『俺の中、一方通行。』作者:貴志川 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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ガッコは大好きだ。
16でこんな事言う奴って俺だけじゃねえの?なーんて…
でも少し、嫌いになってきた。まあ、このお年頃のガキが学校嫌いになるなんて…理由は一つ
恋愛がらみなわけだ。

ガッコは面白い。(何の手違いか)すげー頭のいいクラス入ったのに、ダチは馬鹿ばっか集まってきて。馬鹿ばっかやって。馬鹿みたいに笑って。
入学式にコクられて『意外と俺もてんじゃん?』、なんて錯覚まで起こさせてくれる。
…いや、勉強はさ……あれだよ…ほら…『別腹』って皆知ってるよね?

…まあ、そんなこんなで俺はガッコが好きだった。そして俺はこの世の中でも一つ、好きなもんがあった。
剣道だ
いやいや、皆様のゆうこたぁみなまでわかりますぜ。

『さわやかじゃねえ』『臭い』『暑苦しい』『スポコン野朗!』『このばい菌野朗!』『へたれ!』『近寄るな!臭い!熱い!』『いや、もうボケ!』『道着とか洗ってる?』『道場から異臭が』

ええ。わかってます。そんなの重々承知のスケ。でも俺はそいつが大好きだ。
俺にはもともと好きなものなんて無い。
いやいや、重い話じゃないさ。皆だって一緒だろ?生まれた頃なんて好きなもんあるほうがオカシイ。せいぜいママのおっぱいくらいだろ?
俺はただ、成長してもそのガキのままだってことだ。…おまけにつけると俺は哺乳瓶から栄養は頂いた。ママのおっぱいってなんですか?って感じ。好きなもの…特になし。高校の『よろしくカード』なんてガキ臭い紹介文にも気取りやのごとくそう書いてやった。
ウソ言ってねえじゃん。俺。
そんな俺も中坊の頃、やりたいことができた。強くなりたかった。そうして俺は武術が習いたかったけど俺の通ってた中学には武道系の部活が無くて、しょうがなく剣道始めた。
最初の頃はさ、筋トレ筋トレ筋トレ筋トレ筋トレ筋トレ筋トレ筋トレ筋トレ…マッチョマンめざせこのやろう!って感じで、『あー…つまんね』とかおもってさ、ムカムカしてやめてやろうかと、顧問ぶん殴ってやろうかと、マッチョマンだれだよと。
でもある日顧問の『ゴリロー』が言ったんだよね

「自分に言い訳すんな!!馬鹿野朗!!」

俺は生まれて初めて親父意外にこえー人物に会ったね。
でもその言葉はこえー「ゴリロー」像と共に俺の心にずっと居座ってくこととなった。
俺は自分には言い訳しなくなった。
『昨日夜更かししすぎて今日はもうできねえよ』→『自分のせいだバカ!早く部活いく!』
『もう限界…紺だけガンバりゃ…・・』→『ココまでで休むのかよ!アホゥ!!』
『あー緊張する…試合だめかな…・・』→『ふざけんな!死ぬ気でやるんだよ!』
って心の中の『言い訳禁止クン』が叫ぶようになった。
そんで剣道もだんだんすきになった。
剣道はするめみたいにかめばかむほど…って感じでもあり、でもするめみたいに食ったら終わりなんてモンじゃなくて、いつまでもウマイものとして俺の中にあり続けた。

そうして最後の大会で県大会出場目前で幼馴染に負けたときも、受験に失敗したときも、そいつは俺の中の『やりたいこと』であり続けた。

そうしてこの高校に入った。
前途の通り学校は大好きになった。
ただ、部活は気に入らなかった。
やる気の無い先輩。やる気の無い同級生。やる気の無いすずめどもの鳴き声。
しかも誰か知らないが鍵をなくしたおかげで部活停止にまで落ちいった
はっきり言って俺が求めているものはそこには無かった。すげえムカついてた。

でも俺はいま、そこで好きな娘ができた。
好きなムスメではない、好きなコだ。

わけわからんだろ?お前なに言ってんだ!?だろ?
でも好きなんだ。
入った頃は、なんとなく妹みたいな感じだった。
俺は剣道やる気なしの連中は認めてなかったが、連中の人としての魅力には取り付かれていた。だから妹みたいな彼女も、俺は嫌いどころか『大好き』だった。友として。ダチとして。お学友として。
でもいつごろだったのだろうか?
俺はそのこが好きになってた。

なんでってさ、知るかよ、んなもん。好きになるのに理由いるか?理由がある『好き』なんて『好き』になってる自分が『好き』なだけだろ?俺のは理由がない。だからややこしい。苦しい。片思いチェケラ!!
そうして当然、片思いなんてうまくいきっこないわけだ。それがローカルルールってやつだろ?わかる?ローカルルール。
俺が上手いこと告白しよう!なんて思ってたある日。そいつは突然耳を寄せてきた。悪魔のささやきってこういうののことさすんだな、って感じに。

「なあ…俺、アイツとつきあってんだわ」

「……………・・へ、え」

なんかよくわからん声が出たぞ、俺。
もう言わずもがなのアイツと付き合ってるその男(H君としよう)は俺が大嫌いな人間の典型だった。
動きが気持ち悪いし、女の子殴るし、蹴るし、踏むし、部活やる気無いのに「俺頑張ってるよ!」ってクラスに言いふってるし、部活停止食らったときも「こういう失敗は繰り返さないべきですよね」とかいって悔しくて泣いてる俺を蹴ってどかそうとしてたし。

でもあの子はそいつを選んだ。
選んでた。

いや、ショックだったね。すごく。泣きはしなかったけどさ。風呂場で何も言わずにひざ抱えてた俺ってなんなんだろね?悲しいって奴、初めて知った。

んで今日、遊んできた。その子と。あの日以来、実に三週間ぶりだった。

はい、聞きたいね。聞きたいだろ?聞きたきゃレス書きな。俺は無駄な話をするのは好きだけど周りが迷惑するのは好きじゃないからな。
そんだけ。
2005-01-17 00:24:46公開 / 作者:貴志川
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■作者からのメッセージ
すみません。すげえ横柄です。ですがお許しを…。このお話は俺の実体験です(恥!! ←でもアルお方の作品をみて「リアルなのもわるくない。不評なら消しゃいいし。」という管理人さまに申し訳ない考えで書いちゃいました。
くだらねえ!とか書いちゃってください!もうまぢごめんなさい!!!
この作品に対する感想 - 昇順
読ませていただきました。ふわぁ〜実体験ですか?一人称の読みやすい語りでするすると読ませていただきました。剣道をするめに喩えた比喩は上手いなぁと思いました(カリカリ ちょい切ないような、でもこの後の遊んできたって展開がそうでもないような(笑 風呂場で何も言わずに膝抱え、とても気持ちがわかる一文でしたよっw次回作も頑張って下さいね。
2005-01-17 00:44:37【☆☆☆☆☆】影舞踊
本当に、すごいですね。感嘆詞なんてものが不必要なぐらいすごいですね。
あの緊迫感、あの実に無機質なまでのきれいな文章を書く人が、こうするなんて・・・。いやいや、感服いたしました。
なんか、男の走り書きって感じですねえ。楽しいな。たまにはいいかもしれないです。面白いですよ。ショート(ショートショートですか?)また書いてくださいね。期待してます。ちょっと恥ずかしいです…。
2005-01-17 01:35:50【☆☆☆☆☆】ココハ
とてもかわいい文章ですね。ちょっと悪ぶって書いているけど、まだまだ子供な感じのやんちゃな男の子みたい。ふふふ(^^)、て思いました。ま、年下だしね。私も、前、実体験書いたのですが、そしたら、すごくすっきりしたんですよね。自分の人生を整理できた気がしました。きっと、今、そんな気分じゃないですか?その子と、上手くいったんじゃないんですか?だったら、素敵ですね。次回作も、頑張ってください!
2005-01-17 06:53:34【☆☆☆☆☆】liz
『好きなムスメではない。好きなコだ』に爆笑。そして作者メッセージの『実体験です!!』に爆笑(失礼な。あたしもちょっと前に阪神大震災の実体験をもとに読みきりを書きましたが……なんかこう、不思議な気分になりますね。つらかったけど、あっ、でも今あたし小説の主人公じゃん。みたいな(馬鹿? とにかく共感できる作品でした。次回作も楽しみにしてますね。
2005-01-17 09:10:04【☆☆☆☆☆】ゅぇ
どうも、読ませて頂きました。すらすらと進む文章が読んでいて気持ちよかったです。語り方、雰囲気の造り方がお上手だと感じました。リアルじゃないと書けないシーンなども見え、良かったと思います。次回作も頑張ってください。
2005-01-17 12:53:55【☆☆☆☆☆】昼夜
読ませていただきました。主人公の心情が何も飾らずにダイレクトに伝わってきて、ある意味爽快ですらありました。勢いのある掌編でしたね(笑 随所に笑える表現が飛び出してきて、貴志川さんならではのセンスを感じました。「道場から異臭が」には思わず爆笑! こう言った開き直り的な作品も、ショートならでは活きる試みですね。今後のご執筆もぜひぜひ頑張ってくださいっ。
2005-01-17 19:14:09【☆☆☆☆☆】卍丸
えーみなさま、ありがとうございます。なんというかその〜『このやろーでりゃー!!!』って感じで書いたのが意外と好評で脱力・・・をいをい、本業(連載モノ)より売れてんぞ…コレ…ってな〜(笑 笑っていただけて結構!しかし皆様、よく考えるとコレ中半端ですよねえ〜なぜかは言わないでおきましょう!(俺馬鹿? …さてまず影舞踊さま、比喩、完全に適当です。するめ、ぶっちゃけ喰ってました。ただ喰ったらやっぱり終わりでした(うん、俺馬鹿だからさ、流してくれ。) ココハさん、ほめすぎです。男の走り書きではありません。むしろ『掲示板の荒らし』程度のモノとしてみて貰ってかまいません。(でもココハさんサイコ〜もっと褒め…)lizさん。実はあなたにばれるのが一番はずかったです。あんなにデータ重視のインテリぶったのに…(赤面っ)…そうですその通りです。すげえすっきりしました。なんでなんでしょうね?でもアリガトでございます。ゅぇさま、私はそれをマヂで書いてました。『だれかムスメと読むのでは…?やばくないか?キャラ勘違いとかされたら…(略』でもゅぇさまに笑ってもらえるなら、いくらでも不幸になってやりましょうぞ!!ところで俺も実は洪水に会ってます。怖かったけど、小説にしたらおもしろかったかも…(今度かいてみますね)10周年、黙祷させていただきました。今後二度とあのような惨劇が起きないことを祈りました。下らない願いですけど。…今度は俺らのところ、東海大震災がくるようです。俺が死んでも忘れないでください。(マヂ 昼夜さま、語り方、よかったですか?俺はいつもこんな感じの喋り方です。先生には「せんこーさん」と話しかけます。自分のことは「俺」もしくは「再生不可の粗大ごみ」とさします(これもマヂです) 卍丸さま、読み方わかりません。馬鹿ですから。コピペしました。そしてそんなにマヂで『センス』とか言われると恥ずかしさで今コーヒー吹きました。(いや、もうぶっちゃけた話卍丸さまにコメントもらうのうれしいです!!古参ですよね〜〜)
えーみなさま、再度、いいます。      ありがとうございますた!!
2005-01-17 23:24:34【☆☆☆☆☆】貴志川
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