『16BOYS』作者:病弱なターミネーター / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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2051年、世界の機械産業は驚異的な進歩を果たし。
21世紀には玩具程度でしかなかったロボットが人間と同じ能力を持つようになる。
それだけでは留まらず、不可能と思われた神経の微弱な信号の解読に成功し。
脳波によって動く機械の開発に成功、そして飾りでしかなかった身体の不自由又失った部分を補う機械が脅威的に発達。
本来の人間にある、腕、足同様の動きを可能にした。
しかし、ここで問題が発生する。
義手又は義足の能力を人間以上の力が出るように強化する者が現れたのだ。
その者達は、その力を使い犯罪を起こす。
21世紀には考えられなかった、身体を機械で補った者「サイボーグ」が起こす「サイボーグ犯罪」の発生である。
この時対処に当った警官隊には、サイボーグ達は止められなかった。
その時、警官隊の変わりにサイボーグ達の犯罪を止めたのがサイボーグ。
犯罪を起こしたサイボーグ達の性で身体の一部を失った者達がサイボーグとなり事件を解決したのだ。
この事実を知った政府は、「ジーク」と呼ばれる物を組織し。
サイボーグ犯罪に十分対処出来る警官隊を組織できる迄民間のサイボーグ達を雇い犯罪に対処した。
しかし、警官隊がサイボーグ犯罪に対処できる様になった頃にはサイボーグ達の力は予想を越えており。
政府の遅い対処ではどうにもならなかった。
この事により、「ジーク」は存続を続けた。
だが、細かい規則の中で採用した者では、犯罪者達に太刀打ち出来ず。
採用のさいの細かい規則を廃止。
誰でも「ジーク」に入れる様になった。
この頃には「ジーク」に所属した者を「ハンター」を呼び始め、忌み嫌われる存在と成り始めるその理由は一つの、一つの事件を対処するに連れ多額の金を要求するから。
その二、対処の仕方である。
犯罪者を捕まえるのに、手段を選ばぬ輩が増え。
回りの住民達に被害が及ぶケースが続出した為。
その他にも色々とあるが一番の理由は、銃等の火器の使用が許可されている事である。
住民達から苦情が出ているが、ハンターの、ジークの存在が無くなれば犯罪者は増える一方になる。
その事から、忌み嫌われながらも存在し続ける。
そしてこの時に、機械産業の頂点に立った会社が存在する。
世界一のロボット産業として、一年に数十万のロボットを輸出。
機械産業の最先端を何十年とり続け。
今や、世界の大富豪達の頂点にも立った会社。
その名は「空時」。
社長である、「空時・葉(くうじ・よう)」は世間に姿を決して見せずに居る。
だが、この会社には不穏な動きが見られる。
人体実験、買収行為等、何処の企業でも一回はしている行為ではあるが。
空時の場合規模が違う。
世界を動かす程の事件の陰には空時の文字が出てくる。
何が目的なのか。
誰も知る良しの無い。
時は過ぎて、2071年。
機械産業の革命が起こった日から20年が経った。
今の世は最悪の治安と化している、サイボーグ達の他に人間並みの知能を持ったロボットの暴走による事件が多発した為だ。
。要らなくなった、ロボット達に何やらの異変が起こり無差別に人間を襲うと言う事件が。
暴走が起こる過程は、不法投棄によってAIが異常をきたす等色々あるが解明されていない。
そして、空時本社が存在する世界の中心的存在の街「プラディウス」で決して表に出る事の無い事件が起こる。


世界首都プラディウスの外れに位置する廃材置き場、時はすでに月が青白く光る夜中。

今この、鉄屑の山に埋め尽くされた廃材置き場に二つの人影が見える。
ガチャガチャと二つの影が動くたびに耳障りな音を立て、鼻を貫く腐敗臭を漂わす資材以外の物もある。
その中を「何」かを探して動き回る影。
普通の者なら何分も居ない中で何を探しているのか。
その探し物は直に見付かった。
突如、廃材山の一部が盛り上がり。
金属と金属の擦れる音と共に姿を見せた。
二つの影の一つが、廃材の山から出てきた物に近づいて行く。
廃材から姿を見せたのは、古くなりリペアも聞かなくなった作業用ロボット。
二つの影が探していたのは、このロボットだった。
何故、ロボットを探していたか?
それは、二つの影がハンターだからだ。
二つの影の一つ、ロボットに近づいて行ったのは。
ハンター和也、短く切った髪を立たせ、右肩から先を切り取った長袖の黒いシャツを着て、履き旧して色の落ちたジーンズ履き、動き易い
赤のスニーカーを履いた、まだ幼さの残る顔立ち。
そして、目を引くのが黒い色をした右腕。
そして和也の後方で和也を見ている、ハンター英希、赤く染めた長めの髪を後ろで束ね、灰色のタンクトップ着て、ガンベルトの様なホル
スターが二つ付いたベルト
をして、和也と同じく、色の濃いジーンズを履き、しっかりとした造りの藁草履を履いている。
二人の年齢は16歳と若い、高校に行かなければならない歳だが、訳あってハンターをしていのだ。
和也は、関節が錆びているのかギィギィと嫌な音を出すロボットに近づいて、後一歩でロボットの手が届く所で立ち止まる。
すると。

「和也、さっさと始末しろ未だ仕事が残ってるんだからな」

英希が和也に話し掛けた。
何時、暴走したロボット「バーサーカー」に攻撃されても可笑しく無い時に。
余裕、それほどまでに実力があるのか?
数秒後に分かる事になる。

「あぁ、一発で終らすよ」

英希に話し返す和也。
一発?銃でロボットの心臓と言える動力炉を打ち抜く気なのか。
しかし、和也は銃など持っていない。
拳で貫くのか。
無理だ、ロボットの装甲が幾ら錆びて古くなっていようと人間の力では絶対に貫けない。
それなのに和也はバーサーカーに近づく。
バーサーカーは和也の姿を捉える。
そして、和也を敵として認識。
和也に向かって右手を振り下ろした。
古くなって捨てられたロボットとは言え、振り下ろすスピードは常人には見えない。
だが。
ガァッシャァアアァァァン
バーサーカーの手が敷き詰められた鉄屑を貫ぬく嫌な音が響く。
その時、ロボットの背後から和也の声が聞こえた。

「一撃で仕留めてやるから、大人しくしてろ」

バーサーカーの振り下ろす手を避け、一瞬の間にバーサーカーの背後に回っていたのだ。
そして、バーサーカーに声を掛けると、黒い右腕を腰を捻って引くと。
右腕から奇妙な音がした。
そう、和也の右腕はギミックアームで対バーサーカー用の兵器だったのだ。
奇妙な音とはギミックの作動音だった、和也の右腕の仕掛けは銃に近い物で。
特殊な弾薬で腕全体に驚異的なスピードと破壊力を纏わせ。
10mmもの鉄板も軽々と貫く。
当然、バーサーカーの装甲等は紙の様に貫く。
「ブレット!!!!」
和也の叫びと共に和也の右腕が。
ゴォオオオオオオン轟音を発し、常識を超えたスピードでバーサーカーの動力炉目掛けて撃ち出された。
そして。
ガッギィィン
和也の腕がバーサーカーの背中から胸に向かって突き出ている。

「・・・・・・・終わりだ」

和也はゆっくりと貫いた腕を引き抜くと。
動力を失ったバーサーカーは前のめりに倒れ込んでいった。

「和也、帰るぞキャンセルの効く仕事でも今は数こなさないと行けないんだからな」

英希はバーサーカーが倒れ再び立ち上がる事が無い事を確認すると和也の側にゆっくりと歩き寄った。
そして、ジーンズの左ポケットから煙草の箱を取り出し、箱の蓋を開け残り二本しか無い円筒形の物を一本取り出し口に咥え煙草と一緒に
取り出した銀色のカバーに包まれたターボライターで息を吸いながら火を付ける。
そして、咥えたタバコを右手の指で挟んで取ると和也に差し出した。

「ありがとう」

一言礼を言うと英希の右手にあったタバコを受け取り咥える。
そして、息を吸い煙りを肺に入れ。
少し溜めてからフゥーとすべて吐き出した。
和也がタバコを吸ってる間に、最後の一本のタバコを英希は火を付けて吸っている。
仕事の後の一服。
暫しの休憩。
そして、タバコがフィルター近く迄短くなるとその場の地面へ捨てた。
二人同時に、英希が和也に合わせたようだ。
地面へ捨てたタバコを靴の裏で踏み火を消すと。
二人無言で歩き出した。
今回の廃材置き場のバサーカー駆除の仕事は終った。


2003-10-20 05:14:11公開 / 作者:病弱なターミネーター
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■作者からのメッセージ
この作品は、未来を舞台にした話で絶対的な権力の力に蹂躙された三人の少年少女を主人公にした話です。
基本は、明るい会話とバトルで構成されていまるので気軽に読めると重います。
今だ執筆中なので連載していますので見て下さい。
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