続けると思うと、辛いだろう。だから、意味を探してる。彼女の為に。
「君はいつも、私の事考えていてよね!」
 僕は、『うん』って答えた。
 何の気なしに持っていた映画のチケットを隣の席の彼女に見せると「クリスマス、予定ないよ」と彼女は囁いた。僕はその時、彼女のうなじの石鹸の香りと、耳を擽る吐息に思わず首をすくめて、顔を熱くしてしまっていた。彼女のそんな、ふとした瞬間に見せる魅力的な姿に以前から僕は惹かれていたのだ。
 高校生が見るには少しだけ背伸びした恋愛映画を見終わると、すっかり暗くなってしまった外に一緒に出た。街は赤や青、黄金色のイルミネーションに彩られ、たくさんのカップルがとろけるような目をして寄り添っていた。「あ、雪」少し赤くなった僕に、彼女はまた、囁いた。驚いて空を見たけど、何もなかった。不思議に思って彼女を見ると、突然下から突き上げるように唇を押し付けてきた。
「……なんてね」
 彼女は頬を赤くさせて、テヘへと笑った。
 ある日、彼女は病院のベットの上で聞いた。「何で人は生きているんだろうね」その時重い心臓病にかかっていた彼女は、弱気になっていた。「わからないよ」僕は、ウソが嫌いな彼女に正直に答えた。「そうだよね」そんな僕に、彼女は微笑んだ。「でも、少し残念」そして、僕の体をギュッと抱きしめた。
 彼女のために僕は考えている。なぜ、生きるのだろうと。ふと、泣き声が聞こえた。
 彼女は僕の遺影に祈っていた。それで僕は彼女の為に頭を撃ち抜いた事を思い出した。
「私、言ったね、ずっと考えててって。考えすぎだよ……嫌だよ、こんなの……!」
 そうだね。彼女に預けた僕の心臓が、僕へ悲しいと伝えた。それだけで僕は満足だった。そして、僕はさらに、さらに暗い闇へと……
2005-05-30 22:36:39公開 / 作者:貴志川
■この作品の著作権は貴志川さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
これは超短編集、というコンテスト(?)に投稿するために作ってみた話です。(いや、もちろん軽い気持ちでなんか書いてはいませんが→汗)
規定は八百文字以内、とのことでこの話も四百文字詰めでチョッキし二枚分となっています(たぶん)
迷惑かな……ていうか規約違反じゃないだろうか【汗過多
ただ、自分だけ見てもしょうがない、というか自分はとてつもなく独りよがりな人間なので、客観的に評価する事が難しいんです。
そこで皆さんに客観的に見た感想が聞きたいんです。八百文字で、どれだけ表現できているか、率直な感想お願いします。

最後に、規約違反であればすぐに消去します。
この作品に対する感想 - 昇順
えーっと、これはつまり心臓移植のために自ら頭を撃ち抜いた、と読み取っていいわけですか?解り難くはないです。細やかな描写がいいなと率直に思いました。ただやはりこの短さに纏めると、文章が「〜だった」等で終わる場合が多く(意図的なんだろうけれど)、「ある日〜」を境にして唐突過ぎる様な気もします。しかし八百文字という縛りがあるため、その中でこれがどの位置になるのか見当がつかないというのが素直で愚か者な京雅の意見です。すみません、何のお役にも立てないみたいです。哀憐を表現したかったと言うなら、初めの気恥ずかしい恋愛模様から哀しみまでもっていくという流れはしっかり表せていると思います。うーん……ほんとに役に立たない感想、申し訳御座いません。
2005-05-30 22:38:15【☆☆☆☆☆】京雅
さらにすみません、書き足りない事があって。一番最後の文、これはこれまでの流れから少し抽象的過ぎるんじゃないかなと。ほんとに申し訳御座いません、生意気でしゃばり京雅でした。
2005-05-30 22:39:34【☆☆☆☆☆】京雅
私は京雅さんが指摘している「ある日〜」を境に唐突。というのは、主人公が死に、幽霊となったことで時間という概念がなくなってしまったから、敢えてそのような表現にしたのかな。と思ったのですが、どうでしょうか。もし、そうならば、中々考えてるなぁ。と思う訳ですが。文章が短いので、描写の表現の仕方をもう少し特徴出すともっと映えるのではないでしょうか。「彼女のうなじの石鹸の香り」は、ちょっと違和感を覚えました。うなじに絞ったのは、まぁ女性のうなじがセクシーと言われるからなのでしょうが、まるでうなじからのみ石鹸の匂いが漂ってきているイメージが(汗)別々にした方がいいんじゃないかなーと思いました。指摘が的外れだったらごめんなさい。
2005-05-30 22:55:53【☆☆☆☆☆】あいか
あー読み直してみたら、ある日〜の後数行はまだ死んでないのかな。いつから死んだのか、わかりづらいですね。そういった部分では、かなりの唐突感が感じられました。
2005-05-30 22:59:56【☆☆☆☆☆】あいか
作品自体を変えてしまうような発言が含まれているかもしれません。ご容赦下さい。(しかも勝手な思い込みで書いている箇所もあります(その時は何なりと否定してください、申し訳ないです
最初の一文「僕は〜探してた」がいいんじゃないでしょうか? 構成として結構長い時間の流れを表してますよね。「模索」→「彼女との繋がり」→「決意」→「実行」といった感じですか。過去のことを回想するといった形にしたほうがこの短さでは映えるんじゃないでしょうか。実際読んでいて唐突に思える箇所がいくつかありました。(詳しく書いたほうがいいのでしょうが省きます
次に「彼女との繋がり」この部分ですが、極力必要ないのでは? 読者に主人公と彼女の幸せな瞬間(?)を見せ、感情移入させるためには必要でしょうが、やはりこの短さですので無理があります。完全に省いてしまうとそれもまたダメなので、もっと短くしたり印象的な言葉数語で纏めたほうがいいんじゃないかと。
物語の流れは無理なく掴めましたし、オチ(というのかな)もわかりました。ですがタイトルの意味がいまいちわからなかったです。(確実に読解力のなさがなせる技です 主人公の勝手な行動が自己満足の結果をもたらし、彼女にとってはそれがどうしようもなく非道いことなんだということを暗示しているのか。まぁうまく言えませんが……。全体的な感想としては詰め込みすぎな感じでした。やはり八百文字という制約は難しいのでしょうねぇ。
2005-05-30 23:08:31【☆☆☆☆☆】影舞踊
京雅・・・お早いお返事ありがたいです【礼ッ 
読み取りは正解です。大当たりです。この短さにまとめるために頭をひねったのですが、やっぱりちょっと正確には書けないんですよね【汗 あー全然かけてないなあ。八百文字短いなあ(ブツブツ…… だった形式なのは俺も感じました。ワンパターンさがにじみ出ててやらかしてるなあ、と。チクショ! 流れはまともですか……前半と後半とのバランスがもうぐちゃぐちゃです。さっぱりできてません。どうするかな、これだけで一日つかってんじゃん俺……(自己嫌悪
ご指摘、ありがとうございます。大変助かりました。頑張るぞぉ! と。ガッツポーズ!

あいかさん……まず、貴志川はそんな小難しいことは考えられません。体は多細胞、脳みそは単細胞ですから。脳だけ独立してます。マジで。
と、洒落はいいとして、主人公は最初の独白の時点で死んでいます。そこから話が始まるってことにしてあるんですが……最初は死んでることには気づかせませんが、最後のオチで気づく、見たいなのが書きたかったんです。文字数の問題ではっきりとかけないのが泣けます【悔 
さて、うなじについてですが……あーやばい。死にたいな、四回ぐらい死にたいな【鬱 いや、発想が昭和だな。ホント。何回も読み直したのにな……やっぱ独りよがりだな…… 俺は女の子の「これだあ!」と思う仕草にあまり出会ったことがないので(別にホモじゃないですが)わからないんですよね、だから友人に聞いたところ、肩をつかまれ揺さぶられ「うなじだ!!」と叫んだものですから使ってみました。そうですよね、おかしいですよね。だって、俺も言われるまでうなじどこか知らなかったもん(←これは本気で)
あーしかしそうなるとどこを強調するか。顔か? 胸か? なんだ?もうそうなると高校生の俺にはシモね……     ゴフ
あーどうしよう! どうしよう!? わからなくなってきたあ! (オーバーヒート)
いや、それはいいとして

あいかさん、効果的な意見をありがとうございます。なるほど、やっぱり変ですか……構成、考え直そうかなあ【ヘコミ 
よりいっそうの努力に徹します。ありがとうございました。
2005-05-30 23:19:31【☆☆☆☆☆】貴志川
影舞踊さん……相変わらず一発で変換できることにビビリながら……
過去の話では、ということですよね。うん。そうだよなあ……無理があるよなあ、構成が。頑張りすぎだよなあ、作品からキモさがにじみ出てるなあ。
問題は二人の仲を強調して悲哀を強めるか、それとも最後のオチをどーん!ていくか、どちらかを選ばなくてはいけないということですよね。どーんなら「繋がり:オチ」が1:2ぐらい。悲哀なら2:1くらいかな。つってもあまり変わらないのですが。
タイトルですが……実は主人公は死んでいた! ということを伝えたくて頭をフル回転させたのですが、難しい……逆に混乱を呼んでしまったです……うをお! 小説難しい!
構成から考え直します。影舞踊さん、よいアドバイス、ありがとうございました。もっともっと精進して、まともに見せれるような作品を作りたいと思います!

ではノ
2005-05-30 23:28:20【☆☆☆☆☆】貴志川
作品拝読させていただきました。超短編だから仕方がないのかもしれませんが、物語の展開が唐突すぎる感じがしました。ストーリーはわかりますが、主人公の感情面が弱くて読後のインパクトがもう一つという感じです。あいかさんが指摘していますが、私も「うなじ」と「石けん」の繋がりに違和感を覚えました。それにしても色々な試みをされる貴志川さんは凄いなぁ。辛口の感想で済みません。では、連載更新と新作を期待しています。
2005-05-30 23:36:16【☆☆☆☆☆】甘木
羽墜ですm(_ _"m)読ませて頂きました♪PCのデータが全部飛んで、私自身も飛んでしまってる羽墜です(_TдT)と私的な事からごめんなさい(^-^;えっと、オチは好きな感じです(・_・。)(._.。)細かいのですが、「死する」と言う表現が読み辛かったです、「順従し続ける」と何となくカブル気がしました。きっと私だけなんだろうけど(ーー;)「ある日」〜「抱きしめた」までがなぜか固い感じがして大事な(この文字数だと、どこも大事だとは思うのですが)部分だと思うので勿体ないと思いました(・Θ・;)他の方と同じような感想の所もありましたが、一応書かせて頂きました<(_ _)>好き勝手な事を書いてごめんなさいです。では、連載&次回作を楽しみしています(。・_・。)ノ
2005-05-31 03:06:48【☆☆☆☆☆】羽墜
↓これ私です。同じミスを2回もしてしまいました、レス汚し申し訳ありません(/ー ̄;)
2005-05-31 03:27:30【☆☆☆☆☆】羽堕
読ませていただきました。短い中にしっかりと詰まっていて良かったです。皆さんの言う「ある日〜」のところは語順を変えたり、ちょっとやれば自然になると思います。私はあまり違和感感じませんでしたが。「うなじ」のところと、「さらに暗い闇へ」とありますが、主人公は別に悪い事(犯罪等)をしたわけではない(彼女には悪いかもしれませんが)のに、闇の中へ、という地獄に落ちるというイメージ(私だけか?)の言葉と、引っかかりました。位牌があるほど時間が経っているわけですし。それとも手術が成功するまで現世を彷徨ってたとか……?ともかく、とても良い作品に仕上がっていると私は思います。次回も期待しています。ちなみに私も最近までうなじを知りませんでした。聞くたびにつむじと勘違いしていた……。
2005-06-01 21:37:36【☆☆☆☆☆】ずっぽぱ
計:0点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。