『死神さん、さようなら』作者: / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約18.57枚
 ウザいから死ねよ。人を人とも思わないようなやつらはこのクラスからいなくなれ。
 画鋲。シカト、ボコリ、ノートに落書き、机に花。今日も見当たらない私の名前。
 教室の中で私は自分自身がいるのかいないのかわからなくなる。
 肉体から魂が飛び出て「幽体離脱」とか言って遠くから眺めているみたい。
 私はここよ。ちゃんとここにいるよ。ねぇ、名前を呼んで。
「栄子、ちょっと」なんてやっと名前を呼ばれたときは教室や廊下でボコられるときで、
 皮肉にもこのときだけ私はここにいることを感じる。
 なんで蹴られているとか、なんで暴言を吐かれているのかとか考えない。
 もうたくさん考えたけれど答えなんて見つからないから。
 考えることはひとつ「お腹を蹴られて、いつか赤ちゃん産めなくなったら嫌だな」
 骨のように白いブラウスは無数の上履きのあとで灰色くなった。

「死ねよ」私がそう呟いて学校の屋上のベンチでメロンパンをかじっていると
 背中から「3日後に死ぬよ」と声が聞こえた。
 振り返るとクラスメイトの小枝子だった。
「なにか用?」私は感情を込めないで言う。
 嘘。
 本当は感情の込め方がいまいちよくわかんないだけ。
「先生が呼んでた。進路のことで話があるってさ」と小枝子は笑いながら答える。
 小枝子は美人だ。髪は綺麗な黒髪で指を通したらすーっと通りそうで、
 セーラー服だってよく似合っていて、小枝子の制服姿を見るとなぜか夏の 朝の洗濯物を思い出す。
 思えばこうして普通に喋りかけてくれるのは小枝子だけだ。
「いつも一人でごはん食べてるの?」
 そういいながら小枝子は私の隣にちょこんと座って、スカートを整えた。
「当たり前じゃん。友達なんていないよ」
「ごめん」小枝子は申し訳なさそうにうつむく
「別にいいよ。それより何?さっきのあれ」
 私は食べかけのメロンパンをスクールバッグの中に閉まった。
「さっきのあれ?」
「誰か死ぬの?」
「ああ、朝倉さん。3日後に交通事故で亡くなる」

 朝倉というのはクラスの中心人物で彼女には絶対服従。
 たとえば彼女が黒板を「白いね」と言えば
「ほんと。雪のように真っ白」なんて笑いながら言わなければいけない。
 彼女に嫌われたらその日から“ハブ”だから。
 でも私は黒いものは黒いと言うし、白いものは白いと言う。
 そしてハブられた。
 私は朝倉がまえにハブにしていた女と仲良しだったのだ。
 私にとってはその子がハブだろうがマムシだろうが大切な友人だった。
 黒いものは黒。白いものは白。
 そして私は朝倉に嫌われてしまったのである。
 いつか黒板に押さえつけられて殴られてるときに朝倉にこんなことを言われたことがある。
「生き方が下手だね。あんたみたいなやつは学校では上手くやっていけないよ」
 その日から私は空気になった。無視。無視。無視。
 挙句の果てに私は大切な友人にさえ相手にされなくなった。
 それが一番寂しくて、悲しかった。
 朝倉がある日、一人でいる私を見て「ほんと、馬鹿だね」と笑った。

 その朝倉が3日後に死ぬと小枝子は言う。
「どうしてそんなことわかるのよ?」
「わかるのよ」と小枝子は言った「人が死ぬときがわかるの」
「だからどうして?」
「そんなのわからないよ」
 私が返事をする前に小枝子は会話を進める。
「理由なんて上手く説明できない、ただわかっちゃうの。その人の顔を見るとその人が死ぬ日付と場面が急につけた懐中電灯みたいにピカッって頭に浮かぶのよ」
 小枝子って意外と馬鹿なんだな、と思いながら
 私はスカートのポケットからマルボロライトを取り出して火をつけた。
 細く灰色の煙が死者の魂のようにゆらゆらと揺れながら空に消えていく。
 雲がゆっくりと私の頭上を流れていく。なんて自由なんだろう。大海を泳ぐ鯨みたいだ。
 嫉妬する。
「で、どうやって死ぬわけ?朝倉は」私は空から目を逸らした。
「無免許運転のバイク事故。電信柱にドッカーン!……あ。信じてないでしょ?」
 信じないよ、そんなの。

 教室に戻ると朝倉は窓際の一番後ろの席に大股を広げて座り
 彼女の周りをへこへこと彼女の取り巻きが囲んでいた。
 いつもの光景だ。
 朝倉が笑えばそれに合わすようにして周りは「あはは」と笑う。
 それは本当に言葉としての「あはは」で、とても質素に作られた作り笑い。
 朝倉はそれに気づかないから幸せ者だと思う。要は馬鹿なだけなんだけどね。
 そんなことを思いながら彼女を見ているといつの間にか目が合っていた。
 これは私のミスだ。
 いじめる奴と目を合わせてしまうなんてテストで名前を書き忘れるくらい愚かなミス。
 私は教室の出入り口のところで固まってしまった。
「やばい、何かされるな」と思った。
 逃げようか?
 そう思ったときにはすでに「栄子、こっち来い」とお呼びがかかっていて、
 こうなってしまえば逃げても無駄。
 うんこにたかる蝿みたいな彼女の仲間が私を追ってくるだろう。
 私は列と列の間を通りながら重い足を引きずるように朝倉のもとへ向かう。
 教室はしんと静まり返っていて視線は黙って私へと向けられていた。
「なに見てんだよ!」と朝倉が怒鳴ると
 クラスメイトはガタガタと椅子を鳴らしながら慌てて目線を逸らす。
 目線を逸らしても聞き耳を立てているのがわかる。
 もちろん止める人なんていない。
 学校でそんなことする奴って朝倉以上に馬鹿だ。

 小枝子の横を通り過ぎるとき彼女と目が合った。
 彼女は微笑みながら胸の前で指を三本立てて揺らした。
「あと三日後にあいつは死ぬよ」みたいなことを言いたかったんだと思う。
 本当だろうな、この野郎。

 そして私が朝倉の前に立つと、まず彼女はシャーペンで私の右手の甲をぷすりとさした。
 これは思ったより痛くなかった。注射みたいなもんだもん。よかった。
 ただ、次の平手打ちは利いた。
 ってゆうか平手打ちは顔が腫れ上がるし赤くなるから嫌なんだよ。
 そして私は蝿どもに囲まれて殴られる。蹴られる。「やめてよ」なんて一応叫ぶ。
 こいつらは苦しんだり、嫌がったりするところを見せれば満足するんだ。
 だから私の「やめてよ」はいつからか義務的で軽い叫び声になっていた気がする。
 本当の「やめてよ」はいつだって届かない。
 私にとって唯一の救いは「朝倉さん、3日後に交通事故で亡くなるよ」という
 不確かな小枝子の言葉だけだった。

 そしてその言葉は3日後、現実のものになった。
 朝倉が「無免許運転のバイク事故。電信柱にドッカーン!」して死んだ。即死だったらしい。

 土曜日、私たちのクラスは朝倉の葬式に参加した。
 笑う白黒写真の朝倉に向けてクラスの代表で学級委員の小枝子が「お別れの言葉」と読み上げた。
「いつも笑っていた朝倉さん。あまりの突然の死に驚いています」
 そして小枝子は淡々とその「お別れの言葉」とやらを読み上げる。
 やけに美化されて語られる朝倉は悲劇のヒロインみたいだった。
 家族・親戚は泣いていたけれど、うちのクラスで泣く奴は一人もいなかった。
 あくびしている奴がいたくらいだし。
 私は、と言うと朝倉が死んだことは少し嬉しかった。
 嬉しかったけれど、なんか、自分の知っている人間が死んだことが
 それはそれでショックだった。

 次の日の昼休み、ぱりっと晴れた屋上でいつものようにメロンパンをかじっていると
「ね、死んじゃったでしょ?」と小枝子がやってきた。「私のこと信じた?」
「少しね」
「メロンパン好きなの?」
 私は質問に答えずに「あんたさ、一体何者?」と聞いた。
「何者でもないよ」
「何者でもないって、死に方も日にちもドンピシャだったじゃん」
「栄子」と小枝子が言った。
「人の死がわかるのってそんなにおかしい?」
「たぶん、おかしいと思う。特殊だよ、すごく」
「ねぇ、これはね、手が器用な子とか数学が得意な子とか、そうゆうのと同じことなんだよ?」
「どうゆうこと?」
「私は不器用だし、数学だって苦手。それを得意って言ってる人のほうが私にとっては特殊だよ」
 だからね、小枝子は頬の横で指を1本立てた。
 初夏の生温い風が彼女の長い髪とセーラー服をふんわり揺らした。
「この世界はみんな特殊でみんな特殊じゃないの」
「そうゆうもんかな?」
「そうゆうもんだよ。誰だって特技や得意なことってあるでしょ?栄子は何が得意?特技とかある?」
 うーん、と喉を鳴らして考えてみる。
「利きメロンパンかなぁ。かじってどのメーカーのメロンパンだかわかる」
 小枝子が口をぽかんと開けたまま私を見つめるから、なんだか恥ずかしくなった。
 耳たぶと頬が熱い。顔が赤くなっていくのがわかる。
「今のはね、ジョーク」と私は嘘をついた。
「もう遅いよ」そう言うと小枝子がお腹を抱えてゲラゲラ笑った。
 わたしもなんだか可笑しくてゲラゲラ笑った。
 初夏の風が私たちの髪の上でさらさらと遊ぶ午後だった。

 教室に戻ると、朝から朝倉の机の上に置かれている黄色と白色の菊が目に入る。
 その周りにはもう朝倉の蝿はいない。
 彼女たちは蝶々のようにひらひらと舞いながら私の元へやってきた。
「いままでごめんなさい」と一人が頭を下げると、
 もう一人が「朝倉に言われてたしね、しょうがなかったのよ。許して?」と言う。
「私たちだって朝倉のこと、嫌いだったんだんだよ、マジで」
 なんなんだよ、こいつら。人格を疑った。
 死んだ奴のせいにすれば楽だよな、でもあんたらが私をいじめていたことは事実なんだよ。
 私は何百年経ってもこいつらを許せないと思う。
 私は精一杯の憎しみを込めて「気にしてないから」とだけ呟いて彼女たちの横を通り過ぎた。

 一週間ほど経ったある日。
 教室では私がいじめられなくなった意外で奇妙な変化が起こりはじめていた。
 クラスの中で小枝子がいじめられるようになったのだ。

「栄子はすごいなぁ」と昼休みの屋上で膝にお弁当を広げながら小枝子は言った。
「なにが?」
「よくいじめに耐えていたよね」
「そんなことないよ」
「私なんて駄目」と小枝子はコロッケを摘んで口に入れた。
「ちょっと悪口言われてからかわれただけで泣きそうになる」
「泣きそうになったっていいじゃん、別に」

 小枝子がからかわれるようになったのは、
 隣のクラスの彼女の幼馴染が言った「あの子って死神なのよ?」という何気ない一言だった。
「小枝子の家は代々、死神の血を引く家系でさ、とっても家が大きいの」
 彼女は小枝子の家の大きさを説明したかったみたいだけれど、
 その話でクローズアップされた部分は「小枝子は死神」という言葉だった。
 うわさは一気に広まり「朝倉が死んだのは死神がいたからだ」なんて言う奴らもいた。
「死神が朝倉の魂を吸ったんだ」

「ねぇ」と言って小枝子は半分残ったお弁当の蓋をぱたりと閉めた。
 小枝子は恐ろしく小食だ。だから腕も細いし背も小さいんだよ、と嗜めようとしたら
「死神が魂を吸うなんて嘘」と小枝子はポケットティッシュで口元をぬぐった。
「死神はね、人の死を教えてあげる神様だったのよ」
「ふうん」と言って私はメロンパンをかじる。
「それなのに人を殺人者みたいに言って!」
「栄子さ」と小枝子が私を見る「信じてないでしょ?」
 私は大きく首を振った「信じるよ。小枝子のことは信じる」
 小枝子が嬉しそうににこりと笑った。

 次の日、その次の日と小枝子へのいじめはエスカレートしていった。
 そして彼女をいじめていたのは私に謝ってきた朝倉の蝿たちだった。
「おまえが朝倉を殺したんだろうがよ!」と彼女らは言う。馬鹿か。と思う。
 こいつらは私に頭をさげたあの日、確かに「私たちも朝倉が嫌いだった」と言った。
 それが今、「朝倉のことを殺したのはお前だ」と小枝子を蹴る。誰のために?朝倉のために?
 違うよ。こいつらは自分のストレスを発散させるために小枝子を蹴っているんだ。
 理由なんてなんだっていい。
 そこにたまたま死神の話題があって、小枝子を的にしやすかっただけ。
 それはまるでこの世界は誰か悪者を仕立て上げなければバランスが取れないのかと思うくらい
 理不尽で矛盾した行為だった。

 私は今度は傍観者という立場で小枝子が蹴られるのを見ていた。
 上履きに画鋲を入れられたり、机やノートに落書きをされたり、
 あの日々を思うと小枝子のところに走っていって「やめなよ」と言ってあげることができない。
 教室の中に響く小枝子の泣き声が誰の心にも届かない。辛い。
 そして私は後ろめたさとその辛さから逃げるように小枝子を遠ざけ、
 終いには彼女と一緒にお昼を食べることもなくなった。
 教室の中で小枝子は空気になり、名前を失った。
「小枝子、ちょっと」なんて唯一名前を呼ばれるときは彼女が教室や廊下でボコられるときで、
 私は何度もその現場を目撃しては見て見ぬふりをした。
 なんて最低な人間なんだろう、私は。小枝子の気持ちを一番理解してあげられるのは私なのに。

 小枝子がいじめられるようになって3週間目、彼女が私の机へやってきて
「次、死ぬ人がわかったの」と言った。
私と小枝子に視線が集まっているのがわかる。
「だ、誰よ」と私はうつむき、小声で言った。
「私」自分を指差してにこりと笑う小枝子はせつなくて痛々しかった。
「なんでよ。なんで、あんたが死ぬの?」
「死ぬから死ぬのよ」
「答えになってないよ、そんなの!」と私が机を叩き、立ち上がると、
 小枝子はすたすたとどこかへ行ってしまった。
 すごく小さな背中だった。華奢で、思いきり抱きしめたら壊れてしまいそう。

 それが、私が見た最後の小枝子だった。

 その日の夜、彼女は校庭に忍び込み、非常階段を登って屋上へ行ってそこから飛び降りて死んだ。
 小枝子を殺したのはいじめをした蝿ども。傍観者。私。私。私。私。私。
 連絡網で回ってきたその知らせを聞いて私は汚い涙を流した。
 本当に汚い涙だ。
「泣くくらいなら助けてやれよ。何、今さら泣いてんだよ!」
 そう言いながらざらざらの壁に拳と頭を打ちつけた、何度も、何度も。
 私なんて壊れてしまえばいい。

 朝の朝礼で校長が小枝子の死について報告をする。
「同じクラスで1ヶ月のうちに2人の生徒が亡くなるなんて、これは異例のことです」
 校長はそう言って、私たちに長々と説教をした。
 よく覚えていないけれどほとんど小枝子の名前はほとんど出てこなかった。
「死神が死ぬなよ」と蝿の一人が小声でそう言って笑った。
 もう一人の蝿はそれを無視して「放課後、カラオケね」などと予定を立てている。

 私の中で何かが崩れて、全てがどうでもよくなった。
 なんなんだよ、この世界は。

「先生」と私は後ろに立っていた先生を手を挙げて呼び、
「保健室に行っていいですか?」と聞く。
「体調悪いの?」
「朝ごはん食べてなくて、ちょっと貧血っぽいんです」
「辛い?」と先生は私の顔を覗き込む「はい、ちょっと吐き気がします」
「じゃぁ、行ってきなさい。今度からちゃんと朝ごはんは食べてくるように」
「はい、すいません」そう言って私は校庭の脇を通って保健室に向かった。 フリをした。
 私は昇降口で慌てて靴を脱ぎ、靴下のまま階段を登る。
 廊下はひんやりしていて、走るとペタペタと鳴った。

 屋上へ着く頃には校長終わっていて、校歌斉唱をするところだった。
 私は屋上のフェンスを乗り越えてわずかな幅の上に立つ。
 誰かが私に気づいて指差しているのがわかる。
「君、何をやっているんだ。下りなさい」と校長がマイクを使って叫ぶ。
 私はそこから叫んだ。
「小枝子がいじめで死んだ!」
 おまえら、今、どんな気持ち?想像すると笑いがこみあげる。
「あんたらさ、群れて、小枝子や私を殴って蹴って、強い気になてるだけじゃん。それが気持ちいいだけじゃん。なんなの?あんたたち。誰かと一緒にいなきゃ何も出来ないの?いじめっていうのは苦しいし、悲しいよ。痛みとかよりも、ただただ悲しい。悲しいことが辛い。小枝子も悲しくて辛くて、それに耐えられなくて自殺した。小枝子は死神です。人が死ぬときがわかる。そのせいでいじめられた。「死神のおまえが朝倉を殺した」ってね」
 
 ウザいから死ねよ。人を人とも思わないようなやつらはこのクラスからいなくなれ。
 
 後ろで扉が開く音がして、数名の教師が私の名前を叫ぶ。
 こうゆうの刑事ドラマでよく見る。「はやまるな!」「まだ若いんだから」

 空が青い。もうそろそろ夏休みだな、と思う。
 夏休みって好きだった。
 家族で旅行に行ったり、中学のときは友達と市営のプールにいったな。
 この空のどこかに小枝子がいるんだろうか。
 天国ってあるのかな。行きてえー。

 一歩踏み出せば私はたぶん死ぬ。
 では最後に一言。
「私から見ればおまえらのほうがずっと死神だわ」
 さよなら。

 この世界も、この学校も、このクラスも、蝿どもや傍観者も、私も、
 全て
 全て
 全て
 全て
 ウザいから死ぬよ。

 

                             END



2004-07-21 16:22:23公開 / 作者:律
■この作品の著作権は律さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
書き終わってみれば、
救いの無いとても暗い作品になってしまいました。
感想の書きにくい作品ですが、意見を頂けると嬉しいです♪
この作品に対する感想 - 昇順
悲しい……というか辛いお話でした。自分がいじめられているのと、友達がいじめられているのはどちらも同じくらい辛いんだと思います。けど、友達がいじめを受けているところを見ても「やめろよ」って一言は中々でないと思います。まして前にいじめを受けてたのなら尚更。と自分の中で色々と考えながら読んでました。これは本当に起こりそうな話ですね。改めていじめについて考えさせられました。『感想』になってないような気がしますね(笑 感じたことそのまま書いただけなんで相当変な文章になってるでしょう。ひどく変な文章で失礼しました。小枝子と栄子が天国で会えますよう願っております。
2004-07-21 17:11:02【★★★★☆】九邪
読ませてもらいました。ホント、辛いお話だったと思います。思わず、涙が出てきそうなシーンもいくつかありました。栄子の心理が悲しかったです。確かに、いじめの現場で悪いのはいじめてる本人たちと傍観者だと思います。私がこの立場になったら、多分傍観者になってしまうと思います。そして、胸を痛めること間違いないです。でもどうすることもできないんです。これからは、そのどうすることもできないことをできるようにする、というのを考えていきたいです。律さんがどんな心情でこれを書いたかは分かりませんが、少なくとも悲しさはあったと思います。でもちゃんと真実を書いてくれたことに感謝です。一つ言わせてもらうならば、最後、栄子は死ぬ他に行動をとれなかったのかな、というところです。・・・あ、でもそれはただ私の勝手な考えなので、気にしないでください。それでは。
2004-07-21 17:34:09【★★★★☆】千夏
久々の律さんの作品と言う事で、楽しみに読ませていただきました。正直、このような内容の物語は、読んでいて辛いですね。とても悲しい結末でした。「利きメロンパン」と言う表現は可笑しかったですが(笑 相変わらず流れるような読みやすい文章を駆使し、現代的な病理、不条理さを、鋭い観察力と表現力を持って提示してまいりますね。律さんのかつての傑作短編【孤独ライオン】を思い起こしました。とても悲しく、重い読後感です。若干、ストーリーの先が読めてしまったきらいがありましたが、全体を通して素晴らしい短編に仕上がっていると思います。限りなく2点に近い、1点です(汗 今後も律さんの作品を、楽しみにお待ちしておりますので。
2004-07-21 18:07:08【★★★★☆】卍丸
感想、どうもありがとうございます♪
九邪さん:「やめろよ」って中々出ませんよね。悲しいですがもうその言葉が死語になっている気さえしています。この作品ではそうゆうことに答えを出したかったのですが、結局はこのような悲しい結末になってしまいました。でも「いじめについて考えさせられた」の一言に救われた気がします♪
千夏さん:「どうすることもできないことをできるようにする」これっ素敵な言葉ですね!中々答えまで辿りつくには時間がかかりそうですが、答えを出さなくてはいけない問題のように思います。
卍丸:『孤独ライオン』が出てきてビックリ☆誰かの中に自分の作品が残っていたと思うと嬉しくてたまりません。今後はいい意味で読者を裏切る作品を作っていけたらいいなぁ、と思います☆
2004-07-21 19:00:38【☆☆☆☆☆】律
やはり律さんだなぁって、読み終わったあとしばし考えていました。文章構造もさることながら、物語自体がそれと噛み合わさって素晴らしいです。心情表現が巧く、ヒシヒシと伝わって来て泣きそうになりました。イジメ……昔それの実体験に近いことを味わっている自分にとって、この作品は大きかったです。いろいろな意味で、です。 律さんの次回作、楽しみに待っております。
2004-07-21 19:45:28【★★★★☆】神夜
いじめの、救いのない、止める方法のないもどかしさ、やるせなさがよく出ていると思います。この痛みは、私の長編に欠けていた痛みだなあ、とひとりごちてみる(笑)。しかし、律さんはどんなテーマであれ常に直球勝負という姿勢が気持ち良いです。褒め言葉として、最悪の読後感です(笑)。
2004-07-21 20:07:54【★★★★☆】明太子
読ませて頂きました…何か、本当に光がなくて、何だか息苦しい雰囲気で、重たかったです。そういう事実がある世の中に生きている分、そういうのが分かっちゃう分、重たくて、きつくて、辛かったです。こういう事って、傍観者のように読んでいる人たちにだって、いつか及ぶかもしれない恐怖の姿だと思います。動くに動けない、その緊迫感が、とても嫌でした。でも、そうやって叫びたい気持ちも、死にたい気持ちも、分かる…というか、そういう風なんだなって想像する事ぐらいしかできないんですけど、そういうのって想像できるので、余計苦しいかったです。でも、きっと彼女が死んだところで何も変わらなかったような気がして、さらに重い。私は、こういう話はあまり好きじゃなくて、あまりいい感想書けないんですけど、とにかく、私はこの作品に点数を入れることはできません。でも、読んでいて、そういう気持ちがひしひしと伝わってきて、力のある作品であるとは思いました。
2004-07-21 20:31:23【☆☆☆☆☆】冴渡
神夜さん、明太子さん、冴渡さん、感想どうもありがとうございます。短いですが感想の返事を^^
神夜さん:実は私もここまで酷くはないですが、このような経験をしたことはあります。だから心情表現がリアルに書けたのかもしれませんね☆今回、こんな暗い話なので次回は明るい話が書きたいな、などと思っております♪
明太子さん:「読後感が最悪」って本当に褒め言葉です♪痛みが伝わってようでよかった。これからも読んでくれる方に伝わるような小説を書きたいですv
冴渡さん:冴渡さんの言うように、この物語は誰にでも起こりうる話のように思います。ただ私たちはその起こった事態に対処できる力はあるようです。ほんの少しの勇気が欲しいですね。ちょっとでいいから。
2004-07-21 21:44:23【☆☆☆☆☆】律
自分的に・・怖い話でした(ガクガクブルブル)
いじめについてが書かれていて、自分的に泣きたくなりました・・
次回の作品が出たら、すぐに読みます。
2004-07-21 23:33:51【☆☆☆☆☆】ニラ
拝読させてもらいました。なんだか現実味のある話で色々と考えさせられます。
というより、俺も同感です。たまに似たようなこと思ったことがあります。集団化して一人の人物をいじめて何が楽しいんだよ、リーダーにくっついて皆が皆、同じことしてんじゃねえよ、てめえらはロボットか、そんなことを思ったことがあります。
まさにリーダーに群がる蝿ですね。金魚のフンとは彼らのことをいうのでしょう。
それから、いじめを注意すること、最近ではこれをするのは余程勇気がある人か、後先を考えない人しかしませんよね。僕自身も散々言っておいて結局は注意できない傍観者。「世の中、下手な出来事に関わらず、安全に、確実に生きた方が良い」そんな感じで自分を納得させている自分が情けなく思いました。
2004-07-22 01:13:25【★★★★☆】水柳
お久しぶりです。『庭の桜の木の下で』以来です(笑) とにかく、行数が多くなりそうなので、感想いきます。
まず、全体の雰囲気作りが非常に上手いと感じました。今回のそれには、正直感服いたしました。セカイは真っ暗。光なんて、どこにもない。そんな中に、笑い声や初夏の風といった、比較的 明るさを象徴する描写がなんとも言えず、ものの見事に浮き立っているのを感じます。藤崎の中での律さまの前作に比べ(比べるべきではないのかもしれませんが)、非常に魅せ方が上手くなったと感じております。藤崎が、こんな言い方をするのは失礼だとは思いますが、確かに腕をあげなさったと思います。
いじめ。それは、若い人間の弱さが現実味を帯びて現れた、一つの自己主張なのかもしれません。自分がここにいるのだということを、偽りの強さによって主張する。
寂しい、哀しい、苦しい。誰もが抱くその感情に耐え切れず、自分よりも辛い立場の人間を作ることによって、自分は救われる。人の弱さをミルことでしか、自分の中に在るはずの『強さ』を見出せない。もちろんそんなもの、虚勢以外の何物でもないのですが、きっと気付けないんです。……もしかすると、気付かないフリヲしているのかもしれません。なんとも、情けない話です。自分の弱ささえ見ようとしない。ですがそんな人間が数多く存在する世の中。藤崎も、例に洩れることはありません。
ごめんなさい。何が言いたいのかよく分からなくなってきました。なので、ここらで失礼いたします。次回作も、きっと読ませていただきます故、頑張ってください。
2004-07-22 19:46:36【☆☆☆☆☆】藤崎
とても考えさせられる話でした。
本当に思うのはそれだけです
2004-07-22 21:27:54【★★★★☆】澤井アキナ
初めまして。癒雫と申します。
小説、読ませていただきました。
読んでいたらだんだん悲しくなってしまいました。
結末が特に……。
イジメってホントに嫌なもんなんですね。。
「やめろよ」の一言がなかなか言えないものなんですなぁ。
短くてすみません。次の投稿、楽しみにしております。
それでは。
2004-07-22 22:49:21【★★★★☆】癒雫
独白のような地の文がとても雰囲気が出ていて、それが全体の痛々しさ度を増してるんだろうな、と思いました。いじめがテーマでこういう二人の終わり方も有り、なのかな(有りですね汗)。次の作品も頑張ってください。
2004-07-22 23:12:41【☆☆☆☆☆】笑子
ニラさん:怖い話ですよね。とても身近なものですもんね。その身近さが怖いのかもしれません。次回はもっとほのぼのといけたらいいなぁ♪
水柳さん:「世の中下手な出来事に関わらず安全に、確実に生きた方が良い」の言葉は暗黙のルールになっているような気がします。例えばいじめに「やめろ」と一言言うこともそうですが、正しい事が間違った事になっていることはとても辛いことだと思います。思うだけで行動に移せないことがまた辛い。
藤崎さん:魅せ方が上手になった、と聞いてとても嬉しいです^^♪「いじめは自己主張」ということ、本当にそのように思います。自分より弱いものを作って優位に立つということは生きていてとても楽なような気がする。でもそれは藤崎さんの言うように虚勢ですよね。自分の物差しでしか距離を測れないのは悲しいことですし、とても愚かなことなのかもしれません。
澤井アキナさん:この物語が澤井さんの中で考えるきっかけになったことを嬉しく思います。なかなか難しい問題ではありますが、お互いが自分なりの答えを見つけられますよう☆
癒雫さん:はじめまして♪読んでいたら悲しくなりましたか?汚い言葉が色々と出てくるし、内容もヘビーですもんね。結末では栄子の死を連想させますが、私はこの小説であまりにも簡単に人を殺しすぎた気がして、そこは反省点です。今後はもっともっと命の重みが伝わるような作品を作っていきたく思っております。
2004-07-22 23:26:22【☆☆☆☆☆】律
笑子さん。感想どうもありがとうございます♪地の文は心がけて書いた部分です。わざと口の悪い言葉を使ったり、きつい言葉を選んで書いていきました♪終わり方は有りです!と胸を張っては言えないのがせつない。。
2004-07-22 23:29:27【☆☆☆☆☆】律
計:32点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。