『我侭だから 【読みきり】』作者:影舞踊 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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 逃げるのは
 逃げる場所があるからだと
 思ってた



 逃げないのは
 逃げる場所がないからだと
 思ってた











 切なげに咲く花は綺麗で、凛として咲く花は見守っていたくなる。そんな丘。僕の大好きなこの丘は、夕日が綺麗に見える場所で、この町を一望できる場所。長い階段を上った後に待っているのがこの場所で、この景色。それからこの花達。豊かな緑と、澄んだ空気、そんな風に謳われてるこの町の観光文句通り、田舎ならではのいい環境だと思う。

 今じゃめっきり過疎化が進んでしまったこの町だが、僕が子供の頃はものすごく活気があったのを覚えている。もちろんその頃は今よりも田舎で、交通の便も、24時間開いてるお店なんてのもなかった。ん? っと待てよ。24時間鍵のかかっていないお店ならあったかな。まぁそれだけのどかで、ゆっくりした時間を持ってる日常だったんだ。
 もちろんそんな町に生まれた僕だから、自由気ままに、のびのび育った。周りの友達も似たり寄ったりの性格で、町全体が家族ぐるみの付き合いだった。古ぼけた商店街を通ると、店屋のおっちゃん、おばちゃんが話しかけてきて、お世辞でも言おうものなら駄菓子やコロッケ、たまには小遣いまでくれたもんだ。僕らはそれを貰ったら、まっすぐ駄菓子屋へ直行。おっちゃん、おばちゃんもそれを見て笑ってはいたが、よく考えれば可愛げのない子供だったのかもしれない。少し反省する。
 小遣いなんてものは金持ちのボンボンが貰うもので、僕らにとっちゃたまに手に入るそれや、自動販売機の下で見つけるお金だったりがその役目を果たしていた。そりゃそうだ。誰に貰おうと、どこで拾おうとお金に変わりはない。父ちゃんや母ちゃん、じいちゃんばあちゃんにですら、僕らはお金を貰わなかった。日ごろ手伝わされる野良仕事は当たり前のことで、それに代価を求めるなんて正気の沙汰じゃなかった。一回兄ちゃんと一緒に小遣いをせびりに行ったことがあるが、足が立たなくなるまで説教されたのを覚えている。
 とまあ、そんな具合の僕らだったんだからそりゃもうお金は重宝してた。重宝なんていっても大事に貯めておいたりなんかはしない。そもそも、貯めておいたのが見つかったら、なんやかんやの理由を付けられてお上に取り上げられてしまうからだ。そんな訳で、先にも書いたが僕らはすぐにそれを使って、すぐに食べた。
 その頃の僕らは腹が減ってたから、その使い道は間違っていないと今でも思う。そんなに貧しかったのかって言うとそうじゃない。家でも十分食べてたし、学校でも給食はお替りして空になってた。なんだろう、成長期ってやつだったんだろうな。今考えるとどうしてあんなに食べて太らなかったのかって気分になってくる。ま、腹が減っては戦はできないと言うしね。それが当時の僕らの合言葉だったように思う。
 そんな合言葉を交しつつ、僕らが向かうは駄菓子屋さん。この頃の駄菓子屋さんって言うのは、今で言うコンビニと同じかそれ以上の役割を持っていた。もっとも僕らにとっては、だが。僕らにとって必要だったのは、手紙を配達してもらうことなんかじゃなく、傘を売ってもらうことでも、化粧品を売ってもらうことでもなかった。ただ、食料の調達。それだけの機能があれば十分で、駄菓子屋さんは十分すぎるほどその機能を備えてた。
 基本的にお腹がすいてる僕らだったが、晩御飯のことも考え買うのは『高い』駄菓子を沢山だった。でも、時たまものすごくお腹がすいてることがある。そんな時は、決まってカップラーメン。いろんな種類があって、そのどれもが超高級品。持ってるお金で一つしか買えない。僕らはそれを毎回十分吟味してとにかく量の多そうなものを、とにかく味が濃そうなものを、と四苦八苦して選んだ。ある時、悩みすぎて駄菓子屋のおばあちゃんが寝てしまっていたことがあった。全くもってお恥ずかしい。
 カップラーメンを選んだら、お湯を入れてもらいそのまま駄菓子屋を出る。「今日はどこで食べる?」決まりきった言葉もなぜか神聖化して、僕らは一つの場所を選び出す。夕日の見える丘。長い階段を必死で登る。お湯がこぼれないように、麺が伸びてしまわないように。(もっとも、たまにはわざと麺を伸ばして量を多く見せるという神業もやっていたわけだが、これじゃあちょっとおいしくないと3回目ぐらいで気づいた)
 町を一望しながら硬い石のベンチに座る。若干伸びてしまった麺だが、高級品には変わりなく、旨かった。カップラーメンを食い終わると、僕は決まってベンチから立ち上がり丘の端まで行く。その下は崖になっていて、見下ろすと背筋がすぅっとする。それを見た後、決まったように花達に水をやり、崖に腰掛けて、足を宙ぶらりんにしたら体勢完了。そのまま寝転び、春の風、夏の風、秋の風、冬の風。それらを体で味わう。見えるのは薄暗くなり始めた空と月と太陽と星。空に現われる全てが僕の視界に納まっていた。隣でゆれてた花達は僕らをどんな風に見てたんだろうか?



 つい先日、旧友と会った。凄く変わってて、一目見ても二目見てもわからなかった。馬鹿ばっかりやってて、女受けもあんまりよくなかったはずのあいつが、真面目で、でもどこか砕けてて、3枚目を気取る2枚目になってた。正直なところ、僕は嫉妬したんだけどそんなことを表面に出せるほど僕は人が出来てない。さらりと取り巻く女たちを払って、僕のところへやってきた。
「変わってないなぁ」
「お前は変わったな」
 そう言っただけで僕の中で何かが芽生える。なんでそんなものが生まれたのか、僕は僕で、彼は彼。同じ人間でも、僕は彼とは違う人間。そうわかってる。でも、
――なんでかなぁ
 きっと北に背を向けてたからだと無理やりの理由付け。彼とは懐かしい話もあったし、近況報告みたいなものもしたかった。けど、
「酒でも飲みに行くか?」
 彼は僕の言いたくなかった言葉をさらりといってのける。
 まただ。何でだろう。
 その日の夜。飲み屋で少し飲んでから、僕は用事があると言って抜け出した。
 文字通りの逃走だった。





「おじちゃん」
 不意に僕を呼ぶ声に振り向く。僕は自分で言うのもなんだが、そんなに老け顔じゃない。それでも僕をこんな風に呼ぶのには訳がある。振り向くとそこに立っていたのは見慣れた少女。夏祭りの季節だからか、浴衣を着ている。ほんのりと頬を赤らめているのは階段を上ってきたからか、暑いからか……ま、おそらくは、
 照れ隠し。
 この子が僕をおっちゃんと呼ぶのもそのせいだろう。見ず知らずの男に話しかける勇気があるのかないのか。元来女の子の気持ちに疎い僕にはそんなこと判るはずもない。
 小学校低学年の女の子がどうして僕と知り合いなのか。僕にもよくわからない。ただ数日前に帰郷した僕が、たまたまここにいたら出会ったのだ。あの時と同じように食べていたカップヌードル、あの頃より幾分人工的になった街の風景。変わらぬ花達。気づくとその子は隣にいた。隣にいて、じっとこちらを見つめるものだから「やろうか?」と聞いた。が、首を横に振る。どうにもわからず食べ終えて残り汁を捨てる。土に茶色い液体が染みていくのを見て、なぜかポケットに飴玉が入っていたのを思い出した。「あぁそうだ」ポケットに片手を突っ込んだまま隣を向いた僕は、少女がいないことに気づき少々照れる。さっきのことを独り言のように済ませるため、飴玉を口にほおばる。便意を催したので、昔と同じようにその辺の花にかけてやった。
 それ以来、僕がここに来て夕涼みしているとほぼ毎日のように表れる。そう言えば最初に会った時も浴衣ではなかったか。よくよく考えても今街では夏祭りなどやっていない。今時風流な子だ。
「飴玉、いる?」
 僕はここ数日のお決まりの科白をはく。少女の反応は決まって首を横に振る。もしかしたら首を横に振ることをイエスと思ってるんじゃないかとも思ったが、ただ純粋にいらないみたいだった。僕は飴玉を口に放り込み、足をぶらぶらさせて街を見る。
「おじちゃんはここが好き?」
 少女は僕の隣に腰掛け、同じように足をぶらぶらさせる。
「そうだな。ここが好き、だ」
 僕は街から僕をじっと見つめる少女に視線を移す。
「じゃあ、この町は?」
 少し言葉に詰まる。はっきりと声に出して好きと。そう、言えない。どうしてだろうか。この前の変わっていた旧友のことが思い出された。心のどこかで彼を羨ましく思っていたのは事実。変わってしまった彼。変わらない僕。僕は、この街を……
「嫌い?」
 なかなか答えない僕に少女が不安そうに聞く。風もないのに、ざわっと花達が揺れた気がした。
「嫌い、じゃ……」
 いつの間にか俯いていた視線を少女の元に向けると、また少女はいなかった。言いそびれた言葉を飲み込み、沈んでしまった太陽を恨めしく思う。なんでかわからないけど、少女が消えてしまったのは太陽のせいだと思った。
 もちろん、その日も花達には水をやって帰った。


 帰り道、一人の泣いてる少年を見た。真っ暗な道で、ぽつんと立った一本の街灯。商店街から少し離れた裏の路地。それなりに『近代化』してきたと言っても、まだまだこの路地には街灯が少ない。次に立ってる街灯までの距離はおおよそ20メートル。そこまでは本当に何もない闇。少年にとって、それはとんでもなく怖い道のりなんだろう。僕が子供の時もああして泣いたことがあった。

「こんな遅くまで遊んでるからでしょ!」

 そう言って怒られたのが懐かしい。
 家に帰るための時間も無視して遊びまわり、友達と別れるまではよかったものの、いざ一人になってみると周りが凄くしんとしていることに気づく。無性に怖くなって走る。街灯から街灯まで、20メートルの無酸素運動。街灯ごとに一旦停止で、そのうちそれが永遠に続くんじゃないかって思う。しまいには帰る道もわからなくなって、泣き出す始末。全くもって恥ずかしい。
 気づくと少年の前には女性が立っていた。彼女は何と言ったのだろうか。少年も僕と同じように叱られたのだろうか。それとも、優しく諭されたのだろうか。聞きそびれた自分がちょっと歯がゆい。ただ、泣いていた少年の顔はあのときの僕と一緒で、笑ってた。
 それが妙に嬉しくて、僕はその夜一人で飲んだお酒で酔いつぶれた。





 次の日僕はまた、ここに来ていた。別に何か用事があったわけじゃない。ただ、ここにいたら、昨日の続きが言えそうな気がして。僕はいつも通り飴玉をほおばる。ごつごつしたちょっと大き目の飴玉。昔懐かしいサイダーの味がする飴玉だった。夕日が見える。僕がここに来るのはこの時間、暇な時。(しょっちゅう暇なわけだけど)
 サイダーの飴がシュワッと溶けて口いっぱいに広がる。足をぶらぶらさせて街を見下ろす。どんなものにも変化は訪れる。僕が子供だった頃よりこの街は幾分か人工的になった。田んぼや畑はあんまり見なくなったが、町に下りていけばまだ駄菓子屋はあるし、商店街のおっちゃんおばちゃんもいる。まだ変わってないだけで、これから変わっていくんだろうか。便利さを追い求めるのが有益なんだろうか。
「おじちゃん」
 隣を見ると少女がいた。浴衣姿の少女。いつの間にか僕の隣に座ってて、同じように足をぶらぶらさせている。
「飴玉、いる?」
 少女は首を横に振る。変わらないその仕草が妙に愛おしい。
「おじちゃんはこの町、好き?」
 少女が昨日と同じように僕に問う。
「この『街』は嫌い。でも、ここは好き。だからこの『町』も好き。」
 わかるはずがないのに。苦笑する僕に少女はにこりと微笑んで「よかった」と言った。そして、「太陽が沈んでいく」という少女の言葉に、僕も山に落ちてゆく太陽を見つめる。気がついたら、太陽は沈んでて少女はいなかった。でも、太陽のことは綺麗だと思った。
 でも、太陽が沈むと少し冷えて、やっぱり花達には水をやってから帰った。昨日お酒を飲みすぎたかな。今日は多めだ。






 暫くして、また旧友とあった。彼は以前と同じで180度変化した状態。僕は以前と違って90度から270度回転した状態。
「やっぱり変わってないなぁ」
「お前もな」
 そんなことを言っても前のような感じは生まれない。そうか、今日は北に背を向けてないからだ。そんなことも思いつつ、自分の中で何かが変わってることに気づく。
「酒でも飲みに行くか」
 言ったのは僕。無性にそう言いたい気分だった。酒の席、あることないこと、あったことなかったこと。いろんなことを話し合う。話してみると、「何だこいつもあんまり変わってないな」と思う。それに軽く嫉妬……なんてね。
 変わっていくことを恐れて、変わらないことに執着。でもそれを指摘されると悔しくて、自分も変わってるよと言いたくて。
 結局中途半端が嫌だっただけで。そのどちらかにつくのを望んでた。でも時代は僕の望んだ方とは逆向きで、僕は無理して逆の方を選んでた。
 それが苦しいって気づくのに時間はかかったけど、それでよかった。

――求めてたのは逃げる場所。僕はそこを探して逃げてたんだということに最近やっと気づいた

 延命菊。夜になると萎んでしまうあの花は、そういう名前らしい。
 あの町も、あの丘も、ずっとあのままであって欲しいと思うのは僕の我侭。
 我侭だから、
 密かに願っていいですか?



2005-03-01 23:20:43公開 / 作者:影舞踊
■この作品の著作権は影舞踊さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
久々に短編でもと思って書いたのですが、なんじゃこりゃ(失笑
おそらく読み終えた方の中には、この作品が何をコンセプトにしてるのかわからない、って感じの方がいらっしゃると思います。すいません、まとまりきっていなくて。レス返しの際にでも、細かい事は述べさせていただきたいと思います。
読んでくれた方、貴重なお時間ありがとうございました。
新しくできた一言感想。辛口感想。どんなことでも受け入れますので、
感想・批評等頂ければ幸いです。
この作品に対する感想 - 昇順
影舞踊さんの作品を読むのはこれがはじめてだと思いますが、味のある文章だなあと思いました。私の作品は大体が一人称観点ですが、自分のそれとは違う文章を読むと正直勉強になることが多いです。そしてこの文章もそうでした。そして読後に仄かに残る暖かさは、この静かな雰囲気で覆われた作品の特徴かと。最近ある方から言われた言葉を借りると、『食材はありふれているけど調理はうまい』。そんな感じがしました。序盤の回想部分での『僕ら』が突然『僕』に変わっていたのに少々違和感があった程度で、改行が少なめなのも全編通してその仕様だと大して気になりませんでした。静かなで綺麗な描写にしても、最後まで話を引っ張る展開としても、良い作品を読ませいただきました。
2005-03-02 06:26:21【★★★★☆】村越
NRFではお世話になっております(_ _)mねこふみというものでぃ〜すヽ(´∇`)ノ個人的には『24時間鍵のかかっていないお店』でなんかツボにきました(笑)自分が24時間営業のコンビニでバイトしているせいもあるやらないやら。それに軽井沢では某コンビニは、名前の通り朝7時開業で夜の11時には閉店なんてトコもいまだにありますよ(笑)なんか、読んでてとてもゆったりとした感じになれました〜、ほのぼのとした中に村越さんの言う「引っ張る展開」があり、読みやすかったです♪
2005-03-02 09:36:01【★★★★☆】ねこふみ
読ませていただきました。ノスタルジィ、でしょうか。わたしは実際故郷も捨てていない子供なのですが、帰省時田舎に帰るコトが多く、なんだか他人事のように(?)思えなかったり…(’’) 影舞踊さんの、人生経験がわたしより長い感が伺えました。現代っ子として知ることの出来ない情景描写が多く、そこにリアルさを感じました。旧友。――意外と自分と同じコト、考えていたり。時間で風化したかなと思える友情でも、実は簡単に受け入れてくれたり。そうでもなかったり。色々ですが、寂しさも嬉しさもひっくるめて時間なんでしょう(謎)餓鬼が妄言を吐いてます。気にしないでください。そんなところで。
2005-03-02 10:05:59【★★★★☆】春一
自然な語り口が心地よく流れる中に、モチーフも小道具も自然に織り込まれて、この呼吸は見事だと思います。影舞踊様の私小説的語り口は、回を増すごとに端正に、かつ巧妙になっていく感じで、それはたとえばABCのようなエンタメ系で盗まれる側の社会的な不自然(失礼)を感じても、俊太への感情移入で許せてしまう、そんな自分の読者意識に繋がっています。
2005-03-02 12:35:03【★★★★☆】バニラダヌキ
面白かったです。充分綺麗にまとまっていたと思いますよ。毎度毎度思うんですが、影舞踊さんの『――』以下の部分、すごく好きです。そして最後の問いかけ。いいですね〜。連載の方も期待しておりますっ!
2005-03-02 14:26:25【★★★★☆】流浪人
お、影舞踊さんの短編だ。ということで読ませていただきました。こう言ったら失礼かも知れませんが、前の作品よりも巧くなっているな、というのが正直な感想です。適度なユーモアとノスタルジックな味わいと綺麗なラスト。実に良い感じでした。
2005-03-02 15:50:34【★★★★☆】夜行地球
やっぱあれですわ、影舞踊さんの短編にはホント弱いですわ(笑) この昔話を語るような口調が密かに自分のツボであり、少女もその存在がかなりいい感じです。そういえば最近駄菓子屋とか行ってねえよなあ、などと思いつつも、昔を懐かしんでおります。って、まだ高校生だろうが(マテ) 心温まるような短編、誠にありがとうございました。また影舞踊さんの短編を読めることを心から願い、これにて。
2005-03-02 16:01:52【★★★★☆】神夜
「変わっていくことを恐れて、変わらないことに執着。でもそれを指摘されると悔しくて、自分も変わってるよと言いたくて。」ここいいですね。誰かメロディをつくって歌を歌ってください(黙ってください)。文体も、情景も、登場人物もあったかーい感じがしました。人柄がにじみ出ている感じ。変わっていくことのせつなさを、甘酸っぱく描いたとてもよい短編だったと思います。好きです。(告白か
2005-03-02 17:58:56【★★★★☆】笹井リョウ
ども、読ませてもらいました。郷愁、というのでしょうね、こういうのは。(ノスタルジアといった方が分かりやすいと思いますが)既に成人と化してしまった自分には、主人公の感じている事が良く分かります。昔を懐かしく思い、昔は良かったと思うのは、人間だけである。何処かの哲学者がこんな事を言っていたのをふと思い出します。でも、そんな感情があるから人間と呼べるんだろうな、と思っていたり。(全然関係のないお話でしたが…)全体的に物静かで、伝えたい事がハッキリとしていて、良かったです。ではでは〜
2005-03-02 18:55:13【★★★★☆】rathi
せつない。 兄ちゃんとカップラーメン食べているのかな、と最後まで勘違いしていました。見直すと旧友と書いてありました。鏡的役割の少女も自分としては気になるところです。彼女はもしかしてあれだったのだろうか。それにしても影舞踊さんは言葉の魔術師ですね。そのフレーズ力は強いわけじゃなく巧い。一つ一つにさわやかさがあります。その作品にあわせた言葉がとても合致していて、いいなと思いました。最近感想長いので、早々に終わりたいと思います。では
2005-03-03 17:30:51【★★★★☆】うしゃ
あらまぁ、気付いたら私はまた精神の浄化を受けておりまして、読後の心は透き通るように綺麗になりました。お久しぶりです。久々に影舞踏様の作品を拝読させていただきましたが、やっぱりいいですね。この心地よさは影舞踏様の作品でしか味わえないような気がします。ところどころに、目を潰すほどの眩しい輝きを放つ文章などお見かけして、改めて影舞踏様の感受性と申しますか、そういうものの素晴らしさを感じました。ところで、ひょっとして私は影舞踏様と同じ歳なのか、とちょっとびっくりなことを思ったりもしております。また感性満開の作品を読ませていただける日を心待ちにしておりますのでっ。
2005-03-03 18:46:16【★★★★☆】エテナ
素敵な語りと筆致に惹きつけられて読み終えました。最後に主人公が辿り着いた心境を理解できていたら良かったです(私の読み取る能力がまずいのかもしれないです、と一言お断りを)。<――求めてたのは逃げる場所。僕はそこを探して逃げてたんだということに最近やっと気づいた>という言葉をうまく飲みこめませんでした。失礼します。
2005-03-04 01:00:13【☆☆☆☆☆】メイルマン
すごい……。全然レベルが違う、というよりも自分と比べること自体間違ってるというくらい、すごい。あったかい。懐かしい、と言っても十代の僕にとっては故郷での思い出ってのはそれほど遠くない過去なので、純粋に描かれている情感のみで楽しませてもらいましたけど……、それでもすごいです。悲哀? みたいのが溢れてます。……なんか、すごい勉強になりました。でも、ショックで書けなくなったかもしれません。……また読ませてもらいます、読みます。ですので絶対頑張って下さい!!
2005-03-04 17:35:16【★★★★☆】恋羽
レス返しでアップするのは気が引けるので、ここで。(気づいてもらえるのだろうか(苦笑

>村越様
一人称観点は書きやすいですね。でも個人的にはそれに妥協したくないので、三人称無理やり使って書いてみたり(まぁ一人称で書いといてなんですが(笑 味があるといっていただけ光栄です。常々そうありたいと思っているので。ありがとうございました。
>ねこふみ様
話を引っ張る? あぁそういうことか!(書いた本人がわかってない(爆 そうですね。この作品のテーマというか、主題。それを最後まで書いてなかったですからね(笑 読んでゆったりと暇つぶしになっていただけたのなら本当に幸いです。ありがとうございました。
>春一様
ノスタルジック。ふむ、この作品のテーマ……なのか?(コラ 人生経験はそれほど積んでない気もしたりしなかったり(笑 故郷というものはいいものです。(ふぅふむ、おっさん臭いなぁ(笑 ありがとうございました。
>バニラダヌキ様
嬉しいお言葉ありがとうございます。読みやすかったでしょうか。読みやすさは作品を書く上で、根本的かつ最重要なことですので嬉しく思います。バニラダヌキ様の描く人生経験豊かな作品に少しでも近づければと、浅はかな願い(笑 ありがとうございました。
>流浪人様
まとまっていたというのを聞けると、自分の作品に少しだけ自信がもてます(笑 ――の部分。ここはそうですね、影舞踊の思うがまま(は? いや、誉めていただきありがとうございました。
>夜行地球様
非常にありがたい。前作よりも上手くなっていると! 自分では気づかないものですので、そう言ってもらえるとあぁ書いてて良かったと思いますwラスト綺麗との言葉、締めには結構気ぃ使ってます(笑 ありがとうございました。
>神夜様
前にも書いたかなと思うのですが、懐かしむという感情が大好きです。ですので、今回の作品はフィクションですがもろにそれが出てますね(笑 それがお口に合いましたようで、嬉しく思います。自分の短編に弱いという言葉、毎度ながらにありがとうございますw
>笹井様
告白お受けしますわ(しますわ? 指摘して下さった箇所。そこはそうですね。かなり自然に書けた所。そういうのを書きたいがために作品(ストーリー)をでっち上げる、そんなとこあったりします(笑 ありがとうございました。
>rathi様
まんま郷愁ですね。この作品のテーマ。どこか大切に思っている場所があるから、また、安心できる場所があるから頑張れる。そんなテーマです(笑 ありがとうございました。
>うしゃ様
こ、こ、こ、言葉の魔術師〜(ガタガタ あっ、あのっ(落ち着け フレーズ力かぁ。あればいいです(笑 出てきた少女は思ってらっしゃるのであってると思いますよ。ご想像にお任せします(ムフフ(キモッ 身に余るお褒めの言葉、ありがとうございました。(カップラーメン出てきたかなぁ(笑)
>エテナ様
目は大丈夫でしょうか(オロオロ(真に受けんな 影なんてついてる自分の作品で心が洗われて下さったとは、う〜ん自分凄い(死んで下さい はて、影舞踊は何歳か。こんなの書いてるからものすごい年いってますなぁ。もう最近じゃ……(黙れ ありがとうございました。
>メイルマン様
率直なご意見感謝いたします。ご指摘の箇所は、「人は逃げる場所があるから自信を持ち、努力し、頑張れる(逃げない)」という考えの下に書きました。この作品の主人公にとっては、それが都会ではなく故郷となったわけです。(たぶんご理解していただけたかな? ありがとうございました。
>恋羽様
勉強になった? ふわぁ〜、かなり予想外なお言葉です。ダメですよ、こんなヘボ作者ので勉強してちゃ、もっといい作品があります。影舞踊の作品は暇つぶし程度に考えて、ね(笑 感極まるお言葉、ありがとうございました。

はい、書いてる最中顔緩みっぱなしですね(逝ね 皆様の温かいお言葉骨身に染みました。この作品のコンセプトは、今回のレス返しで概ね書けたかと思います。そして、これほどお褒めの言葉で押しつぶされそうです(笑 ですが、気にせず下手糞な作品は書きます。ですので期待せずに、次回作もご教授願えればと思います。本当にありがとうございました。
2005-03-04 23:12:39【☆☆☆☆☆】影舞踊
ふー……遅ればせながら読ませていただきました。気付いていただけるのかしら。いやホント、あたし影舞踊さんの短編にはマジ弱です(笑)大好きです(告白)影舞踊さんの短編はひどく描写が綺麗で味がありますね。深みがあってとても良かった。我儘でなく我侭になってるところが良いっ!!非常に温かな読後感に浸らせていただきました。またの短編をお待ちしてます。
2005-03-04 23:36:04【★★★★☆】ゅぇ
おほほ、気づきましてよ(誰お前? 嬉しいお言葉ありがとうございます。笹井様に続いての告白のお言葉、いやぁ〜影舞踊モテモテ(とりあえず死んで下さい すいません。では反省して、レス返しを。描写、もともとが田舎育ちですからこのような描写になるのやも知れません。(自分の住んでたところは、この作品で書いたのよりひどいですが(笑) 『我儘』ではなく『我侭』、字的に『我侭』の方が嫌味がなくていいやって感じで付けたのです。(全く浅はかな考え)しかしそんなところに目を付けるとは、古典好きからかしら(かしら?
裏話:連載始める前に書いてた短編は新しいことに挑戦てな感じでしたので、今回は久しぶりに温まる系を書きました。少なからずとも読者の皆様の心に「温かさ」を残せたのなら、この作品は本当に書いてよかったと思いました。(ぶっちゃけ書き終わってから、何回か消そうと思いましたので)
よいしょ、無駄に長くなり申し訳ないです。ありがとうございました^^
2005-03-05 00:29:59【☆☆☆☆☆】影舞踊
「逃げ」とは、果たして過去から逃げたいのか、それとも現代から逃げて過去に浸っているのか(もちろん後者だと思いますが)。本来、“過去は常に嬉し恥ずかし、忘れたいんだけど忘れたくない”という複雑な感情をベースに“恥”の面を強調することで却って強い郷愁を醸し出すものだと思いますが、エピソードに裏打ちされていない旧友との場面でそっちの感情を出すと、こちらはそれをストレートに受け止めてしまってどっちの「逃げ」なのかよくわからなくなってしまいました(笑)。あと、『街』と『町』の違いは、おそらく前者が経済的発展度合いなどの表面的な部分を指し、後者が記憶と密接に結びついた心理的な部分を指しているのだろうと読みましたが、これを理解するのに立ち止まる必要がありました(個人的なイメージとしては漢字が逆だったため汗)。全体的に温かい雰囲気が濃く漂っていた好編だったと思います。
2005-03-05 15:46:27【☆☆☆☆☆】明太子
明太子様的確なアドバイスありがとうございます。この作品での「逃げ」、それは自信ですね。現代・過去というくくりではなく、大切な場所(もの)をしっかりと誇示できるかという点での逃げです。ですので過去から逃げたい、現代から逃げたいというのではなく、自信をもてない自分が嫌でそれを抜け出したいという逃げなのです。(果てしなくわかりづらいですね(すいません 「街」と「町」、使い分けたわけですが明太子様には逆となってしまいましたか。ありゃりゃです(笑 使い分けについてはご理解の通りです。貴重なご意見ありがとうございました。
2005-03-05 21:30:41【☆☆☆☆☆】影舞踊
計:52点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。