『傘姫 』作者:メイルマン / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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 1 傘の姫 白い行進

 夜を間近に控えた、薄暗い洗面所でした。
 目に映る物たちが淡く、緩く、暗い青に染まっていました。
 僕は一糸まとわぬ姿で、鏡と向かい合っていました。右手にルージュを持って。
 唇にそれをゆっくりと当てて、ひきます。初めてというわけではなかったけれど、普段嗅ぎなれないそれの匂いが、僕の鼻をなめるように刺激しました。
 僕は少し目を瞑ってから、鏡の中の僕を見ました。暗い中の微かな明りで、青い肌をした僕が見えました。
 唇の青がほんの少し、濃さを増していました。
 ――きっと素敵な紅色だ。と、その時僕は思ったものです。
 洗面所を出て、リビングへ向かいました。
 ソファに掛けてある、真っ白いワンピースを手に取りました。
 僕はこのワンピースを着られる事が、嬉しくてたまりませんでした。こんなに綺麗な白を。
 僕はそれを着ると、くるくるとその場で回ってみました。ひらひらのスカートがふわりと浮いて、とても楽しかったです。ええ、本当に。
 その後僕はもう一度洗面所にいって、身だしなみをチェックしました。もちろん電気はつけません。しめやかに、密やかに、です。正直、この暗い青が気に入っていました。
 リビングに戻り、ベランダへの窓から段々と濃さを増していく青を見てとって、僕はその窓を開けました。
 この青がもうすぐ黒になる。夜が始まる。
 そう思うと、嬉しさと清々しさと震えが、体の底から沸いてきました。内緒の話、叫んでしまいたい気分でした。
 僕は高揚した気分のまま、リビングのテーブルの上のチェーンソーを手に取りました。固い、ごつごつとした感触が手に伝わって、僕は何故か安心しました。そして、とてもわくわくしました。
 ――もう、夜だ。
 外の暗さに満足した僕は、助走をつけて走り出しました。
 ベランダの柵を飛び越えて、14階から飛び降ります。
 空気がスカートの中に飛び込んできて、ちょっとくすぐったいです。
 誰でもいい。誰か僕が舞い落ちて行く様子を、ビデオにとって見せてくれないでしょうか。
 きっと白い傘が開いたまま、くるくる歪な回転で、でも綺麗に落ちていくように見えるんでしょうね。
 ――あぁ、なんて素敵なんでしょう。

 たぶん少しだけ、思考が鈍くなってたんだと思います。
 父親を殺したのは、初めてでしたから。
 あの日、公園のベンチで、朝が背に触れるギリギリまで、僕はボーっとしていました。
 早朝の空気って、澄んでて気持ち良いでしょう? だからかもしれません。お日様が昇るまでここに居てもいいかなって、思ってしまったんです。
 呆けたように公園の広場で、シーソーとかブランコ、静かな木を見ていました。
 本当に、何故あんな無防備な姿を晒したんでしょう。今思えば、不思議で仕方あないのです。
 そう、気付いた時には彼に見られていました。
 ああ、思い出しただけで本当に恥ずかしい。あんなに返り血を浴びていたのに。全然、真っ白なワンピースではなかったのに。彼に見られてしまいました。
 朝の散歩の最中だったんだと思います。犬が吠えたのを聞いてそちらを見ると、彼の驚いた顔と目が合ってしまいました。
 彼の目を見た時、僕はどうしていいか、わからなくなりました。思考が鈍くなっていたんです。いつものような優雅な立ち振る舞いも、可憐な挨拶も出来ないまま、僕は固まってしまいました。
 もちろん、足元でぶちゅぶちゅに転がっているお父様の不躾を、たしなめる暇もありませんでした。
 彼は僕に背を向けて、走り去っていきました。犬が砂地を蹴る楽しげな音を、僕はまだ覚えています。
 僕は数瞬の思考停止を経て、ことの次第を理解しました。
 立ち上がって、お父様に一瞥もくれずにゆっくりと歩き出すことにしました。
 ――とりあえず、家に帰ってワンピースを洗わなくちゃ。
 外に出る以上、身嗜みは、とても大切なものです。
 爽やかで心地良い風が、明け方の公園を抜けていきました。

 あの日会った彼のことを、僕は前から知っていました。
 とても小さいころのことだった気がします。僕と彼はよく一緒に遊んだものです。
 かくれんぼ、鬼ごっこ。球蹴り、登り棒。彼のおうちのサクランボを二人で獲ったこともあります。
 でも二人きりで映画館や、遊園地に行った覚えもありますから、案外長く一緒にいたのかもしれません。とても仲が良かったんですよ。
 親友でした。たぶん、一番の。
 どうして名前を覚えていないのか、不思議なくらいです。
 そんなことを思いながら夜の街に降り立って、僕は真っ直ぐ、彼のおうちに向かいました。
 何回か、彼のおうちで遊んでいましたから、迷うことはありませんでした。
 途中、すれ違った何人かの人は、まじまじと僕を見てきました。
 綺麗な口紅とワンピースを纏っていて、本当に良かったと思います。


 自室で僕を迎えた彼は、とても驚いていました。
 右手に犬の首を携えて現れる客人なんて、滅多にいませんものね。
 明るい照明の下、彼の動揺している顔は、僕が今まで見てきた他の人の顔と大して変わらず、奇妙に歪んでいました。まぁそれはそれで、素敵だと思うのですが。
 彼は僕に、幾つか質問をしてきましたけど、ほとんどはもう忘れてしまいました。
 一つだけ。
 彼の「どうしてだ?」という問いに、僕は「運命だからさ」と答えました。
 思いがけず、自分の口からとんでもない冗句が飛び出したので、僕は一人で思いきり笑いました。
 ええ、ここ何年かで、一番笑ったかもしれません。

 彼の邸宅は非常に立派なものなんです。広い敷地に長い塀。木の匂いがする扉をくぐると、ところどころの地面に灯りがあるお庭と、大きな洋館が見えるんです。
 彼がその庭をゆっくりと歩くものですから、僕は黙ってその後ろを歩きます。使用人の人達は皆、おうちの中で死んでいたので、庭は綺麗なままでした。
 僕の知っていた庭と、何にも変わっていませんでした。
 白い光をはっきりと放つ灯りが、池の側にありました。水面がその光を受けて、とても優しく輝いていました。
 彼はその池の側で立ち止まり、振りかえって僕を見ます。
 何秒か目が合った後です。どこに持っていたのか、彼は銃口を僕に向けました。
 ぱん、と高い音がしました。僕は見事に銃弾を身に受けました。肩口から広がる 痛みが気持ち良くて。そのまま僕は彼に向かって走り出しました。
 十歩くらいだと思います。高い音が三度鳴った時、僕は彼のもとへと辿り着きました。
 足元に潜るようにかがみこんで、僕はチェーンソーのスイッチをいれ、彼の足を切ろうと思いきり振りつけました。
 彼は急いで飛びのきました。けれど残念なことに、もう彼の右足は付け根から消えていました。当然、血がたくさん出ました。
 僕は地面の右足をまたいで、彼へと近づきます。
 彼はまだ気絶していませんでした。なので、まだ僕と話ができたのです。
 僕は血の河にそっと足を置き、彼の顔をまじまじと見つめました。
 彼に表情はありませんでした。目は動かず、視線はじーっと空に固定されていました。僕はその視線に自分の目を合わせるべく、彼の顔を上から覗き込みました。
 彼はぼそぼそと、何かを言っているようでした。僕は耳を近づけてみます。
「綺麗な……口紅だ……ね」
 彼は消え入りそうな声でそう言いました。
 はたして、こんな侮辱があるでしょうか。
 僕は彼の鼻っ面を思いきり殴りました。
 音がして、彼の鼻が折れました。鼻血が出ていました。
 なおも空を見続ける彼は、おかしな声で言いました。
「あ……ぁぁ」
 肺からの空気は、言葉にはなりません。
 その様子を見て、僕は彼に顔を近づけ、キスをしました。
 変な匂いがしました。僕はゆっくりと舌をいれます。彼の鼻血が、べっとりと僕の顔にもつきました。
 その時にはもしかしたら、もう彼は死んでいたのかもしれません。
 暗くて冷たくて、綺麗な庭に、僕一人が残りました。
 僕は灯りに照らされた池に歩み寄って、水に映った自分の姿を見ます。
 大きめの赤い染みが、ワンピースに三つ付いていました。
 ――帰ったら、洗おう。
 僕はその場でくるりと一度回りました。空気が入って、スカートがひらひらと浮かびました。
 きっと、気分が良かったのでしょう。
 早くおうちに帰って、ふかふかのベッドで寝よう。
 僕はそう思いました。

 夜が近づいていました。もうすぐ、お出かけが出来る時間です。
 眠りから覚めた僕は、洗濯を終えて干してあったワンピースに手を伸ばしました。
 物干し竿から降ろして、ワンピースを抱きすくめると、柔らかくて良い匂いがしました。
 そこで初めて僕は気がつきました。彼が撃った弾で、ワンピースが破けていたんです。
 鈍い色の血はとれていましたが、僕はそれを見てがっかりしてしまいました。
 こんな洋服じゃあ、お出かけすることが出来ないからです。
 僕はすぐにゴミ箱に向かって行きました。
 そこにワンピースをくしゃくしゃにして、捨ててしまうつもりでした。
 でもやめました。
 穴だらけのワンピースは、今でも大切に、クローゼットの奥にしまってあります。
 ――何故かって?
 男の人とキスをしたのは、初めてだったんです。
 こんな僕ですけど、思い出の一着なんてのがあっても良いでしょう?


 ++ 幕間邂逅 隆俊の一 ++

四角い白い部屋の中で、獰猛な虎が全裸の幼児に狙いを定めた。
幼児は直立したまま微動だにせず、沼のような瞳で虎を見据えている。
虎は幼児にのそりと近づくと、くんと匂いを嗅いでその巨大な舌で、幼児の臍から胸にかけてべろりと舐めた。
私は軽い眩暈を覚える。
しかし裸の幼児は変らず、人形のようにぴくりとも動かない。
 数秒後、虎は突然びくびくと体を揺らした。明らかに足に力が入らなくなり、どうと音を立てて床に崩れ落ちる。
 モノクロームの映画を見ているような、そんな錯覚が私にあった。ガラスの縁のスクリーンの中で、幼児が一人、足もとの死骸を見下ろしている。
 不意に私の隣で、ちっと舌打ちが鳴った。私が見やると、中年の男と目が合う。
「意外につまらんな」
 幼児の主は吐き捨てるように言ったあと、幼児には一瞥もくれずにドアの向こうに去った。
 私は彼の背中が重厚な扉の向こうに消えたのを確認すると、視線を幼児に戻した。
 瞬間、私の中心を欲情に似た戦慄が駆け、消えた。
 ガラスの向こう、全裸の幼児は動かない。泣かない。微笑まない。
 いくら待っても、映画のフィルムは回らない。

 「観覧室」を出ると私はため息をついた。少しの間、じっと目をつむり、自分の呼吸音を聞いた。心拍は正常なのに、どこか落ちつかない。
「気分でも悪いのか?」
 声をかけられて私は目を開ける。「観覧室」に通じる廊下は狭く、一メートル間隔でランプが設置されている。その狭い廊下を、幼児の主がこちらへ歩いてきた。歳はもう三十三になろうとしている主は、その表情も肉体も、精悍さを全く損なっていない。奇妙な紫色のガウンが、ランプに照らされて彼にとてもマッチしている。私の兄だ。
「余興に飽きたのでは?」
 私が聞くと兄は私に笑いかけ、後ろ手にしてあったものを見せた。
 三メートルくらいの綺麗な鎖だった。明りで陰影がついて、少々おどろおどろしい。
 右腕で鎖を鳴らした兄は、左手で「観覧室」のドアを開ける。
 私はその場でニ分ほど待った。
 ドアが再び開いた。私の知覚が様々な情報を拾う。
 部屋から出てきた兄の右手は、鎖の先端をしっかりと掴んでいる。逆の先端には不恰好な革の首輪が取り付けられ、それに幼児の首がすっぽりとはまっていた。鎖の擦れる音と、兄のガウンを軽く掴んでいる幼児。
 正直、予想通りの光景だった。
 私と兄の目が合う。ドアが閉まる音。
 廊下に三人。
「実の子だ。大切にしないとな」
 兄はそう言ってにんまりと笑い、鎖と我が子を満足げに見つめた。私の中で、強烈な嫌悪感が首をもたげる。
 私は言葉を出せず、幼児を見る。まだ五歳だ。全裸で鎖をつけられていることの異常性すら理解できないかもしれない。少々寒いのではないだろうか。くりくりした瞳と小さな手足に、「未完成」という単語が頭をよぎった。
 再び鎖の音がして幼児は兄に引きずられ、私から離れていく。兄は既に私など見ていない。狭い廊下を颯爽と遠ざかっていく。兄の後姿と、その後をとてとてと追っていく鎖付きの幼児を、私は見ている。
 気が遠くなる光景だった。
 不意に。兄は振り向くと、幼児の頭を思いきり殴りつける。私が驚く暇もなく、幼児は吹き飛んで廊下の壁に叩きつけられた。幼児の体が力を失い、生命感が消える。
 一撃で気絶したに違いなかった。
 じゃらじゃらという音が、幼児の体を引きずって遠ざかる。
 私は何も言わず、少しも動かず、その場に立ち尽くしていた。
 幼児の言葉が耳を何度も鼓膜を往復する。
 殴られる直前に幼児は言ったのだ。
――おかあさんは? と。
 鎖の音がゆっくりと遠ざかる。廊下から音が消えていく。
 それは廊下を覆っている淡い黄色と相俟って、私を世界中で一人にする。
 呼吸を忘れていたことに気付いた。

 この屋敷には閉塞感が充満している。
 縦横に百メートルずつ広がった敷地に、市の規定ギリギリの巨大な洋館がそびえていた。塀際には鬱蒼とした樹木が立ち並び、住宅街の中にあって市民達の好奇の目は届きづらい。煤けたレンガによって形成された屋敷にはテラスの一つもなく、ところどころに小さな窓が目立たぬように配置されている。家人の目から見ても、屋敷からは妙な威圧感が放たれている様だった。
 地下一ニ階を合わせると五階建てになる屋敷の中では、五十人を超える使用人たちがどこか落ちつかない様子で働いている。どことなく薄ら寒さを持つ主人である。その異常性をほんの少し嗅ぎ取ってしまえば、怯えるとはいかないまでも、どこか不安を抱えたままでの仕事となるのは当然かもしれない。そう、幼児をあのように扱うような主人では。
 幼児の父親である私の兄はかなりの富豪である。
 親の地位を引き継いだのは十六の時。遺産も資産も山のようにあり、並大抵の道楽では到底その山は崩れなかった。
 兄は一年ほど父の真似事をやった後、代々の側近に会社の経営を任せ、若くして隠居した。世の中では中々ないことかもしれない。彼が十七、私が十五の時だった。
 金は腐るほどあった。兄は夜な夜などこかから女を連れこんでは、享楽の限りを尽くした。もっとも、兄からそこそこの金をもらった私も、似たようなことをやらなかったわけではない。ただ、薬に手を出した兄が日に日におかしくなっていく様子を見て、私はそちらには手を出さなかった。
 私が十七の時だ。
 夜更けに兄が私を呼んだ。その頃既に私は屋敷の地下一階に自分の研究室をあてがわれていて、関心があった分野の薬品の実験をしていた(もちろん、屋敷内でなければできない類の実験だ)。
 私が通された部屋には、簡素なソファーとテーブルが置いてあり、入ってすぐ正面の壁は巨大なガラス張りだった。ガラスの向こうは真っ暗で見えない。兄は片手にブランデーを持って私を待っていた。
「座れ」
 私が腰を下ろすと、兄は側近の一人にあごを向けた。それが合図だったのだろう。暗かったガラスの向こうにライトがついて、そこにもう一つ、こちら側と同じくらいの大きさの部屋があるとわかった。四角い白い部屋だ。
 私の目は瞬時にガラス向こうの部屋に釘付けになった。人間が壁に張り付けられている。若い女と、とても小さい赤ん坊だった。
「貴方の子だと言って、うるさいのでな」
 兄は笑った。どこかで孕ませた子に違いないと私は思った。
「中々楽しい試みだと思うんだが、どうだろう」
 兄の普段通りの笑顔を見た瞬間、私は予感していた。全身で悪夢を、薄ら寒い恐怖を予感していた。
 マシンガンとチェーンソーを持った二人の部下が、ガラス向こうに登場した光景を私はまだ覚えている。
 その後を正確に語ろうか語るまいか。女の蜂の巣が壊れた後、チェーンソーの音が鳴り始めた時に私は嘔吐した。
 気が狂いそうだという感覚を、あの時初めて知った。
 兄は眠る前に血を見なければ眠れない体になっていたのだ。兄は血を求めて、毎晩のようにあの白い部屋(兄は観覧室と呼ぶ)へと足を運んだ。そのことは、使用人達の間でもごくごく一部の者しか知るまい。
 何人かの友人を招いた夜は、嬌声があの白い部屋から絶え間なく響く。友人達の帰りがけには、「的当て」や「神経衰弱」、「福笑い」というフレーズが廊下を飛び交った。
 私にはそれが耐えがたかった。私は毎晩十二時ごろになると、決して研究室から出ないように心がけた。廊下に出ることさえ躊躇われた。崩れた赤い肉と、刃が赤子に向かう光景が頭から離れなかったからだ。

 兄の異常な趣味は続いた。二十五の時に嫁を娶ってからも、兄は変わりはしなかった。
 兄の妻は美しい人だった。非常に聡明な女性だった。私は彼女が兄の異常な趣味を止めてくれるのではないかと期待したが、残念ながら望んだ様にはならなかった。
 彼女は兄との間に一子を設けたが、持病が悪化し先日ついに亡くなった。
 彼女の葬儀は屋敷内で執り行われた。ひどく形式的な葬儀となって、兄は出席しなかった。が、式が終わる間近になると、兄は実の子である幼児の前に突然現れたのだ。
「隆俊、来い」
 私の呼ぶと、唖然としている私と使用人達に目もくれず、兄は幼児の手を引いた。
 考えて見れば――。兄が我が子に興味を示さなかったはずがないのである。幼児の安全は母親によって守られていたに違いない。
 彼女が亡くなった今。
 兄の異常な趣味の手が幼児に伸びたのは、至極当然の流れだった。

 〜続く〜

2004-10-22 22:34:20公開 / 作者:メイルマン
■この作品の著作権はメイルマンさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
 読んでいただいた方、ありがとうございます。
 少し描写の量と、時系列系の理解に不安を感じています。一言でも感想を行言っていただけると、ものすごくありがたいです。
 どんな感想でも構いません。酷評されても罵倒されても、決して恨みに思ったりはしません。
 是非ともご意見をお聞かせください。
 よろしくお願いいたします。
この作品に対する感想 - 昇順
読ませていただきました。冒頭の数行から、すっかり惹きこまれてしまいました。語りが絶妙なので、サイコなストーリーながらも退廃的な映像美に酔ってしまったようです。なんと言うか、戦前の横溝作品の耽美浪漫と、三島作品のデカダンス、それを現代的なスパイスで見事に味付けがしてあるといった感じで、実に味わい深い短編に仕上がっておりましたね。最後の、穴のあいたワンピースを気にする主人公の価値観が、この作品の全てを象徴しているように感じました。我侭を言わせて頂けるならば、父親を殺害した経緯(動機)の説明が少しでも欲しかったです。かえって作品のテンポを損ねてしまうのかもしれませんが、個人的な興味としてそう思いました。作品自体の完成度は高く、とても有意義な一時を味あわせて頂きました。ありがとうございます。
2004-09-16 00:47:49【★★★★☆】卍丸
ですます調の訴えかける文体、描写がどろどろした異常事態を爽やかにし、好感が持てる一本だと思いました。異常事態に発展させる動機、あるいは<僕>の内面に潜むある種の怪物のような何かが、メタファーなどの多様で表現されるともっとおもしろいと思ったのですが、非現実感の中に何故か現実感が存在するのは無駄な技術やできるかぎり主観的視点を排除して、ありのままを描写し、読者にイメージとして訴えかけるという作者側の意図なのかと思い、とても参考になりました。
2004-09-16 01:26:00【★★★★☆】進一
色彩描写が随所にあるにもかかわらず、モノクロの古いヨーロッパ映画を観ているような気がしました。たぶん全体を通しての、透明感のためでしょうか。飛び散った血糊ですら、その宙を舞う血流の向こうに薄く背景が透けて見える、そんなような。出来事の根本的な背景説明をしないで、映像と表層心理だけで見せてゆく手法は、今までのメイルマン様の作品の中では、いちばんすんなりその世界に溶け込めたと思います。ただ、いつも自分が感覚したものが果たして作者様の感覚しているものと同じなのか明確な手がかりをいただけないので、ちょっと悔しい気もしてみたり(自分が押し付け派のクドいたちなので)。いずれにせよ、なにかこの本来狂おしい世界を鏡のような水の底に沈め鎮めていただいたような気分で、今夜は良く眠れそうです。
2004-09-16 03:06:47【★★★★☆】バニラダヌキ
皆さん、丁寧な感想をどうもありがとうございます。卍丸さん、お褒めに預かり光栄です。父親を殺した時の話も書いたのですが、微妙にうまくいかなかったのと、こちらを先に投稿しても問題はない、との判断で投稿しませんでした。とはいえ、無闇に唐突に感じさせてしまいますね。進一さん、無理に事象や心情の原因を説明しないように努めて書いてみたのですが、どのように思われるか少々不安でした。色々と作中で解説をしてしまうと、どこか読みづらい作品になってしまうのではないかと思い、このような形になりました。ご感想ありがとうございます。バニラダヌキさん、ご感想ありがとうございます。明確な手がかりを読み手に提示できないのは、私の実力不足だと考えております。「ここがこう面白い場面だ」とはっきり表現することが出来ないので、いつもこのような抽象的な雰囲気を全面に出してしまう作品になるのではないかと思います。両方をうまく書けるようになれればいいのですが、上手い方の作品を見るとその余りの遠さにただ呆然とするばかりです。皆さん本当にありがとうございます。実力向上を目指して努力いたしますので、今後もご指導よろしくお願いいたします。
2004-09-16 13:10:30【☆☆☆☆☆】メイルマン
初めまして、GOAと申します。拝見させて頂きました。一人称の「僕」に性別を惑わされて、後半のキスシーンにボーイズ・・・か! と驚き、タイトルを思い出して平常心を取り戻しつつあります。余談はさておき感想です。物語の出だしと結末に強い印象を覚えました。シナリオ構想に興味を覚え、ラストの余韻が物語を締め括るのに一番しっくり来ていると思います。全体の雰囲気が良かったのも好印象でした。私は好きですねこういうの。ですが、その分惜しいなと感じてしまうわけです。唐突に切り替わる場面切り替えに読み手が置いていかれる感じを受けました。状況描写が不足がちで物語の連続性が途切れ途切れになってしまっていると思います。特に時間軸の情報が少なく、回想シーンなのか現在進行中なのか、日を改めているのか。掴みづらいのです。物語を楽しむためには共通の先入観が必要です。自分の世界に読み手を惹き込む必要があると思うからです。必要な情報は必要な分だけ読み手に与えた方が読みやすく、より物語を楽しむことが出来るのではないでしょうか。続いて気になる点です。語尾の「〜た。」で終わる文章が多々見受けられました。これに限った事ではないのですが少し読みづらいです。語尾は出来るだけ前後と重複しないように工夫すると読み易くなりますよ。会話文中の三点リーダーの後に読点をつけるのはお勧めしません。例「綺麗な……。口紅だ……ね」本来、句点・読点記号の変わりに用いられる記号なので、私などは違和感が拭えません。地文はまた別なのですが。使い方としては、一字空け、何も飾らず続けて文をつなげて良いことになっています。長々と失礼しました。個人的には僕の描写がもっと欲しかったです。主人公ですし、物語の中核を表すので。これからも創作活動頑張って下さい。次回作、期待しております。

2004-09-16 16:41:37【☆☆☆☆☆】GOA
ちょっと差し出がましい感想になってしまいますが。『彼』を殺すというシーンを際立たせるための“溜め”が不足していたように思います。前半は、主人公の嗜好性メインで話が進められているのですが、これと同じくらい『彼』との関係乃至『彼』に対する感情に重きを置いていたらかなり違っていたのではないかと思います(ただそれをやろうとすると規約に触れる方向へ行きそうですが笑)。一方、余計だと感じてしまったのは父親殺しのエピソードです。初犯と二回目では本人の葛藤の度合いが段違いでしょうから、殺しの前科があるということで『彼』を殺すシーンのインパクトが逆に薄れてしまったように思います。 ただ、個人的に常に目指しているところでもある“雰囲気を作れる文章”は存分に堪能できましたし、またタイトルが絶品だと思いました。
2004-09-16 18:53:38【★★★★☆】明太子
読ませていただきました。まず一番初めに思った感想を一つ。狂気……とかそんな感じです(マテ  冒頭から最後まで、全く同じ流れて進む文章は正直すごいな、と。現代ではなく、昔の物語のようです(いや、誉め言葉ですよ(汗;  ただ、だからこそ少しだけ。先に皆様も仰っているように、父親を殺す動機や『彼』を殺すときの……なんて言うのでしょう、『違い?』があってもよかったかなぁ、と。取り敢えず、意味不明でごめんなさい。  しかしそれはそれで、この物語は味わい深いものでした。二回読み、二回とも違った印象を受けたことにかなり驚いていたり。 最初の最後まで訳の判らぬ感想、誠に申し訳ありませんでした。メイルマンさんの次回作を期待しております。
2004-09-16 19:52:27【★★★★☆】神夜
拝読させていただきました。メイルマンさんの作品を読ませてもらうのは始めての疾風です。正直、メイルマンさんの文章の書き方はとても手馴れているな、と思いました。主人公視点ならではの主人公の心情描写が、とても自分には面白く、ゾクゾクとした感を与えてくれましたw次回作も期待します。
2004-09-16 20:00:09【★★★★☆】疾風
感想をくださった方々、ありがとうございます。GOAさん、雰囲気やイメージを優先させていて、場面切り替えや時間軸などに注意が足りなかったですね。正直言われるまでは、さして問題ないと思って油断しておりました。ご指摘感謝いたします。「共通の先入観」のご指摘のところが、理解できませんでした。申し訳ありません(汗。機会がありましたら、是非もう一度ご教授願いたいです(無礼なお願いで申し訳ないです。「〜た」のところは、初め過去の描写を全て「〜た」で終わらせ、語っている主人公が現在感じている思いを「〜た」意外の文末で表していたのですが、しつこすぎると思い色々とバランスを変えているうちに、逆に違和感を与えてしまう文章になってしまったかもしれません(汗。会話文中の3点リーダーの使い方、勉強になりました。ありがとうございます。指摘一つ一つにレスをしたため、何やら反論や言い訳に見えてしまいそうですが、そのような意図は決してありません。丁寧なご指摘感謝いたします。明太子さん、ご感想ありがとうございます。主人公の心情の背景を詳しく語っていれば、もう少し違ったものに……。父親の場面も余計なものをいれずにしていれば……。などと色々な指摘を受け思っております。先に父親を殺す話を書いて、その後の話を無理に切りぬいたのが失敗のもとだと反省しております(結果主人公の背景云々をすっ飛ばして、状況のみが際立つ物語になってしまいました)。父親の死骸も話に良い雰囲気を与えてくれるかも……などと思ったのが浅い考えでした(汗。タイトルを褒めていただき、正直に嬉しいです。ありがとうございます。神夜さん、ご感想ありがとうございます。父親の死体すらも、主人公の日常に良く見られる小道具のようなものにすぎない、と
いった雰囲気を出したくて、物語に出したのですが、良く考えればそうだと主人公の思考が鈍っていた説明がつきませんね(汗。次回も頑張りたいと思います。疾風さん、主人公の語りから不思議な感覚を覚えてもらえれば、私としては非常に嬉しいです。ご感想ありがとうございます。皆さん、丁寧な指摘と感想、本当にありがとうございます。どれもしっかりと作品を読んでいただいた上での感想で、本当に恐縮しております。今後ともどうかご指導よろしくお願いいたします。
2004-09-16 21:39:40【☆☆☆☆☆】メイルマン
ΣΣ(ぇぁ メイルマンさんの作品は始めて読みます。まず一番印象に残ったのが。お父さんかわいs(切 いやいやいや。まあ、自分はこのお話が恋愛モノに見えてしまったのは秘密です。最初は何かホラー的なものを感じていましたが、最後の「彼」との殺し合いの部分から、徐々にそれは恋愛モノになりました。いやしかし一番印象的なのが14階から飛び降りた事ですね。ホントに人間ですか。この子(汗 いやそれよりどうしてお父さんころされたんでしょうね。あと屋敷の人たちも。やはりストレs(切 ではでは
2004-09-16 23:48:16【★★★★☆】ベル
果的に打たれている句読点と倒置法が上手だなぁと思いました。それらがこの物語に落ち着きとリズムを与えてくれていて読んでいてとても気持ちが良かったです☆
2004-09-17 00:43:21【★★★★☆】律
ごめんなさい、下の感想の冒頭は「効果的に」です。すみません。
2004-09-17 00:44:38【☆☆☆☆☆】律
ご感想ありがとうございます。ベルさん、主人公の心情の背景を語らなかったことで、疑問点を抱えたまま読むことになってしまったのは狙った点もあるとはいえ、反省するべきところかもしれません。ストレスですか。欲求不満気味な主人公に見えてしまったでしょうか。ご意見ありがとうございます。律さん、句読点の部分は気を使って書いたので、褒めていただき嬉しいです。主人公が語る話ですので、落ちついた感じを出したいな、と思っていたので。ご感想ありがとうございました。今後もどうかご指導下さい。
2004-09-17 13:06:02【☆☆☆☆☆】メイルマン
見させていただきましたぁ!!見た瞬間、背中が何故かぞくっときました。凄いですね!!メイルマンさん…文章だけで凄く広く想像する事が出来ました!!僕もいつかこんな風な文章がかけたらいいなぁ・・と思いっきり思ってしまいました!!
文章勉強中なので、かなり勉強になりました!!ありがとうございます
2004-09-18 17:07:54【★★★★☆】ニラ
ニラさん、ご感想ありがとうございます。お褒めの言葉をいただき恐縮です。今後ともどうかよろしくお願いします。
2004-09-18 19:10:46【☆☆☆☆☆】メイルマン
すごいですねえ。テンポが良いですねえ。
このあいまいな主人公の感情説明っていうか状況説明辺りもまた読者の想像力を働かせるような…
ホラーナ感じであったりメルヘンチックであったり、語り調が上手いですよね。読者に語り掛けるタイミングとか、すらすら読めて頭に入ってくかんじがしました。
皆上手くて羨ましいです。参考にします!
結局主人公は男なんでしょうか女なんでしょうか??断定できる場所が見あたらなかったんでその辺も気になりました!
2004-09-22 21:40:50【★★★★☆】おんもうじ
おんもうじさん、ご感想ありがとうございます。主人公の性別に関しては作者の方では決めてあるのですが、なるべく読者に情報をぼかして伝えるように心がけました。作品が後に流れてからもご感想をいただいて、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
2004-09-24 20:53:49【☆☆☆☆☆】メイルマン
読ませていただきました。これは、僕の勝手なイメージなんですが、ものすごくドロドロの内容なのに、まるで軽快なピアノの演奏のように、流れるように、しかし、その本質の重厚さ(密度)を残したまま、時には小川、時には大河のように流れるストーリーに魅了されました。色彩の配色も流れをいい意味で彩ってたように思えます。
2004-10-06 14:30:05【★★★★☆】樂大和
楽大和さん、ご感想ありがとうございます。お褒めの言葉をいただき恐縮です。色の部分はわかりづらいかな、と少しだけ思ったのですが、そのように言っていただき嬉しいです。今後ともよろしくお願いします。
2004-10-12 16:28:35【☆☆☆☆☆】メイルマン
こんにちは、ささら、という者です。失礼かもしれませんが、第一印象として「世にも奇妙な物語」にテンションが似ているな、と感じました。殺人と心の内面性を対比的に編み出し、主人公の性別をあいまいにする技術も読者をひきつける武器となっています。なおかつ、けして読者に不快感を与えない描写。でも、これを映像化したら結構怖いと思いました。
2004-10-16 13:28:35【★★★★☆】ささら
ささらさん、ご感想ありがとうございます。心情がどうとでもとれる描写で物語を進めているために、様々な印象を持たれるものだなぁ、と勉強になります。作品を探し出したうえでのご感想、感謝いたします。
2004-10-16 22:56:29【☆☆☆☆☆】メイルマン
おはようございます。今作は以前メイルマンさんが手掛けられた短編、【傘姫】を連載形式で進行させていくという作品なのでしょうか? もう一度通読させていただきましたが、今回あらためてその文章表現、内容のクオリティの高さを実感いたしました。ダークな宵闇の中に浮かび上がる、白いワンピース等の色彩が鮮明な印象として残ります。今回の追加更新分は短めで、今後のストーリーがどのような展開に進むのかがまだ見えてきませんでしたので、評価に関しては次回の更新をお待ちしたいと思います。
2004-10-20 09:29:18【☆☆☆☆☆】卍丸
おお、連載でしたか。いきなりのこの異様な状況から、どんな世界に入って行くのか見当も付きませんが、近頃幻想的な文章に不自由な自分なので、これからのイメージに期待します。
2004-10-20 15:35:40【☆☆☆☆☆】バニラダヌキ
お久しぶりです。昼夜です。拝読させて頂きました。とにかく情景がありありと思い描くことのできる文章、そして血の飛び散る凄惨なシーンですら綺麗に思えてしまう手法にもただただ脱帽の思いです。連載であることを大変嬉しく思います。続き楽しみにして居ります。
2004-10-20 15:43:24【☆☆☆☆☆】昼夜
こんばんわ。読ませていただきました。話の展開がすごいです、次に何が起こるのかまったく予想がつかないのに、何が起きても不思議じゃないそういう感じがしてとてもワクワクしました。ただ一つ気になったことは主人公が男か女かということです。僕と言っているのに、ワンピースを着たりしたので、ちょっと戸惑ってしまいました。私の想像力、読解力ぶそっくでしたら申し訳ないです。
あと、私のまだまだな小説を読んでいただきありがとうございます。
では、失礼します
2004-10-20 17:53:29【★★★★☆】ラック
初めまして、淘夜(とうや)と申します。初めてメイルマンさんの作品を読ませていただきました。独創的で、文のタッチも素晴らしい仕上がりだと思います。心情が主でしたが、解りやすかったです。べた褒めしすぎじゃないのか?と思われるでしょうが事実なので。続きを期待して、退場させていただきます。
2004-10-20 20:22:02【★★★★☆】如月 淘夜
皆さんご感想ありがとうございます。卍丸さん、中途半端な更新で申し訳ないです。この後の構成を現在非常に悩んでおります。至らぬところばかりですが、ご指導いただければ幸いです。バニラダヌキさん、短編集のような形にしようと思ったのですが、前回皆さんに指摘された部分をどうにか解消しようと目下奮闘中です。どうかよろしくお願いします。昼夜さん、どうにかして雰囲気を壊さずに書き続けたいと思っています。今後ともご指導よろしくお願いします。ラックさん、ご感想ありがとうございます。性別に関してはあえてぼかして書いたつもりです。ただ、描写が少ないので性別の情報くらいはないと想像しにくいのでは、と少し反省する部分も。如何なものでしょうか、ご意見いただければ幸いです。ありがとうございます。如月 淘夜さん、お褒めにあずかり光栄です。ありがとうございます。今後ともどうかご指導下さい。
2004-10-20 23:13:32【☆☆☆☆☆】メイルマン
読ませていただきました。独特な書き方ですね。Dir en greyの歌みたいなストーリーで酔います。気になった事を数点。まずは、主人公の性別。僕なので、男か女かわからないような……あ、でもタイトルが。あとは……殺す目的かなぁ?漠然と殺し続けてたんで少し説明が欲しかったような。狂おしく美しい感じがとてもよかったです。ありがとうございました。
2004-10-21 09:16:29【★★★★☆】トーナ
傘姫が更新されてる〜!と飛びついてしまいました。最初から読み返してみたんですが、川の流れに例えた「僕」と「彼」の流れるような進行から一転、幕間は、洞窟の中で雫が一滴、一滴落ちるのを息を殺してみているような静寂さを感じました。これからの展開が気になります。メイルマンさんの情景を捕らえる力、見習いたいものです。
2004-10-21 17:58:26【☆☆☆☆☆】樂大和
トーナさん、楽大和さん、ご感想ありがとうございます。トーナさん、殺す目的に関しては、連載物としてこちらの反省点です。性別に関してはあえてぼかして書いている部分もあるのですが、如何でしょうか。ご感想ありがとうございます。楽大和さん、続きの話は少々不安な部分があって、色々と思考錯誤を繰り返す日々です。今後とも是非ともご指導下さい。ありがとうございます。
2004-10-21 21:02:58【☆☆☆☆☆】メイルマン
これはいつもの幻想文学的迷宮が続いて展開されるのかと思いきや、きわめて叙述的耽美の世界に突入。三島というより、ひところの乱歩の世界に近いものを感じました。今後もどっぷり浸れそうな予感です。
2004-10-23 02:50:11【★★★★☆】バニラダヌキ
書きたいことが沢山出てきたので散らかった感想になることをお許し下さい。 まず、前回読みきりとして投稿された部分が、この長編(?)においてプロローグ的なものなのか本文なのかがまだ判然としませんが、いずれにしろ「幕間」にはまだ早過ぎますし、そもそも本文と同じ長さのものを「幕間」とは呼ばないのではないかと思います(尤もこれは単にタイトルの問題ですね)。 内容については、マシンガンやチェーンソーといった“お手軽スプラッター”を用いるような題材自体、安易にインパクトを与えにいっているようであまり好まないのですが、描写は意識的に抑えておられるようですし、またその必然性も今後の展開によるのでしばらく様子見とさせていただきます。 文章的に気になったのは「私が十七の時だ。」の段落が、その上の段落と下の段落のどちらに係るものなのかが瞬時に判断がつかなかった、という点くらいで、流れとしては特に違和感ありませんでした。 最後に、ちょくちょく話題に上っている「僕」の性別についてですが、個人的な考えとしては、何らかの目的(ミステリーのトリック等?)で“本来とは逆の性別”だと読者に思い込ませる、というなら意味があると思いますが、性別を単に“ぼかす”というのは、読者が読みながら頭に映像を浮かべる際の阻害要因にしかならないのではないかと。短編ならば、ぼかしたままでも雰囲気で引っ張れた面があったと思いますが。 ……物語が始まる前からちと書き過ぎましたか。
2004-10-23 03:47:21【☆☆☆☆☆】明太子
バニラダヌキさん、明太子さん、ご感想ありがとうございます。バニラダヌキさん、今後の展開で雰囲気が壊れていかない様に気をつけて書いているのですが、もし何か違和感があるようでしたら遠慮なく仰っていただけると嬉しいです。ご感想ありがとうございます。明太子さん、ご指摘感謝いたします。確かに幕間というにはおかしいですね(汗。構成自体が妙な具合になっているようで、改善したいと思います。お手軽スプラッター……うーん、確かに。マシンガンもチェーンソーも人によっては陳腐に見えてしまう要素でしょうか。今後の展開でそれらが登場する話はあるのですが、無理に登場させずともいいかも……などと思いました。色々と検討していきたいと思います。性別の件、こちらも少々悩みどころですが性別が明記されていなくとも、読み手の頭の中に人物を強く印象付けることは可能だと思うので、それができるように頑張ってみたいという気持ちもあります。丁寧な指摘をいただいて恐縮です。書きすぎなどということはないので、是非是非今後ともよろしくお願い致します。
2004-10-23 11:43:58【☆☆☆☆☆】メイルマン
今回の内容は読み応えがありました。なんとも退廃的で猟奇的な描写の数々に、思わず閉塞感を覚えるほどでした。この多大なサディスティック的嗜好を持つ男と、第一回目(短編時)で主人公的役割をみせた白いワンピースの少年とが、今後の物語の中でどのように交わっていくのか。興味深くお待ち申し上げます。文章自体に対する違和感は、ワタシ個人としてはまったくありませんでした。自分なりにこの作品の今後の構成を考えてみたりすると、とても楽しかったりします。あまり参考にならない感想で申し訳御座いません。
2004-10-23 13:46:42【★★★★☆】卍丸
卍丸さん、ご感想ありがとうございます。参考にならない感想などと仰らず、どんどん感じたことを言っていただければ大感謝です。文章的な違和感がなかったと言われてほっとしていますが、これからも皆さんの意見を参考にして書いていきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
2004-10-23 22:43:04【☆☆☆☆☆】メイルマン
一種のある独特の世界観とでも言うのでしょうか? そういったものを形容詞とか人物の行動だけでなく、文章それ自体でも表現できているように感じられて、すごい表現力だなと思いました。しかし、冒頭と今進行しているストーリーがどのように繋がっていくのか、まだ分からないので、評価はまた今度にさせてもらいます。
2004-10-26 16:10:22【☆☆☆☆☆】毛玉
毛玉さん、ご感想ありがとうございます。物語の雰囲気を壊さない様にしたいと思っているのですが、構成に中々手間取っております。今後も是非ともご指導頂きたいです。ありがとうございます。
2004-10-27 02:46:47【☆☆☆☆☆】メイルマン
計:68点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。