『むだい』作者:えり / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
全角1866文字
容量3732 bytes
原稿用紙約4.67枚
ヤマ(本屋のかわいいひと、歳はしらない)
私(ヤマがすき きゅっとせつなくなり、
  しゅわっと溶けるサイダーのような恋)



学校の帰り、小奇麗でおしゃれかつしんぷるな本屋に寄る
地元でも有名で、中で本まで読めてお茶もつく
そこにいる店員はひとりだけ店員であって、店長である
忙しくかけまわり、忙しくオーダをきいて奥へ消えたりあらわれたり
その様子をじーっとみてるわたし。
さっき頼んだチェリーソーダと手に持つ読みかけの江國香織のウエハースの椅子


いちどだけ、どしゃぶった雨の日、(雨でも人は多い)
がらんと店内 しゃらんとジャズが静かになって
ふわふわのウェーブの女の人が奥から出てきて微笑んだ
いらっしゃいませ。ってね。
一応カフェでも本屋でもあるから、いらっしゃいませ。


「ほとんどの日にきてくれているね」
にこりと微笑む かわいい。顔があつくなる
そう、まいにち来てた
まいにち、チェリーソーダを頼み、ウエハースの椅子を苦労し読んでた


「おねえさん、ヤマってゆうんだ」
名札に「ヤマ」とだけ書いてある の横にハートのシール
ええ、そうよ。ヤマ、よ。また微笑んだ。
ヤマにだけ、わたしのなまえを耳元でおしえてあげた。
ヤマはありがとう。といった。そしてチェリーソーダをただでくれた


ヤマとわたしは、それからなかよくなった
漫画のようなすすみっぷり
展開がはやいけれど、きにしない。
女がおんなを好き。ただの憧れと勘違いしているかもしれない



「ヤマ。」にちようび、忙しい昼。
ヤマに奥へ入らせてもらう事を許可された。と、く、べ、つ?
うれしくなって、にんまり。
ヤマはコーヒーをいれたり、パンを焼いたり大忙し。
わたしがメニューサミシイなんて言わなければと思ったけど
ヤマは感謝してると笑った。
そういえば、ヤマは、わたしに、笑った顔しかみせてくれなかった
あたり、まえなんだろうか。


どしゃぶりの日、また店内はガランとしてた
ひとりの男がチェリーソーダを飲んでいて
わたしの口元がひきつった。

その日の、ヤマはうれしそうだった。



「たのしそうだね」


「ええ。とっても」


「あの人が気になるの?かれしなの?もしや旦那?」


奥で音楽を変えるわたし、ヤマは横にすわり
ふあふあのウェーブをさわりながら照れくさそうに
「恋人。」とだけこたえた
いままで みたことのない、表情。
わたしは ただの客であって、ただの客で、あ、っ、て。



「じゃあ、わたし、邪魔だよね」


「そんなことないわよ」


当たり前の反応だろう、けど、まだ居たかった
邪魔してやりたかった
この気持ちが 恋だと気付いた 憧れなんかじゃない


「やま」
食器洗いに取り組む、ヤマ
わたしのもってきたマイナーなバンドの音楽が
店内をみたしてゆく
やまは、少し振り向いて ん?というと
また食器の方を向いた


「わたし、やまがすきだよ」
すべてしらなくったって


「あはは。ありがとう。
わたしも、そうねえ。あなたの不思議なとこが好きだわ
そしてかわいいところ。妹のようで、一緒に居て楽しい」
笑ってから水をキュと止めて
わたしの横にまた座って ヤマはわたしの方を向き驚いた


「どうしたの!?」
ボロボロボロボロボロボロ
おちていく
ヤマの声がなんだか、いたい


「こまらすつもりじゃない、でも
わたしは、ヤマがすきだよ。」
ヤマは困った顔をした。
それから、わたしをだきしめた。
ほそいなーて言うと笑った。
そして
終わった。なぜか晴れ晴れしている
でも向こうに曇りが少しみえている


ヤマと、それっきり、話をしてない
ウエハースの椅子は
ヤマと話すのに夢中で読みきれていないし
そして まだわたしは本屋に通っている
いつも頼むのはチェリーソーダ
今は店員が2人いてヤマをいれると3人
チェリーソーダはヤマが持ってくることは、なかった。
「恋人。」といった人もたまに見た
ヤマはうれしそうだった。
この気持ちは、ただの憧れだと言い聞かす事で
わたしは落ち着いた
ウエハースの椅子が全て読み終わったら、


もうここにはこない。
2005-02-25 09:57:09公開 / 作者:えり
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■作者からのメッセージ
疲れた〜
見辛い文でごめんなさい
この作品に対する感想 - 昇順
ストーリー自体がしっかり追えましたし、柔らかい文章も雰囲気作りに一役買っていると思いました。文章に関しては正規表現について書かれているページのように書けば見やすくなると思います(上のほうの利用規約からいけるはずです)。
2005-02-25 23:46:58【☆☆☆☆☆】メイルマン
なんか綺麗だなぁー。情景が浮かんでくる。パステルのような雰囲気の中に、人を想うくすんだ色が浮かんだり沈んだり……そんなイメージ。欲を言えばヤマを想う気持ち(恐れ、不安、切なさなどの葛藤のようなもの)もう少し書いて欲しかった。けれど、それを書くことで文章のリズム(雰囲気?)が崩れるかもしれないし……勝手なことを書いてすみません。
2005-02-26 00:27:26【☆☆☆☆☆】甘木
甘木さん、メイルマンさん、ありがとうございました。
2005-02-26 10:37:48【☆☆☆☆☆】えり
ども、ねこふみです^^
甘木さんと同じ意見ですねぇ〜。綺麗で読みやすかったです^^
ん〜でも、やはり「、」や「。」を使ったほうがいいかなぁ〜と。なんにせよ、ボリュームがない分どうしてもこういう作風な小説になるとは思いますが、もっと長々と。むしろこれを序章、プロローグにして「ヤマ」と「私」の話が進むのもおもしろいかもしれません。綺麗でまとまっている分、もっと描写を増やすと崩れて良くかもしれませんが、やっぱり書きまくってみる事が一番成長するもので、そして何よりも、色々な人の作品を読むことで「どうしたら見やすい」「こんな表現方法もあるんだ」など等色々な事も学べますし〜。長くて読む気のなくなる作品をいざ読んでみると、本当はそれはとても素晴らしいものって事が多いですよ^^たった一文だけでも読んで、感想つけても書き手としては嬉しくなると思われますし♪なので、多種多様な作品を読み、尚且つ、様々な作品を書いていくことをオススメします^^それでわ〜、これからの活躍期待しております♪
2005-02-26 14:30:26【☆☆☆☆☆】ねこふみ
やわらかくて、あわくて、守ってあげたくなるような作品ですね。

「。」を使わないのは意図的ですよね。文章が硬くなるのを防いでいると思うので今回の使い方は良いと思います。ただし気になるのは「、」の使い方。「、あ、っ、て」などは「、あって」の方がすっきりしていいと思います。

「がらんと店内 しゃらんとジャズが」リズムがあって好きです。「ふあふあのウェーブ」などと微妙な表現が随所にあって良いなあかわいいなあと思います。
2005-02-26 21:50:16【★★★★☆】aiie
初めまして、影舞踊といいます。遅ればせながら読ませていただきました。私が男なのか? とか不思議に読み進めて、「そうきたか」と驚き。全体的に漂う淡い雰囲気は大好きです。ヤマを思う気持ちをもっと詳しく書いて欲しかったという意見もありますが、自分はこれでもよかったんじゃないかなと。詩的な印象を受けましたので、グダグダ心情を書かなかったのが逆に合っていた様に思います。「ウエハースの椅子」というのが何気に鍵になってるのには驚かされました。最後の締めも上手く、えり様の次回作も楽しみにしております。
2005-02-26 22:49:07【★★★★☆】影舞踊
影舞踊さん aiieさん ねこふみさん
ご意見など、ありがとうございました。
初めは物凄く細かく書いていたんですが
読んでみると、むちゃくちゃ重たくて、ドロドロな感じに...苦笑
もうちょっと物足りなさがありすぎなので
足せばよかったな。と思います。
「。」「、」などは気をつけようと思います。

ほんとにどうもでした^^
2005-02-26 23:32:45【☆☆☆☆☆】えり
はじめましてv読ませてもらいました。 私も影舞踊さんと同じく、この作品は細かく心情を書かなくて正解だったと思います。詩的な感じも良いと思ったのでv 私は、すらすらと簡潔な話なのに芯がしっかり通っていて凄いと思います。ウエハースの椅子も良い味出してましたv それでは、えりさんの次回作楽しみにしていますv
2005-02-27 11:50:18【☆☆☆☆☆】千夏
千夏さん、ありがとうございました。
下の方に今回の事を書いてありますので(まとめちゃってごめんなさい)
どうもでした。^^)
2005-02-27 12:57:23【☆☆☆☆☆】えり
計:8点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。