『さよならアナーキー4』作者:ゆこれ / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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「好き」って事分かって
チカと目を合わすのが下手になった。


「昨日、さ。何で先帰ったの?一緒に帰る気マンマンだったんだけど。」

チカがポツリと呟いた。
「お腹空いたから。」なるべく短く言葉を切る。
今の状態だと必ずボロが出るから。
「お腹空いたからっつわれても。空腹ぐらい我慢できんべ?ガキじゃあるまいし」
「うるっさい」机をバンと叩くとチカが一瞬ビク!っとしてて笑いそうになった。
「まぁ腹減りは仕方ないよなぁ〜。めんごめんご!」

チカは人と仲直りするのがとても上手い。
相手をなだめる方法をよく知ってるというか・・。

ちょっとチカを困らせたくなった。
「あのさ。もし私がチカの事好き!っつったらどーする?」
何言ってんの!!って思ったけど・・。
チカが一瞬止まる。ちょっと困った表情。
「え、オレの事好きなの?」
「違う!もしもだよも・し・も!!」
「え〜チカ君こまっちゃぁ〜う!あ、そういえば昨日のNステ見た?
 やっぱ加○ちゃんサイコウだよな!凛子はまってる歌手とかいんの?」
あ、流した・・・。別に良いけど。

「あえて言うならシブ○キ隊かな」
「趣味古!!」

そんな微妙な空気の中
「柳(チカの苗字)せんぱぁ〜い」
ねっとりとして背中がゾクッとするような嫌いな声が耳に入る。
まぁあえて言うならライバルの声?
そう、今「柳せんぱぁ〜い」なんて言ったのは
高校1年前田由紀だ。ちょっと可愛いって評判だけど・・。性格はどうだか。
「えっと、前貸してもらった本、どうもありがとうございますぅ。」
「ああ。わざわざありがとね。やっぱ面白いでしょ?」
「はい!またそのシリーズ見つけたら教えて下さいね!」
「おぅ。」

私と一瞬目が合うと・・微妙な含み笑いして去った。
「いやはや。由紀ちゃんやっぱ可愛いなあ〜。」
「・・。やっぱあのこ可愛いと思うんだ。1へぇにもなんねーよ!畜生!」
「まぁまぁ。あ、この本読む?まじおもしろいよ?」
「遠慮します」

多分前田由紀はチカが好き。多分じゃない。絶対好き。
あ〜!もう!どうしよ!!

「何カリカリしてんのさ!あ!いつもの事か!?ごめんごめん!あっはっは!」
「何が「あっはっは!」だよ。笑えないっつの。」
「でもさ!あんな子に告白されたらすっごく嬉しいぜ?そう思わない?」
「チカああいうタイプ嫌いかと思ってた。」
「んな事ないない!可愛ければ何でもOKよ!?


「・・・じゃぁ、チカから告白しちゃえば?」

声が震える。

「ウン!そうしよっかなぁ!一緒に歩いて自慢になるよなぁ〜!!」

アァ。なんだよ。結局は顔かよ?
っていうかチカそんな奴だったんだ。へぇ。すごいね。
この場からにげだしたい。
「なーんてな!嘘に決まって・・・ってあれ!?凛子!?」

私は走ってた。
もうすぐ授業だけど、さぼっちゃえ。

多分私が今いなくてもチカは前みたいにはきてくれない。
「一緒に帰ろう」なんて言ってくれない。
チカ前田由紀が好きなんだもん。

あーあ。あーあ。
これから何処いこっかなぁ。
2003-10-04 21:00:28公開 / 作者:ゆこれ
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■作者からのメッセージ
もう何が何だか。
チカの「なーんてな!嘘に決まって・・」
ってセリフ凛子は聞いてません。
聞く前に走り出しました。
ある意味これ被害妄想です!どうしよう!
話とびとびでごめんなさい。
ちょっとだけ「へぇ」が多いのは気にせんといでください。
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