『ボッタクリ!』作者:神夜 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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     「ボッタクリ!」




 雨は嫌いだ。
 てゆーか水が嫌いだ。ぶっちゃけ水分を含むのものは全部嫌いだ。
 だっておれの体がこんなんだし。
 信じられます? おれの体って、水を拒絶するんですよ? 人の身体の70パーセントは水なのに、それなのに、おれの身体は水を拒絶するんです。え? 拒絶の意味がわからない? そんなモンおれだってわからないですよ。でもまあ、簡単に説明すれば、そのままの意味です。
 拒絶するんですよ、おれの身体は。日常的な例を挙げれば、そうですね。おれが水を飲むことにしましょう。おれはコップに水を注ぎ、乾いた喉を潤すためにコップを移動させます。口に当て、腰に手を添え、四五度の角度でぐいっと一発で飲み干そうとします。水がコップを流れ、そのままおれの乾いた喉を潤す水分と成る。というのが本当であり常識であり当たり前です。
 しかしどうでしょう? コップの水は、なぜかおれに一滴も触れることなく気付いたら床に散らばっている。つまりはそういう感じです。なんです? 説明がわかり難い? そりゃそうでしょう、自分でも何言ってるのかわからないんですから。
 とにかく、おれはコップ一杯の水を飲むだけでも必死なのです。死にもの狂いなのです。
 改めてコップに水を注ぎます。ここで焦ってはならないっていうのが、この八日間でわかったことです。全神経を口に集中、コップを動かして水をぐいっと飲む。数滴口から床に落ちましたけど、残りはすべておれの喉を通りました。コップ一杯の水を飲むのも大変なんです。神経を集中させなければならないのですから。飲んでいる途中に少しでも気を抜けば、口からドバァっと出てきますからね、ドバァっと。はい? 表現がグロい? 馬鹿言っちゃいけないですよ。本当なんですから。体験されたらわかるでしょうけど、たまに鼻から出たりしますからね。あれは恥ずかしい。誰も見ていなくても泣きそうになりますし、誰かに見られたらトラウマです。ぶっちゃけ、三日前に見られました。もう死にたくなります……。でも自分は生きています。今、自殺を考えているあなた。どんな理由があろうと死んではいけません。だって、おれは自分の彼女にそんな現場を目撃されても必死に生きているのですから。
 話がズレました。修正します。
 おれの身体は、今こんなんになってますけど、八日前までは違いました。普通の人間の身体だったんです。だけど八日前、彼女がおれの家に持って来た物が始まりです。怪しげな、どう考えてもおかしいだろうっていう品を彼女はあろうことか通販で購入しました。商品名は『ウォーターシャットアウト!』、税込みで千八百円です。なぜか異様に安いです。その品、面倒臭いのでおれは『ボッタクリ』と呼びます。そのボッタクリは、小さい香水の瓶のような物の中に液体状で入っていました。ついでに取り扱いの注意書きの紙。そこにはこう書かれていました。『これをすべて飲み干せばあら不思議っ! 水分を含む物はすべてシャットアウトっ! 水が嫌いなあなた! 雨にお困りのあなた! これを飲めばもう恐れる必要はありません! さあ! 皆様も逝ってみましょう!! 未知なる世界へっ!!  ※この『ウォーターシャットアウト!』を飲みますと、その効果は人にもよりますが、平均で十日間持続します』
 おかしいだろ、おかしいだろって!! なんだそれ!? っんなわけあるか! てゆーか何で『行く』じゃなくて『逝く』なんだよ!! おかしいだろっ!!
 って、おれは彼女にそう抗議しました。しかし、彼女は笑って、「平気平気、何事もチャレンジ! さあ逝ってみよう!」とほざき、一瞬の隙を突いておれの口にボッタクリを流し込みました。しばらくは何もなかったんです。でも、気付いた時には手遅れでした。気付いたら、おれは先の説明にあるように、水を拒絶する身体になってました。もちろんすぐにボッタクリを製造した会社へと抗議の電話をしました。しかし……なかったんです。そんな会社は、なかったんですよこれが。これを宣伝した通販の番組にも問い合わせましたけど、向こうが「そんな品宣伝してません」と怒り、悪戯と勘違いされてしまいました。
 信じられます? そんな馬鹿みたいなノリで、おれはこんな身体になってしまったんです。
 信じられます? ……信じられるわけないですね。でもまあ、それは事実なのです。
 そしてこれは、そんなおれが体験した物語です。
 ボッタクリを飲み、水を拒絶する身体になったおれがそのままで八日間過ごし、そしてボッタクリの効果が残り二日と迫った、そんな物語です。
 もうこの説明で飽きた、意味がわからない、つまらない、と言う人はここから先は見ない方が懸命です。
 だって、おれでさえ何を言っているのかわからないのですから。 
 それでは、ここから先を見たいと思う少し変わった視聴者様。
 意味不明な、最初から最後まで筋の通らない物語を、お楽しみください。
 おっと忘れるところでした。この物語の主人公の名前――つまりはおれの名前をまだ言ってませんでしたよね?
 おれの名前は光一(こういち)、瀬戸光一です。ちなみに高校二年生です。


     ◎


「風呂入る時だってお前大変なんだぞ? 気を抜けば風呂の水全部吹っ飛んで気付いたら浴槽に水一滴残ってねえんだからな。メシだって水と同じで水分含んでるから食うのにも必死だし。あ、それにお前! 便所ん時とか死ぬぞ!? もうあれは……いやいい、これ以上言わないよ……泣きたくなるから……」
 そんな光一の苦労を、彼女の月野彩は、「あはは。大変だね」とたった一言で片付けた。
 その頭を叩いた。そりゃもう力一杯に。
「いったーい! 何すんのこーちゃん! 普通ぐーで殴る!? ぐーで!」
 うるうると涙に濡れた瞳を光一に向け、彩はそう言った。
 しかし光一は勢いを止めない。
「やかましいわアホっ! 誰のせいでこうなったと思ってんだ! お・ま・え・のせいだぞ!」
 彩の頭に拳をぐりぐりと押し付け、彩はそれから必死になって逃げ出す。
「いいじゃん! その御かげで今こうして雨が降ってもこーちゃんは濡れないんだから!」
 そうなのだ。今現在、雨が降っている。
 光一と彩は毎朝一緒に高校へと登校する。二人の家はそれなりに近い場所にあり、光一がいつも彩の家まで迎えに行っているのだ。そして今日もそんな感じだった。そして最近は雨季の時期、つまりは梅雨だった。ここ五日間、雨は止むことなく降り続いている。たまにポツポツと小雨になるのだが、決して雨は止まなかった。いつもなら雨季の時期は大嫌いだった。だって濡れるし。しかし今はどうだろう? 光一の体は、このどしゃ降りの雨の中でも全く濡れていなかった。それは素晴らしいことだ。雨など恐れる必要はないのだから。まさに逝ってみよう、未知の世界へ、だ。
 がしかし、それとこれとは話が別だった。光一は傘をさしている。濡れるわけないのになぜそうしているのか? 理由は簡単だ。変人に見られるから。皆様も思うのではないだろうか? どしゃ降りの雨の中、傘をささずに歩いている人がいたら必ず視線はそっちに移るだろう。それだけならあいつアホか? などと思って終るだろう。だが、光一は違う。どしゃ降りの中、傘をささずに歩いているのにも関わらず、一切雨に濡れていないのだ。そんな人を見たら変人だと思うだろう。てゆーか、そんな人がいたら怖い。
 だから光一は、雨に濡れない体のくせにご丁寧にも傘をさして歩いている。一歩一歩足を進める毎に、まるで生き物のように道路の水は動き、光一の足の形に沿って渇いたアスファルトが姿を現すのだ。そんな光景を見て、もはや光一にはため息すら出てこない。
「……後二日……このままなのかな……」
 そうつぶやくと、隣りを歩いている彩が、
「えー? つまんない、もっと持続させよぉー」
 その頭を殴った。そりゃもう渾身の力を込めて。
「じゃあお前が飲めばよかったじゃねえかっ!!」
 殴られた頭を押さえ、うるうるとした瞳を光一に向け、彩ははっきりと言った。
「やだよ!! 他人事だからおもしろいんだしっ!!」
 その日、光一は初めて彩と別れようかと思った。
 雨がどれだけ降ろうとも、光一の体は一切濡れてはいない。


 次の日、朝目が覚めるとまず最初に顔を洗いに洗面所に向った。寝惚けた頭と体を引き摺って、鏡に映る自分の姿を半開きの瞼の下から見た。ミイラような表情とアホみたいにハネた寝癖。まあこんなもんだろうと光一は思う。涎を垂らしていなかっただけまだマシだ。
 ぼやけた仕草で蛇口を捻り、出て来た冷水を手に溜め、そのまま顔を近づけて顔を洗った。
 瞬間、時間が一瞬だけ止まり、光一は叫ぶ。
「うがおぉおぉおぉおぉおっ!! 冷てぇえぇえぇえぇえっ!!」
 そりゃ水だし、と言ってしまえばそれまでだ。しかし、問題はそんなところではないのだ。今、光一は顔を洗った。もちろん水で。だから何、と思われる方もいるかもしれません。ですが、わかりませんか? 光一の体は、水を拒絶するんです。この九日間、顔を洗おうと流れる水に手を添えるとあら不思議、水は手には落ちずに、重力に逆らって噴水のように上に噴き上がって洗面所を水浸しにしてしまったのです。ですが、ですがっ、今、光一は顔を洗いました。極普通に。と、いうことはつまり。
「……マジで……? マジでっ!?」
 水に手を突っ込む。触れる、普通に触れる。手の平に水を溜め、一気に飲んだ。水は当たり前のように光一の喉を通る。
 そんな普通の状況が、死ぬほど嬉しかった。やっとこの地獄から抜け出せたのだ。効果は平均で十日間持続、平均ということは、それより早くに効果が切れるかもしれない。そんな当たり前のことを、どうして今まで気付かなかったんだろうか。ボッタクリの効果は、すでに切れている。それは、すべてから開放された瞬間でもあった。
 水を拒絶する体から、普通の体に戻ったのだ。
 そんな素晴らしいことが、他にあるだろうか?
 そして今日も、雨は降っている。


 雨の中、傘もささずに光一は歩く。
 その隣りで、彩は不機嫌そうに顔を顰めている。
「んだよ彩。もっと喜べよ! ほら見ろって、おれの体濡れる! すんげえっ! 雨に濡れてこんなに嬉しいの初めてだ!」
「……つまんない。後一日残ってるんじゃなかったの……」
 彩の文句は有頂天になっている光一には聞こえない。
 雨に濡れているのに笑っている光一を道行く人は不審そうに眺めるが知ったことではなかった。大声を上げ、光一はまるで今が人生で最高の瞬間のように笑っている。その隣りでは、やはり彩はぶつぶつと文句を言っていた。
 そんな二人が学校へ行こうと歩いていると、少し先に人だかりを見付けた。
「なんだあれ……?」
 光一がそう問うと、彩は首を微かに捻って「さあ?」と言う。
 わからないなら確かめればいい。二人は好奇心からその人だかりに向って歩き始めた。人だかりはガードレールに沿って形成されており、その向こうには川がある。この連日の雨でかなり水嵩は増しており、茶色いドロを含んだ水が激流のように流れていた。その川を見て、光一は落ちたら死ぬんだろうなと思う。
 人だかりの一番後ろにいたおばさんに声を掛ける。と、振り返ったそのおばさんの顔がブルドックみたいだったので笑いそうになり、しかしそれを何とか我慢して事の経緯を聞き出す。するとブルドックおばさんはかなり慌てた様子でこう言った。「ほらあれ見てごらんよ! あの川の一番奥! 男の子が川に、ああっ、ちょっと何!?」
 一発で状況を理解した光一は、彩をその場に残してブルドックを押し退け人だかりを掻き分けてガードレールに辿り着いた。
 そしてそこで、目を疑うような光景に出くわした。激流のように流れる茶色い川の水、その川の一番奥くの崖のような所。そこから飛び出た一本の枝に必死に掴まっている男の子がいた。ぱっと見ただけでわかる。その男の子は、かなり衰弱していた。水を飲んだのもあるのだろう。しかしそれだけではない。この時期とはいえ、水の温度はそれなりに冷たいはずだ。しかもそれに加えてこの激流。男の子の力を奪うのには十分過ぎた。
 ガードレールに身を乗り出すようにその男の子を凝視していた光一に、彩が追い着く。
「どうしたのこーちゃ――あ、あれっ! わっ、男の子が!」
 すぐさまこの状況を理解し、彩は光一の隣りで慌てふためく。必死にどうすればいいのか考えるように光一にすがり付く。
「ねえこーちゃんっ! どうしようっ!? あの子死んじゃうよ!? ねえ、どうにかできないっ!?」
 やれるもんならとっくにやってる。しかし、
 眼前に広がる圧倒的最悪な光景。この激流の中に飛び込んで、果たして無事にあの男の子を救出できるか。その問いは、限りなく無理に等しい。下手をすれば男の子の二の舞、最悪死体が一体増える。そして、この人だかりにいるすべての人が、その事実に気付いている。だから誰一人として飛び込んで助けようと思う人はいないし、皆が皆神に祈ることしかできなかった。こればっかりは、かっこいいとかそういうので片付けられる問題ではない。自分の命が掛かっている、それを受け止め、かつ助けに行ける人間など、この世に果たしてどれだけいるだろうか。もちろん、光一にしたってそんな度胸も根性も気合もなかった。キレイごとより何より、自分の命が惜しい。しかし、このまま見守ることしかできないのはあまりに苦痛だった。
 その時、男の子がすべてを放棄した。自分でそうしたのか、それとも本当に力が尽きたのか。男の子の腕から力が抜け、体がずるりと滑り落ちる。瞬間、男の子の小さな体は激流に飲まれて消える。
 人だかりの中から悲鳴が上がり、誰もがダメだと思った。彩も、そして光一も例外ではなかった。
 すぐに少し離れた場所に男の子の顔が浮び上がり、しかしまたすぐに水に飲まれて消える。
 気付いたら走り出していた。川の流れに沿って、人だかりを掻き分け、光一は男の子が流される方向へと足を進める。それが切っ掛けになり、人だかりが光一の後に続いて走り始めた。
 ガードレールに手を押し付け、もう一度どこかに男の子の顔が出ないかと必死に探る。
 その時になってやっと、自分に降り掛かる大量の雨を認識した。真っ黒な雲が広がる空を睨み付ける。拳をガードレールに叩き付ける。
 ふざけんなっ!! 人の命が掛かってるんだっ!! 雨くらい止みやがれっ!!
 心の中で怒鳴ってすぐに、光一は思い至った。視線を空から川へ移す。
 自分の握り緊めた拳を目の前に持って来て、その手に向って叫んだ。
「何のための能力だっ!! こんな時に限って効果切れだとっ!? 意味のないところで効果あって意味のあるところで効果がない!? ざけんなっ!! んなもん不良品以下じゃねえかっ!!」
 もう一度だけでいい。
 光一は思う。
 もう一度だけ。一生その効果が切れなくてもいい、ここで自分がどうなってもいい、だから、もう一度だけ、効果が効いてくれ。ボッタクリの効果を、もう一度だけ発揮させてくれっ!! 自分のすべてを賭けてでも、今目の前にある失われそうな命を救いたかった。キレイごとなのかもしれない。だけど、それでも、できることがしたかった。そして、光一にはその可能性がある。この人だかりの誰よりも、光一には可能性があるのだ。
『ウォーターシャットアウト!』、通称『ボッタクリ』。何でもいい、詐欺でも偽物でも本当にボッタクリでも。それでもいいから、一回だけ、効果を発揮してくれ。命を、救いたいんだ。
 握り緊めた拳が震える。わけのわからない感情が溢れて涙が出た。
 最後に一度だけ。消える前に一度だけ。命を、救ってくれ。
 その時、異変に気付いた。光一はすぐさま目を擦った。さっきまで出ていたはずの涙が、見当たらない。いや、それどころか――。
 光一の身体から、水気が消えた。
 雨に濡れた髪も肌も服も靴も、すべてが一瞬で雨など降ってはいないように乾いていた。光一の身体に降り掛かる雨は、まるで生き物のように光一に当たる瞬間にその方向を変え、道路は乾いたアスファルトが姿を現している。
 神に願いが届いた。光一はそう思った。これは、ボッタクリなんかじゃない。不良品でもない。
 これは、最高の商品だ。
 激流の中に、男の子の顔を見付けた。
 光一はガードレールを乗り越える。人だかりから叫び声が上がる。しかしその声は光一には聞こえない。
 だがその中で、彩の声だけは静かに響いた。
「頑張って、こーちゃん」
 光一は笑う。お前は最高の彼女だよ。
 そして、光一はガードレールを蹴った。激流へとその身を委ねる。男の子は、すぐそこだった。


 刹那、川の泥水が吹き飛ぶ。
 光一を中心として、流れる水が流れに逆らって重力クソ食らえで空に舞い上がる。
 乾き切ったその川の底には、光一と男の子だけが残される。
 この時、一つの命は助かった。
 人だかりから大歓声が巻き上がる。
 彩が笑って手を振っている。
 舞い上がった水が霧状になり、いつの間にか晴れた空に虹が掛かる。
 七色に光る虹はどこまでも続く。
 綺麗な光景だ、と光一は思う。


     ◎


 おれは、前言を撤回します。
 『ウォーターシャットアウト!』、通称『ボッタクリ』。これは、最高の品なんかじゃありません。
 確かにおれは言いました。一生その効果が切れなくてもいい、ここで自分がどうなってもいい、と。
 確かにおれは望みました。目の前で消え逝く命を、救いたいんだ、と。
 がしかし。それとこれとは話が別です。
 おれは一度だけいいと、あれほど念を押したはずです。けど、このボッタクリはやっぱりボッタクリでした。おれの身体は、水を拒絶する身体に逆戻りです。彼女は大喜びでした。おれはそんな彼女をそりゃもう殴りました。やっぱり別れようかなと思います。最高の彼女。この前言も撤回します。
 雨は嫌いだ。てゆーか水が嫌いだ。ぶっちゃけ水分を含むのものは全部嫌いだ。だっておれの体がこんなんだし。
 そしてこれは後日わかったことなのですが、取り扱いの注意書きの紙には続きがあったのです。そこにはこう書かれていました。『※※この効果が切れてから三日間は、この効果が欲しかったとは思わないでください。思えば、身体の構造が造り替えられ、効果が消えるまでに相当の時間を要することになります。薬品は、容量用法を正しくお読みになってからご使用ください』
 もう言葉も出ません。ただ言えるのは、アホじゃないの?
 信じられます? そんな馬鹿みたいなノリで、おれはこんな身体になってしまったんです。
 信じられます? ……いえ、やっぱり信じてくれなくていいです。誰も信じてくれないでしょうから。
 ですが、これだけは憶えておいてください。もしあなたが通販で、怪しくてどう考えてもおかしい、そして異様に安い品を見付けたら、早急にテレビの電源を切って風呂入って歯を磨いてトイレ行って寝てください。間違っても購入してはなりません。間違ってもそれを一瞬の隙を突いて人の口に流し込んでいけません。
 それでけ、憶えておいてくれればいいです。
 さて。おれの体験した物語を書き記すのはこれで終りですが、ぶっちゃけ、これからがものすごく不安でなりません。
 恐らく、ここに記した物語の他に、もっといろいろなエピソードがあると思うってゆーかあります。
 ですが、今回はこの体験だけを記させてもらいました。
 そして、またいつの日か、あなた方、少し変わった視聴者様に出遭えるのを楽しみ待っております。
 それでは、またお遭いしましょう。


 P,S ボッタクリはどこまで逝こうがボッタクリです。
     それも、忘れないでください。



                         瀬戸 光一


                           END





2004-05-04 13:52:27公開 / 作者:神夜
■この作品の著作権は神夜さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
まず最初に。
『春に〜』と『ハルネコ』の『pt』というブランドに騙されて読んだ方、
そしてそれを書いた『神夜』というHNに黙れて読んだ方、
――ごめんなさい。
自分は、産まれて初めて読み切り(ショートって呼ぶかどうか危ういので『読み切り』と言います)を書きました。
容量にして『春に〜』の約一章分ちょい。
ぶっちゃけ、ショート小説の難しさを改めて実感しました。
とにかく内容がまとめられない。このHPでショートをお書きになっている人すべてを尊敬いたします。
そしてその中でも自分が本当にすげえと思うのが卍丸さんと葉瀬さん。
……お二人方っ!!何かコツとかねえッスか!?(ヤメイ!!
いや……もう本当にショートは難しい……。
やはり自分は長編しか向いていないのでしょうね……(泣

真ん中に。
この話を思い付いた発端を。先日、雨が降ってました。思いました。PCや携帯はここ数年でこんなにも新化を遂げているのに、どうして『傘』は傘のままなのだろうって。いつになったら雨を完全シャットアウトできる品ができるのだろうって。
そこでふと、そういう感じの小説を書いてみたらどうだってことになって、この話ができました(発端意味不明
創作時間、三時間ほどの小説です。最初に書いてありますが、『最初から最後まで筋が通りません』。
疑問がたくさんあると思います。
でも自分は責任を持ちません(マテ!!だったら投稿するなっ!!

最後に。
この小説の本当の意味を。
ぶっちゃけ、『逃げ』です。前作の『春に〜』が怖いくらいの評価を頂き、次回の連載を始めるにあたってのプレッシャーから逃げるためにこの小説を書いて投稿しました。これで、なんだよ、『神夜』ってこんな馬鹿みたいなヤツなのかよ、前作の評価はなんだったんだチクショーってな感想が狙いです(逝けっ!!
それでも、お一人でも楽しいと思ってくれる方がいると願っています(無理な話
それでは、これを読んで楽しいと思ってくれたお方が一人でもいることを願い、この辺で。

風さん、グリコさん>ファンタジー系の物語の件なんすけど……すいませんっ、まだ時間が掛かりそうです……。設定を大体決め、一章の途中くらいまで書いたのですが、どうもごちゃごちゃになってしまって……。ですのでもうしばらく時間が掛かりますっていうより、もしかすると別の物語が連載し始めるかもしれません……。そんときゃあ本当に……ごめんなさいっ!!!(土下座

最後の最後に一つだけ。
最近ふと思ったのですが、皆様は『神夜』というHNをどうやってお読みになっていますか?
『しんや』『かみや』『かみよ』。いろいろな読み方があると思います。
白状しますと、自分的には読み方なんでどうもでいいんですけどね。
ただ名前を打つ時は『しんや』と打っています。つまり、一応の読み方は『しんや』になるわけです。しかし、このHNを考えた当初、本当は『神夜』=『かみや』でした。ですがいつの間にか『しんや』になってます。
つまりです。自分は何を言いたいのかと申しますと、どう読んでくれても構わない、というわけです(じゃあ書くなよ紛らわしいっ!!
皆様の読み易い読み方で読んでくれて全然OKですので。それだけ、何となく思いました。
それでは、意味不明なことを長々とすいませんでした。
(ホントすいません、いろいろと(汗:))
 
ラストに誤字UP(マテ)          
この作品に対する感想 - 昇順
あ‥‥‥面白かったです!!っていうか全然気付きませんでした、過去ログ見てたら初めて発見して今レス入れているんですが、ふぁぁ〜みたいな感じで脱力できてその具合がなんか良くて(日本語を文章で書いている人ではありえない台詞すみません 汗 神夜さん初め「かみや」さんだったのですか?!ずっと絶対完璧に「しんや」さんだと思ってました。これからも「しんや」さんで詠んで生きます(字が怪しすぎ こほん。それでは。
2004-11-21 01:14:42【★★★★☆】夢幻花 彩
計:4点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。