『お風呂の大事件』作者:紅葉 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約2.72枚

 この作品は読みきりです。気楽に読んでやって下さい。



 私の名前は風呂 好男(34歳)独身。汚らしいアパートに一人で住み
寂しい生活を送っていた。そんな私の唯一の楽しみが風呂だ。
特に寒い日なんかは風呂に入るのが気持ちよくてたまらない。
一日の疲れが全て吹っ飛ぶ。私は風呂が大好きだ。一時間以上毎日
風呂に入っている。そして今日も風呂に入る。

 風呂場には、シャンプー、石鹸、体を洗うタオル、桶、風呂椅子がある。
まずは軽く体をお湯で流し、次にシャンプーで頭を洗う。
体から洗う人がいるらしいが、はっきりいって阿呆だと思う。
体から先に洗うと頭を洗った時に頭の洗った汚れが体に付着し、キレイに
ならないからだ。やはり洗うなら上からが常識だろう。

 最近頭が禿げかかっているため、地肌を丹念にもみ洗いする。
「もしもし禿げよ〜禿げさんよ〜ってか」

 軽く歌いながら頭をキレイに洗い流す。何本か毛が抜けているのが
確認できた。さようなら、愛しい髪の毛ちゃん達……。
さて、続いて体を洗おう。体は首周りとわきが「おっさん臭」の発生源で
あるため、丹念に洗う。それから水虫になった足も丹念に……。
「くぅ〜しみるぜこんちくしょうー」

 泡だらけになった体を流す。たるんだ肉体が泡から姿を現した。
自分で見ても醜い体だと思う。よし! 一番の楽しみの湯船につかろう。
と、その前に新しい入浴剤を入れようかな。【血の池温泉の湯】という
入浴剤を入れるとお湯が真っ赤色に変わる。そして一気に湯の中へ。

 ザッブーン

 お湯が流れ出る。この時が一番贅沢感を感じる一瞬だ。
「いい湯だな、アハハン。いい湯だなぁ〜とくらぁ」

 上機嫌で歌を歌いながら頭にはタオル。いい感じに湯気が湧き上がり
とても気持ち良かった。30分程湯船につかると体もいい感じに温まる。
さて、そろそろ出るとしますか。湯船から出ようとしたその時、事件は
起きた。「!?」

 腰を浮かして、湯船から出ようとするが……抜けない。
最近食べすぎで太ってしまったのが原因だろうか。全く抜けない。
「……」

 何度も湯船から出ようと力を入れるが抜ける気配がない。それに段々と
体にだる気が生じてきた。このまま俺は死ぬのだろうか……。
「ばかばかしい!」
 そう、ばかばかしい。風呂にハマって出れなくなり死亡。なんて聞いたことがない。しかし数日後……。

『34歳独身男性、風呂に尻がハマって脱出できず餓死』
2004-04-11 16:18:45公開 / 作者:紅葉
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■作者からのメッセージ
オチ? ないッスよ
この作品に対する感想 - 昇順
ぶはっ!!面白かったです!!オチがないと言うことは本当に逝っちゃたんですね?とりあえずは合掌ということで!
2004-04-11 16:42:38【★★★★☆】フィッシュ
プッ!!おもしろ!!この次も、がんばってください。
2004-04-11 17:21:44【★★★★☆】ジーク
思わず笑ってしまいました。餓死なのに、尻は細くならなかったんだろうか…笑 次の作品も楽しみですw
2004-04-11 17:58:59【★★★★☆】STATE
おいっ! て感じですね(笑)読みやすいです♪
2004-04-11 18:22:06【★★★★☆】飛鳥
計:16点
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