『旅の最果て〜アリエス〜』作者:柚紀かなめ / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約4.01枚
【旅の最果て〜アリエス〜】   -1つの道-


古くから精霊,妖精たつが住んでいるルアビ森。

緑は溢れ,花は咲き誇り,水は澄み切った青空の色をしていた。
誰もが『楽園』と呼ぶこのルアビ森。

そこには,たくさんの精霊たちや動物たちがすんでいた。毎日が平和だった。

しかし,何処ともなく現れた魔物が住みつくようになった。

精霊,妖精たちは追い出され,住処を失い困り果てていた―。

魔物に住みつかれた森はかつて『楽園』と呼ばれていたルアビ森さえすでに魔物になりかけようとしていた―。







しかしその時,空からある少女が舞い降りてきた。




この姿を見て,誰もが息を飲んだ。

名は,【アリエス】。少女は薄い麻で出来ているような茶色の薄汚い格好をしており,手には上等な創りで出来ている紅の杖を持っていた。

髪の毛は,誰もがみとれるような見事な金髪。

空のような澄んだ目をしていた。また,背に純白の羽を光らせていた。

それは,かつて英雄と呼ばれた少女,アリエスだった――。





【旅の最果て〜アリエス〜】   -2つの道-



いつのまにか,知らない森に迷い込んでしまった。



しかも,かなり奥まで来てしまったのだろう。

しかし,ここは森の奥で,たくさんの気が周りに生い茂っているというのにたくさんの光に満ちている。

ふと,前を見るとそこだけ,気が生えていない広場のようなものがあった。

中央には樹齢何千年というような大きな切り株がー。

その切り株に腰を下ろし,寝転がってみる。


正直,驚いたー。


この切り株から,小さな鼓動が聞こえる。

奇妙に思うのが普通だろうが,この鼓動はとても心地よく眠ってしまいそうだ。




そう,どこか懐かしい鼓動―。




「おい。あんた,死にたいのか?」

幼そうな少年の声に起こされた。

あともうちょっとで心地よい眠りにつけたというのに・・・。

しぶしぶと,声の持ち主のほうを向くと彼は,羽を生やした小さな妖精だった。

「よく,この森にまようことができたね〜。まだ,そこで寝る気なの?さっきも言ったように,この木の餌食になっちゃうよ?こいつ,今だに生きてるんだから・・・。」

はっきり言って何の事か,さっぱり分からなかった。

「ありゃりゃ・・・。何にもしらないんだね。分かった,その切り株の正体をおしえてあげるよ。アリエスと三人のステイルのことも。」




500年前の古いオトギバナシをー。

昔々の物語―。




一人の少女がおりました。
名は,ステイル。彼女はまだ5歳足らずの幼い普通の女の子です。
とても,綺麗な赤髪をしていたこと以外は・・・。

ある日,ステイルはお日様が顔を出す前になんとなく起きてしまいました。
まだ,お日様が出てないのを確認したステイルはすぐ眠ろうとしました。

しかし,ステイルはある事に気がつきました。

それは,自分のベットにみたこともない漆黒の羽がたくさん落ちている事に。
幼いステイルは,疑いもせずそれを手にとってみました。
とても,綺麗な黒でキラキラと光る羽でした。

ステイルは楽しくなってその羽を両手いっぱいに集め満足の笑みをこぼしました。
その瞬間,ひらひらとステイルの前に今までとは違う深紅の一枚の羽が・・・。

それと,同時に真っ黒な服を纏った青年が現れ深紅の羽をつかみました。

青年は,ステイルをまじまじと見つめため息交じりのいきをこぼしました。


「これが・・・こんな少女が・・・・ステイル。」



2004-04-20 23:39:56公開 / 作者:柚紀かなめ
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■作者からのメッセージ
読んでくださったかたありがとうございます!!ちょっと,後の方がごちゃごちゃとなってくるかもしれませんが,読んでくだされば光栄です!
この作品に対する感想 - 昇順
初めまして。お伽話、という作中の表現がよくわかる内容ですね。ただ、この長さで3度も書き方が変わってしまうのはちょっと残念です。全てに空行を設けるのではなく、本編(オトギバナシの部分)のみにするなどのメリハリをつけたほうがよりほんわかとした空気が作れるかもしれません。作風に口をだしてしまって申し訳ないのですが……。ですがこういう雰囲気の作品は好みなので、続編を期待させていただきます。でわ……
2004-04-21 16:06:53【☆☆☆☆☆】和宮 樹
計:0点
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