『不良物語【4】』作者:グリコ / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
全角41122文字
容量82244 bytes
原稿用紙約102.81枚
【重要キャラプロフィール】
桐生 戒斗 (15歳 中三)身長は170大きいほうである。趣味は喧嘩。特技は剣道である。剣道は県の大会で優勝するほどの腕前だが、特に努力してるわけでもない。だがサボりまくってるわけでもない。普通の奴よりは才能と基礎筋力があるというだけである。性格は熱血漢。喧嘩はするがイジメはしない。すぐキレるためよく喧嘩する。見た目は銀色の髪をツンツンに立ててて龍の模様が入ったTシャツとジーンズを着ている。顔は整っていて。結構モテるはずだが、学校では怖がられているため女子はあまり近づいてこない。どちらかというと男にモテる悲しい奴である。『死神戦隊』に入ってからは名の知れた不良相手に喧嘩し勝利していることから結構有名だったりする

龍崎 龍司(17歳 高三)通称ダブルドラゴン 身長175。将来プロボクサーになろうとしている。体格はガリガリに見えるが、筋肉は無駄なく付いている。戒斗と同じ銀髪を肩まで伸ばしている。服は上は黒のジャケット。下は紺のジーンズである。顔は戒斗と同じく結構カッコいい部類に入るが、額の顔の傷と評判のためこれまた女はなかなかよってこない(と言っても全然モテないわけではない。ナンパすれば結構成功する)

大場 鉄心。(高三19歳 一度留年してる)彼もプロボクサーを目指している。性格はとにかく豪快。ギリギリ黒に見える坊主頭に何本もラインを入れている。顔は小さい子が見たら逃げ出すぐらいゴツい顔とデカイ鼻で顎にはヒゲが生えてる。体格もとにかくゴツい。さらにサングラスをかけているもんだからヤクザに見えるのだろうか彼の半径5mは危険地帯と判断されているらしく誰も人がよってこない。服は『閻魔』に属する者は着る決まりになっているジャケットである後ろには『一日一善』と書いてありその下に『閻魔』と書いてある(文字はメンバーの好きな文字を入れれる)下は普通のジーパン身長は175で戒斗より5センチ大きく龍司と同じぐらいだが、横幅は二周りぐらい違った。とてもボクシングをしている体格とは思えない。むしろ体重制限の厳しくないプロレスとかK−1向きとも言える体つきである。

桐生 尽(17歳高二)主人公桐生 戒斗の兄貴である。龍司や鉄心と同じくボクシングをやっているが、尽は五十年に一人と言われる才能の持ち主で他に空手とテコンドーをやっている。そして、ボクシングと空手とテコンドー全てを極めようとしており一日七時間のハードトレーニングを二日に一回やっている。(二日に一回というのは超回復にあわせての話であり筋肉の回復度合いによって三日に一回にもなる)ようするに努力と才能の男である。成績のほうもインターハイ優勝や、他にも有名な大会《作者がやってる空手は余り有名な団体ではないので、有名な大会の名前は知らないので詳しい説明は省かせてください》で優勝するなどの輝かしいものである。当然龍司も鉄心も尽には敵わないが、他の奴じゃ相手にならないので3人は仲よくスパーリングをしているわけである。だが、龍司はスーパーフェザー級。尽はスーパーライト級、鉄心はライトヘビー級なので階級が違う。見た目は弟よりさらにいい顔だちである。茶色に染めた髪をオールバックにして、香水の香りを漂わせる。性格は女好きでケータイのアドレス帳には男五%(鉄心 龍司 戒斗 アニータ その他)女九五%と偏っている。これもひとえに整った顔立ちとナンパし続けた成果である。そしてエロい。けど友達や弟を傷つける奴は絶対に許さないという仲間思いの一面もあるが、普段が軽い性格ため、この仲間思いを知っているのはごく少数だけである。彼は不良という訳ではなくどのグループにも属していない

兄伊田 恵 (16歳 高二)『死神戦隊』副ヘッド。苗字はアニイダと読むけどメンバーはアニータと呼んでる。本人は気に入ってない。結構前に報道陣に騒がれていたチリ人女性を思い出させるからだそうだ。性格は冷静沈着。けど暴れるときは暴れる。考え無しに突っ込んでいくメンバーの引きとめ役。本人はかなり疲れているらしく二代目引き止め役募集中。尽とも仲がいい。というのも尽と同じ空手の道場に通っているから。尽の特別メニューを一週間試したが三日でギブアップし、特別メニューの半分を現在こなしている。(といっても通常の2、5倍)だから喧嘩の強さもとても強く喧嘩では龍司ともまともに張り合ってる(勝っているわけではないけど)次期ヘッドと皆から言われているが、本人は「冗談じゃねーよ。オメーラみてーな熱血共の引止める仕事が多くなるだろ。それこそストレスたまって胃潰瘍になっちまうわ!」と言い断っている。顔立ちは良く頭も良い。成績は5と4たまに3がある程度だ、メンバーには宿題などをいろいろ教えている。余談だが尽と龍司でどれだけ多くの女のアドレスをゲット出来るか!というナンパ合戦をしたこともある。(一位尽 二位アニータ 三位 龍司)髪はこげ茶色で立てている。いつもサングラスとピアスをしている。服装はよく変わるので特定できないが一番のお気に入りは鯛が波で跳ねる絵がついてジャケット。下はぶかぶかの龍の柄の入ったジーパン。アニータも戒斗に負けないぐらい龍司を慕っている。中学の頃高校生8人に喧嘩をした時、龍司が助太刀してくれたおかげで助かった。龍司がいなければ負けて何度も殴られて金を全部取られていたかもしれないことから龍司にはとても感謝している。

屈波 真理雄(17歳 高三)あだ名の由来は見ればわかると思う。身長は190を超える。そして、相撲をやっているので力はとても強い。余談だが、ボクシングにあまりむいているとは思えない鉄心にはよく「相撲のほうがむいてるぞ〜たくさん食ってもいいし。大体オメー減量とか出来ねーだろ!ムカつく事あるとすぐヤケ食いするし相撲にこいや」と言って勧誘している。もちろん鉄心は「俺ぁボクシングがいいんじゃ!減量なんぞしなくても自分よりデカイ奴に勝てりゃあええんじゃ!」と言い断るが「自分より小さい尽君に負けてるのにデカイのに勝てるのか?」と聞き「じゃぁかあしいわい!!ぶっ飛ばす!!」とお馴染みの展開。真理雄は『閻魔』の副ヘッドで、『閻魔』のなかで唯一鉄心にタメ口こける凄い奴であり、喧嘩の強さも鉄心には負けるが相当なものだ。ちなみにグループ内ではクッパと呼ぶ者が4割マリオと呼ぶものが6割である。髪型はリーゼント。顔は四角で体の割にデカイ。顔の形は鉄心に退けをとらないぐらい迫力がある。顔の傷はデコに一つ右頬に一つである。その怖い顔は姫をさらうほうのあだ名の由来にも負けないぐらいイカツイものである。そして、鼻の下に生えてるヒゲは姫を助けに行くほうのあだ名の由来ともなる人物にひけをとらないぐらい立派である。

【4】
 ここは『死神戦隊』第二のアジト『死神戦隊八代目第二アジト 吉田工場跡』。場所は商店街から遠く離れた銀星南高校の近く。元々工場だった所を利用している。四代目の時この工場が潰れて当時のヘッドがここを使わせてくれと言い工場長も「まぁここには未練もなしな・・・・・・大事に使えよ!」と言われアジトにした。余談だがその後違う町にいって新しく会社を興して大成功したとか。四代目からずっと第二アジトになっているが第一アジトはと言うとヘッドの自宅である。だが、龍司の母親は何かとおせっかいなので龍司は親がいるときはあまりメンバーを家には呼ばない。それと当然だがこういう緊急事態の時の集合場所は第二アジトである。外装はなかなか大きく丈夫な造りだ。内部は元々あった機械は前の工場の持ち主がもっていったのでガランとしてしまい「こいつぁいけねぇ!」と五代目のヘッドが言い。いろいろなものを置いた。まず机やテレビ(電源はそのままにしてある。電気代はメンバー全員で払っている)やPS2、ゲームキューブやMD、ラジオ、ゲーセンの古いゲーム。そして、空いたスペースには自作のボクシング用リングがある。ロープの弾力はモノホンのロープより若干弱く、リングのマットはなんと畳である。グローブは16オンスを4つ10オンスを二つそして、サンドバックやダンベル、とにかくいろんなものがそろっているのだ。そして、一番後ろの壁にはマンガっぽく目がでかいファンキー死神がバイクに乗ってる絵がドドンと大きく書いてある。何故そんな金が?というと皆コツコツためてその貯金から金を出し合い買ったものなのだ。皆暇なときは必ずここに来て暇を潰している。プチ家出したメンバーもよくここに泊まる(主に戒斗と寅次郎。たま〜に龍司。何故か尽も)そして、一日交代で泥棒が入らないか毎晩見張るために泊まるという決まりもある。一応シャッターに鍵が付いているがそれでも破って入る奴もいる。そういう奴ら対策の為に当番がある。今日の当番はちなみにフランケンである。


 その第二アジトに全員集合させたわけだが
「ふぅこんだけしか集まらんか〜」
 中から龍司の力の抜けた声が聞こえる。大方家で休んでるんだろう。ある三人以外は全員あつまったから本来は喜ぶべきなのだが緊急事態なので焦っていた。まだ『苦露虎蛇異流』との一件はメンバーには伝えていない。伝えたらまっすぐこっちに行かず『苦露虎蛇異流』のアジトに鉄パイプなり警棒なりもってってまたひと悶着ありそうだから皆には打ち上げだと言っている。集会といえば皆用事を潰してくるだろうが集会は月一度。やはり何かあったのだろうかと動揺させることになる。だから龍司は来てない3人、暇そうなジェイソン(今日は休み。寝るかゲーム、もしくは昨日の筋肉痛で休んでる)と、トラの次郎(ゲームも結構好き)アニータ(同じくゲームorナンパ)あたりは大方ゲームなりナンパなりしてんだろうな〜と思った。実は昨日『死神戦隊』全員集合で海に行って皆泳ぎ疲れているのだ。
 

 海といったら普通は浮く場所でありクロールとかする場所ではない。周りの人にも水が飛ぶからだ。作者も一回無作法なクソガキ・・ゲフン!ゲフン!少年に水をかけられその時ゴーグルしてなかったので目にしみて目を押さえたら溺れそうになったという苦い経験がある。話がそれたが浮くだけのところで何故疲れたかというと周りの迷惑も考えずにクロール400M(推定)競争したからだ。それと魚や海の生き物が多いところでどれだけ多くの生き物が採れるかも競った。道具は網と銛。酸素ボンベあり。釣りは反則。餌をまくのも反則。点数の配分は30cm以上の魚&タコ&ワタリガニは10点10cm以上30cm以下の魚&ヒラメ(大きさ問わず)&ウツボ(大きさ問わず)なら5点その他一点。それ以外で珍しいと思われる魚は10点。優勝は龍司の36点。ビリは海釣りのまき餌さをこっそりもっていって自分がいるところにまいたのがバレた寅之助とアニータ。罰ゲームは龍司が捕まえた50センチはあるタコを背中にくっ付ける。


 余談だが作者が良く行く海は堤防が海に沈んでいるので深いところでもちゃんと腰ぐらいの高さの足場を確保出来るのだ。だから自由に深いところ潜って疲れたら足場に戻る。作者はそうやって小さいタコや小さいウツボを採ったことがある。作者も15センチ程のタコが腕に絡みついた事があるが、とにかくくっ付く力が強く、作者はその間不快感にワタリガニを10点に入れたのは作者の経験上採ることが難しいのと味噌汁にしたらとても美味いからだ。


 おっと話がそれまくった。小説書く気あんのか?っつーぐらいそれちまった。
 龍司は三人に電話をかけた。一人目は寅次郎である。寅次郎は簡単に出た
「龍崎さんどうしたんですか?今日の打ち上げは勘弁してください。全身筋肉痛なんで、あと今デートメモリアルっつーラブゲーやってまして」
 龍司はすんごい大きい声で
「じゃーかぁーしぃーっ!!戒斗はピンピンしとる!!おまけに剣道にまで行ったぞ!!負けたくなかったら来い!!それからいいこと教えてやるナオミとハッピーエンドを迎えたかったら最初の選択肢で「遊園地」を選んで次の選択肢は「コーヒーカップ」次が「おばけ屋敷」そこで「怖かったら抱きついていい?」と聞かれるからそこで「俺が守ってやるよ」を選択する。そして、出た後昼飯を食う時「おごる」か「おごらないか」を聞かれるがおごってしまったら所持金が無くなって桜公園でのイベントがなくなるから断る!そこで好感度ダウンするが、デザートは「スペシャルジャンボパフェ」を選ぶ。ここで高いのにおごらせていいのかと思うが他のを選ぶ好感度は元に戻らない。そして、「二人で食べる」を選択。そして、歩いている途中寒くなってきたわねと言うが、そこで気温のメーターを見ずに「そうだね」と答えると「今日暖かいじゃない!」と言われるので「そんなことないよ」を選択。そして、観覧車でキスの話題が出るがここでしようとしてしまうと好感度がいっきに下がるので「黙る」を選択。そして、桜公園に行く時ナオミは財布を落とす。そして、主人公が金を出す。その後行く場所を選ぶが、「噴水前」だと不良に絡まれて殴られ主人公が気絶して、ナオミは何とか逃げ出す。そこで「弱い人は嫌い!!」といわれてBAD END。「桜を見る」を選択するとロマンチックな雰囲気になる。そこで再びキスの話題になる。ここで「キスをしない」を選択すると「私のことが嫌いなのね○○君だいっ嫌い」と言われてBAD END。○○っつーのは主人公の名前な、まさか自分の名前にはしてねーだろうなぁ。まぁいいやここで「キスをする」でHAPPY ENDっつーわけだ!わかったらさっさと来い!!このギャルゲーマニア!!!!」
 この長ったらしい攻略法を聞いてメンバー全員がこう思った
(((寅次郎が知らないことをどうしてアンタがこうも明確に知ってるんだ?アンタもひょっとして・・・・・・)))
 みたいなことを考えた。だが電話の向こうの寅次郎はおかまいなく。
「あの〜すいませんが観覧車のとこもう一回言ってください」
 龍司はもう呆れながら
「きたら教えてやる」
「わかりました〜今すぐ行きます」
 そう言って切った。メンバーは何故そのゲームについて詳しいのかというのを中々聞きだせないでいた。中でひそひそと「おまえ聞けよ」「ヤダよ。なんか触れてはいけないことのような気がするから」「テメーこそ聞いてみろよ」などという声が聞こえた。龍司は慌てることなく説明した。
「あ〜なんで俺がそんなに詳しいんだコラァ!!ってか?理由は簡単だ。ちょっと前隣町に言ったとき俺のことしらねぇ奴が喧嘩売ってきてな、そいつKOしたときの戦利品だ、ちなみに俺はトラジと違って女心っつーのと天性のカンで一週間、プレイ時間は4時間でクリアした。」
 メンバーの中から「あ〜なるほど〜」という声が聞こえてきた。
 そして、戒斗が話を変えた
「寅次郎君って寅の兄貴の事知らないんですか?」
「知ってるわけねぇだろ、知ってたら絶対こっちにはこないぞ。真っ先に奴等んとこ行くはずだからな」
「なるほど」
「それより次はアニータだ」
 そう言って電話をかけた。こちらもすぐに出た。だが、誰と勘違いしたのか
「ミカ?ゴメンゴメン待ち合わせの時間には遅れれちゃうけどちゃんとプレゼント用意したからあと10分ぐらいまっててね〜」
「俺はおふくろからミカなんて名前付けてもらった覚えはねぇぞ、それにデートっつーのは男が待つもんだ。女を待たすようじゃいつか振られるぞ、っつかいつのまにテメェ彼女出来たんだコラ?」
「んげ、龍崎さんどうしたんすか?」
「『んげ』っつったなテメェ一回死ぬか?」
「いえ、この年で死ぬのはゴメンですわ。」
「なら第二アジトまで来い」
「何故ですか?」
「いいから」
「龍崎さんがそこまで来いっつーのも珍しいっすね。何かあったんっすか?とりあえず急いでいきますんで」
 そう言って切った。やっぱアニータは頭いいな〜と感心していた。確かに打ち上げだとか宴会の時はしつこく催促はしなかった。ましてやデートの途中に来いというのも異常だ。アニータはそこに気が付いたのだろう。アニータは結局彼女に「今日急用が入った」とメールを送り、バイクで急いで第二アジトまで向かった。
「次は一番厄介だな」
 龍司は覚悟を決めた。
「アイツは昨日一番張り切ってたからな・・・・・・帰る前も全身痛くてバイクに乗れなかったし絶対動けないだろうな。それにアイツは一日10時間は絶対寝るからな〜ましてや疲れてるんだ24時間寝てるかもしれないな。こりゃぁ電話に出ない恐れがあるぞ」
 とにかく電話をかけてみた・・・・・・
 10分後 
「ただいま留守となっております。発信音が」
 プッ
「あんのやろおぉぉ!!一大事って時に何してやがんだぁぁぁぁ!!!フランケン!!!!オメェ向かえいってこーい!!!!!!」
 龍司は一瞬キレたが冷静になって
「そういえば寝てるかもな、やっぱいいや後で俺が伝えとく。じゃあ皆まだトラジとアニータが来てないが先に説明する。今日トラが『苦露虎蛇異流』の奴等数人にフクロにされた。そして、『閻魔』の平方と久利坊と来宮も『苦露虎蛇異流』の奴等に襲われた」
 メンバーはいっきにざわめいた。「トラをフクロだぁぶっ殺す」「数集めるしか脳のない糞共が生意気に」「寅之助さんがやられただと?」など、そして、最初に打ち上げだと言った意味がやっと判った。
 そして、うるさくなったので龍司が
「俺の話が終わるまで黙ってろ!そして、俺はすぐさまぶっ潰そうとした。そしたら鉄ちゃんに止められた。敵が仕掛けてくるには理由がある。絶対に奴等は準備できているはずだ、そのまま行ったらトラと同じになる。そこで俺はお前らを呼んだわけだ。そして、何をするかと言うとだな、このままぶつかってもオレたちはツエーから奴等の数にも何とか勝てるかもしれねぇ。だけどもしもってことがある。そのもしもを消すために今から『黒岩ファミリー』と『銀星南連合』と『ポイズンシャーク』を味方に引き入れたいと思う。そこで、この三つのグループのメンバーもしくはヘッドと親しい奴は名乗り出ろ」
 龍司はそう言って一息ついた。そして、中央のリングに座り込んだ。メンバーはここでいっきにざわついた「『銀星南連合』ってワルが多いこの町でもさらにワルが多い通称殺人高校って言われてる銀星南高校のグループで一番勢力があるグループ三つが合体した所だろ?」「そうそう」「お前誰か親しい奴いるか?」「いや〜俺はいねぇ」「あのヘッドがそこまで考えるとは」などなど
 そして、一人が名乗り出た。中3でまだ入ったばかりのペーペーだ。戒斗と同じ黒岩中で戒斗と共にメンバーでは一番年下でパシリ及び雑用の氏家 康雄(15歳 中三)通称イエヤスである。髪型はモヒカンで赤色。服は真っ赤のTシャツに半ズボン。顔は結構怖い。体格はそうゴツくない。性格は荒っぽいが自分より強い者に対してはおとなしい。小学校の時もかなり暴れていて中学に入ったら絶対一年のヘッドになるだろうと言われていたが、戒斗に喧嘩売って取り巻き五人と共にボコボコにされ全裸にされて廊下にさらされ結局戒斗に一年のヘッドの座は奪われた。そして、二年のとき戒斗は三年で一番強い寅次郎を倒してヘッドになった。イエヤスは全裸事件の後取り巻き五人と共に戒斗の下っ端になった。


 そのイエヤスが緊張したような口調で 
「龍崎さん。俺『ポイズンシャーク』に入ってる先輩と親しいので先輩に聞いてみます」
 龍司は喜びながら
「わかった。だけどお前だけじゃナメられるかもしれねぇから電話するときは俺にも代われ」
「わかりました」
 そして、アニータと寅次郎が丁度同じ頃に来た。二人は声をそろえて
「何の話してるんですか?」
 と聞いた。龍司はめんどくさそうに
「イエヤス!説明しろ」
 イエヤスはとちゅうつっかえながらも丁寧に説明した。そしたら、
アニータが笑いながら
「あ〜俺銀星南高だから『銀星南連合』の総長と仲いいんですよ。召使いと書いて親友と呼び合う仲ですから」
 龍司はちなみにアニータと同じ高校ではない。龍司は不思議に思って
「ど、どーゆー仲だよ召使いと書いて親友って・・・・・・」
 アニータはニッと笑って
「『銀星南連合』総長の沢渡は俺の子分なんですよ。だから連絡入れときますね」 
 そう言ってアニータはサングラスを一度ハンカチで拭いて掛けなおした。そして、ケータイを取り出し電話をかけた。しばらくの沈黙
「出ないな・・・・・・どうせ俺がまた無理な事頼もうとしてるとでも思ったのだろうな」
 そう言って今度はメールを打ち始めた。寅次郎は気になって
「アニータの兄貴どんなメール送ったんですか?」
「あぁ絶対に後三分で俺に電話をかけてくる魔法のメールだ」
 アニータがケータイの画面を寅次郎に見せた。
”後三分以内に俺に電話かけてこなかったらボコボコにして紅学の校門の木に全裸にして吊るすよ(ハートの絵文字) by 君の最高の友達 兄伊田 恵より”
 メンバー全員が順番に並んで画面を見た。
 ちなみに紅学とはこの町に一つしかない女子高である。紅葉学園の事である。銀星町に住んでる高校生の美人の90%は紅葉学園在籍である。尽や龍司やアニータがナンパに行く場所の中でも一番効率がいい場所であるのが紅学である。この三人はもうすでに紅学の女子生徒たちとは顔なじみである。最初龍司は顔に傷があることで怖がられていたが、話してるうちに馴染んでいった。
 話はそれたがこの町の美人の90%がいるという高校の校門の木に全裸で吊るされるなんて事はこの上ない恥であり、下手したら豚箱行きになるかもしれない。とにかくそれだけは絶対に避けなければならない事態なのである。
「名前なんか書かなくてもケータイだからわかるんじゃないですか?しかも友達と言う意味をどこかはきちがえているような気が・・・・・・」
 続きを言おうとしたがアニータがギロッと睨んだ。恐らくここから先は言ってはいけない。きっと彼らなりの友情の形があるのだなと寅次郎は解釈した。だけどそこまで向こうが恐れているなんて何があったのか?というのがとても気になっていたが、聞く勇気が出なかった。ここから先は踏み入れてはいけないんだ。という気持ちが強く聞き出せなかった。
 だが、怖いもの知らずの戒斗が、
「あの〜向こうは殺人高校とか刑務所高校とか言われてる。あの銀星南高校のワル共の頂点に立ってる男ですよね?ソイツが何故アニータの兄貴の子分でそんな脅迫まがいのメール送るほどの仲になったんですか?何があったか聞きたいんですけど〜」
 アニータはジロッと戒斗を睨んだ。
「あ〜・・・・・・嫌ならいいんですけど・・・・・・」
 と戒斗は一歩下がりながら恐る恐る言った。だが龍司は
「聞きたい。聞きたい。アニータ君の秘密知りたい人〜」
 と言いアニータの数倍鋭い睨みをメンバー全員に送った。
 メンバーは一斉に
「「「「教えてください!!」」」」
 と言った。というか言うしかなかった。アニータはしょうがねぇなって顔つきで言った。
「あの事思い出すと同時にあの悲しい事も思い出すから嫌なんだけどなぁしょうがねぇ教えてやるよ」

    
  〜不良物語番外編 兄伊田 恵の憂鬱  語り部 兄伊田 恵〜
 


 
 高一の冬の事だった。俺はそのとき学校では女子にちょっかいかけるなり、先輩ナンパするなり、俺が入ってる空手部の女子マネにちょっかいかけるなり結構充実していた。男子の友達は居なかったなぁ。ウザイし弱いしピンチになると裏切るし、カスだしうんこだし(後のほう意味不明とかいうんじゃねぇぞ! byアニータ)まぁ俺は『死神戦隊』の仲間さえいれば十分だった。それを思うと龍崎さんのいる黒岩男子校に行きたかったなぁとも思ったりしたが、まぁ第二アジトに行けば大抵ヒマしてる奴に会えるからよかった。
 
 
 そんな時だ銀星南高校で一番強い奴を決める大会をアホ共が開催したらしい。男子全員強制参加女子自由参加(女子なんか誰も参加するわけねぇだろバァカ)で、銀星南高校には四つの巨大な派閥とその他10ぐらいの小さな派閥がある。まぁ銀星町に散らばるグループと似たようなもんだ。そして、派閥同士睨み合う事ような現状にウンザリしたらしいのか、各派閥のドンが体育館を貸切にし、銀星南高校の男子生徒全員でトーナメントをして勝った奴が、銀星南高校全体のヘッドになれるというものだ。
 
 
 俺はそんなアホ臭いことには参加しなかった。ザコの頂点に立っても仕方がない。それに空手があるので早いとこ帰りたかった。オマケに尽との試合の約束もあった。もし行かなければ「逃げたな!チキン野郎」ってメールが200近く来るだろう。そして、空手が終わった後はユカとのデートだ。正直喧嘩は見たかったが、まぁ時間がないので諦めた。そして、帰ろうとしたとき、目の前に四人の男が現れた。四人とも四大派閥のドンであった。右から順番に沢松組のドンで警棒で体育教師二人を病院送りにした事で有名な沢松 俊夫(当時三年)と、岡嶋一家のドンで沢松の永遠のライバルで入学早々上級生と喧嘩して三人半殺しにして大騒ぎになった事で有名な岡嶋 正成(当時三年)吉成ファミリーのドンでボクシング部部長で、地区大会で相手がダウンしても殴り続けて病院送りにしてボクシング部出場停止にしたことで名の知れてる吉成 吉春(当時三年 通称キチキチ)そして、優勝候補である沢渡一家のドンで入学式にいきなり沢松と吉成相手に喧嘩し互角に戦ったことで最も注目されてる沢渡 啓吾(当時二年)だ。


 俺はとっさに
「今日は塾がありますんで」
 と言った。俺は勉強は何もしてないが、成績はトップクラスだ。塾に行ってるという嘘も全然怪しくない。
「今日ぐらいいいだろ!テメェちっと空手が強いからって生意気だぞ!さっさとこいや!!」
 沢松が俺の腕を掴んだ。なんかだんだんムカついてきた。だが、俺は『死神戦隊』で、数々の熱血共を相手にしてきた。自分の制御ぐらい出来る。だが、どうにもこれはやりあわなければならないだろうな〜と思った。なるべく早く済まさないと尽からのメールで俺のケータイが凄い事になる。
 俺はめんどくさそうに
「離してくれません?ニオイが移りますんで」
 そう言って俺は沢松の腕をひねって鳩尾に蹴りを入れた。空手で鍛えたけりだ手加減はしたが今立つことはないだろう。こうなったらやられる前にやれだ。これで後三人。そして、次に狙うのは少しビビってる岡嶋だ。だが、向こうは三人、別に三人という数は問題ではない。問題なのは奴等は仲間が居るので勇気もわいてくる。動きが大胆になってくる。一人ならスキをつけるが三人だとそうもいかない。それに囲むって戦法もある。奴等は仮にも銀星南高校のトップ四人(一人ダウン)だちょっとヤバイ。空手は複数相手にする「型」の稽古があるが、あれは相手の攻撃パターンが決まっていないと出来ない。というかもう「型」は実践で使う代物じゃない見せるものだ。というわけで「型」をコイツ等に見せても仕方がないわけで
「「「ぶっ殺されてぇのかぁ!!このクソがぁぁぁ」」」
 大ピンチなのである。俺はサングラスを外した。ここは校門近くなので、壁があるところまで走ったそして、壁に背を向けて戦う事にした。そしたら、後ろから殴られる心配はない。さらにパンチを避ければ相手は手を怪我してダウン。俺は早速この戦法で行く事にした。早速岡嶋のパンチが右から沢渡のハイキックが左から来た。両方ともしゃがんで避けてしゃがんだ状態からローキックを岡嶋と沢渡の足に食らわした。
「うぉっ」
 とかいってバランスを崩した。だが、俺もしゃがんでいる吉成が俺の頭めがけて蹴ってきた。しゃがみながらでキツかったけど、なんとか両手でしっかりガードした。そして、立ち上がり吉成に前蹴りを入れた。吉成は結構吹っ飛んだ。だが、ダウンしたわけではない。俺は岡嶋のほうに向き直った。そして、顎が開いていたのでアッパーを食らわした。岡嶋ダウン残り二人。沢渡と吉成は慎重になってきた。そのとき吉成は手に砂を持っていた事を俺はまだ知らなかった。
「ウォラァァァ!!」
 吉成が振りかぶったパンチを打って来た。ふうに俺はそのとき見えた。だが、手を開いたそして、俺の目に砂が飛んできた。俺は体をそり避けたが避けたところを沢渡に蹴られた。顔を蹴られた。ちょっとくらくらする。なんかだんだんムカついたが冷静に行く。熱くなりすぎてろくなことはない。
「どうした?もうダウンか?」
 とニヤニヤしながら吉成が
「空手家さんたいした事ないねぇ」
 と得意げに沢渡。
「テメェのキックもたいしたことねぇけどな。それに一年生相手に四人で向かってきて二人もダウンしてるのに一発入れただけでなんでそこまで喜んでんだ?笑えるぜ」
 早速怒り出した。俺は作戦を変えた。怒らせてその隙をつこう大作戦だ。いきなりのってきてくれたよ。吉成は突進してきた。恐らく俺を突き飛ばして転ばせてボコボコにするつもりらしいが、俺は吉成の顔目がけて膝蹴りを入れた。吉成は何も言わず気絶した。だが、ここで予想外の事態が発生した。思ったより早く沢松が起き上がった。だが、一発痛いのが入れば心境はがらりと変わるものだ、その目はもう戦意喪失してる。沢松は放って置いてやる気まんまんの沢渡に狙いをつけた。沢渡は自分に言い聞かせるように
「俺は他の三人とは違うぜ!」
 と言った。俺は軽く
「なるほど一番弱いのか?」
「ぶっ殺す!!」
 アホだ単純だ。沢渡は振りかぶってパンチを売ってきた。俺は交わして一歩後ろにさがって後ろ回し蹴りを顎に食らわした。沢渡は三mぐらい後ろに吹っ飛んだ。その後戦意喪失している沢松にはもう一発腹にパンチを入れた。
「ふぅ終わった〜」
 サングラスをかけながら俺は行った。まだ頭がくらくらする。ヘボキックだろうが足は腕の三倍から五倍以上の力がある。どんな弱いキックでも頭に入ればそれなりに聞く。だが、問題は時計だ。
「あ〜15分過ぎてる!今から行ったら30分の遅刻だ!」
 悪夢のメール地獄だ・・・・・・先に尽にメールいれとこ
”逃げたわけじゃねぇぞ!ちょっと不良に絡まれただけだ!逃げたわけじゃねぇからな”
 よしこれでOK。俺はダッシュで行こうとした。だが、偶然通ったユカに一部始終を見られた。ちなみに俺の印象はというと

?優しい
?不良じゃない
?喧嘩なんて野蛮なマネは絶対にしない
?クール

 案の定
「喧嘩なんてするとは思わなかった・・・・・・皆が怖い怖いって言うけど私だけは信じてた」
 振られそうだよ俺
「違うんだよ。あいつらが無理に・・・・・・」
 もういねぇよ逃げちゃったよ。ちなみにユカの嫌いなものは

?喧嘩
?暴力
?タバコ
?ゴキブリ

 タバコは吸わないから喧嘩さえ隠せばよかった。だけど結局見つかってしまった。おまけにこの後40分遅れた。尽とも試合したが結局負けた。ユカに振られたのはあいつらのせいだよな?絶対許さん!!明日ぶっ殺す!!
 そして、次の日。銀星南一武道会に勝った奴が発表された。皆の予想通り沢渡だった。そして、沢渡が『銀星南連合』の総長になったわけである。昔の派閥はそのまま支部に分けられた。だがそんなことは関係ねー俺は今から。ユカに振られた原因であるあの四バカを今からもう一回ぶちのめそうと言うわけである。ちなみにこのときユカが昨日のことは誤解だったと知ったのは俺の知るところではない。そして、見つけた。まずは沢渡だ、早速俺は二年の教室に乗り込んで
「テメェ!!昨日テメェのせいでユカに振られたんだぞぉぉぉ!!慰謝料払うか俺に殴られろぉぉぉぉ!!!」
 そして、沢渡をぶちのめした。一人だと弱い。そして、裸にして廊下に投げた。服は窓の外から捨てた。皆注目している。かまわない。残り三人も順調にボコした。だが、最後にユカに見られた。ケッいいさどうせもう振られたんだ。
「昨日の事は誤解だと思って誤ろうとしたのに・・・・・・」
 やっちまったよ俺〜余計なことしなければよかった・・・・・・ 
 次の日あの四人は俺の子分になった。徹底的に使いまくった。
 そして、二年になった今残っている子分は沢渡だけであるっつーわけだ。今までに何度も『銀星南連合』の総長になれとか言われたが興味ない。俺は『死神戦隊』副ヘッドのほうがいい。っつーわけでまぁ沢渡は子分だから俺がこいっつったら絶対来るわけよ。

 続く


「な〜るほど〜ってテメェどんだけスペースとってんだよバカ。しかもなんだ続くってよぉ!終わりだろ!!」
 と龍司。アニータは構わず続けた
「まぁそういうわけで」
 と言った時アニータのケータイがなった。世界に一つだけの花の着歌だ。当然相手は沢渡である。アニータはカッコつけてマンガでキザ野郎がよくやる。髪をわざとらしく手でサラッと撫でるという動作をしながら
「ホラ、来ただろ。」
 と言ってケータイを取った。
「ハイ。もっしー!あれ〜沢渡君じゃない?どうしたんよ?」
 メンバーの大半が
(いかにもわざとらしいな〜アレ)
 と思った。アニータはリングの周りを歩きながら電話に向かって話している。
 作者は思う。何故人はケータイでしゃべる時わざわざ歩きたがるのだろう?そうじゃない人もいるみたいだが作者は歩く。そして、どうしても長くなるときは座る。とまぁ作者の疑問はほっといて進めよう。
 沢渡は
「え?だってメールあれ・・・・・・」
 アニータは歩きながらニヤニヤ笑って
「あ〜そうだったそうだった。確か送ったね。三分以内に来ないと・・・・・・なんだったっけ?確か紅学がどうのこうの言った気がしたけど忘れっぽいからなぁ。まぁいいや。それよりお前俺に5000円借りてるだろ?」
「あ〜そうだったな。今度給料は言ったら返すよ」
「いや〜確か3ヶ月前に貸したから利子5倍になってるような気がするようなしないような・・・・・・というわけだけどちチャラにしてやる。だから俺のいうことを聞け」
 沢渡は嫌な予感がする。といわんばかりの口調で
「え・・・・・・何?無理なこと言うなよ。」
「無理じゃないさ・・・・・・むしろお前にとってもいい相談だと思うぜ。それはだなぁ『死神戦隊』と『銀星南連合』組んで『苦露虎蛇異流』ぶっ潰そうって事だよ。実はなトラがやられたんだよ。奴らに。そこでぶっ潰す!とウチのヘッドは怒り爆発!けど数が多すぎる。数には数を!ってことで親友の君に力を借りたいという事でわらをもすがる思いで電話をかけたんだよ」
 沢渡は何を言ってるのか判らないような感じで
「えーっと俺らと組んでワニ共叩き潰す?ちょっとまってや他の奴相談して・・」
 アニータは脅すようなでかい声で
「テメェ!去年からずっと銀星南しょって立つ総長二年もやってんだろ!!他の奴がなに言おうが関係ねーだろ!!あ、そうだヘッドに代わるわ。」
 ここで一度区切りアニータは龍司に向かって
「龍崎さ〜ん沢渡が中々承諾してくれませ〜ん」
 と沢渡に聞こえるように大きな声で言った。沢渡はますますビビった。
(龍崎?三大勢力の一つである『死神戦隊』の8代目ヘッドのダブルドラゴンの事か?そして、銀星南四天王を一人で倒した奴がヘッドと崇めるほどのバケモノだ。到底敵うはずがない。そんな奴を怒らせてしまったらどうなるか?さらにアニータまでいる。他にも強い奴は居る。白虎兄弟、オカルトコンビ。それから新しく入った桐生 戒斗。コイツは確か入って早々白虎兄弟の寅次郎とやり合って勝ったほどの奴だ。そして、『ポイズンシャーク』の青山 冷事に無傷で勝ったという話は有名だ。冷事は通称アオザメと言われていて、鉄パイプを使った喧嘩は殆ど負けなしと言われている猛者だ。そいつに無傷で勝ったって事は相当な実力者だ。こんな猛者共相手に勝てる見込みはゼロだ)
 沢渡は読んでいる人に優しい説明も付け加えながらこう思った。そして、
「わーまってくれ」
 と言ったその瞬間に龍司がケータイを受け取った。
「どうも代わりました。自分は『死神戦隊』ヘッドの龍崎です。アナタが『銀星南連合』の総長の沢渡さんですね。兄伊田から色々と話を伺っております。」
 龍司も歩きながら電話している。あくまで低姿勢の龍司。沢渡はアニータから龍司は超がつくほどの暴君だと聞いていたのでこういう相談もアニータみたいな調子でガンガン言ってくるものだと思ったが案外普通なんだなと感じた。だが、あくまでこれは仮の姿。ここで怒らせて本性でも見せたら即座にぶっ殺される。
「はい私が『銀星南連合』の総長をやらせてもらってます沢渡と申します。先ほど兄伊田から同盟の話を聞いたのですが、しばしお待ちください。我々は幾つもの支部に分かれておりますのでヘッドだからと自分ひとりで決めてしまっては、他の者から反感を買いますので幹部の者と相談してみます。勿論私は四代前から巨大な勢力で今の代でさらに大きくなりつつある『死神戦隊』との同盟は嬉しい限りであります。メンバーも話せば必ず納得してくれると思いますので」
「そうですか。わかりました。そちらにも色々事情があるのはわかってるつもりですが、ウチらも緊急事態ですのでなるべく早い返答をお待ちしております。では」
 龍司はそう言って切った。そして、アニータに渡した。
 沢渡は自分の脳内で勝手に龍司のセリフを訳した
(あ〜これは。「わかったけどよぅウチも急いでっからよう早く返事よこさねぇとボコボコにしちまうぞ!」と言ってる・・・・・・早速幹部連中に電話入れてみるか)
 そして、同時刻。イエヤスが先輩に電話していた。
「さ〜てあっちはどうかな〜。そういや『黒岩ファミリー』で親しいメンバーがいるやついねぇか?」
 と聞いたが、誰も答えない。メンバーの一人が
「龍崎さん。あそこは止めたほうがいいですよ。俺も最近知ったんですが、あそこは元々喧嘩専門じゃないですし。あまり知られていないですけど『黒岩ファミリー』はヤクザの手下みたいなもんで黒岩高校周辺にアンパンとかシャブばら撒いてるグループですから」
 こう答えた。龍司は驚いた。『黒岩ファミリー』の事は良く知らなかったがまさかヤクまいてるとは思わなかった。そして、突然険しい表情でさっきの事を言ったメンバーの胸倉を掴んで締め上げた
「なんでそれ知ってて早く言わねーんだ!!」
 突然の事に何がなんだか判らず、そして恐怖に怯え苦しそうに答える。
「ど・・どうしたんですかゴホッ!ゴホッ!」
 龍司はハッとし、慌てて手を離した。
「悪ぃ」
 龍司は俯いたまますまなそうに謝る。胸倉を掴まれたメンバーは不思議そうな顔をしていた。そして、龍司は座り込んだ。
(そういやあの事は俺とタメのヤツしか知らなかったか・・・・・・)
 薬物の名前を聞いて龍司はある過去を思い出した。
(忘れてたわけじゃねーけど最近忙しいのと練習がキツイせいで考えようともしなかったな・・畜生!はっきり思い出すとあの時の悔しさと悲しさまで思い出しちまう!先輩のもがき苦しむ姿。あの時ヤク撒いてるグループは一つ残さず潰すって決意したのに!調べようともしなかった。鉄ちゃんには悪いけど予定変えさせてもらうか!!)
 龍司は勢い良く立ち上がりメンバーに大声で言った
「皆聞いてくれ!!話したいことがある。知ってるやつももう一回話す。四年前の事件の事だ」
 この事を知ってるメンバーも急に顔が暗くなった。イエヤスもただ事じゃないと判断し急いで「すいません後でかけなおします」といって切った
「俺が一番許せねぇのはヤクだ!あれで俺の先輩が廃人になっちまった。五代目の幹部で皆に慕われてる人だったが、家の状態がキツくてな・・・・・・借金もどんどん増えてってなつい現実から逃げようと思ってた時当時のあるグループのメンバーがシャブを吸わせたんだよ。そして、もう今は見る影もねぇ。俺は時々先輩に会いに言ってるけどな相変わらず無残な姿だ。先輩のお袋さんが一生廃人のままだって泣きながら言ってたよ。」
 一度話を切った。当時のことを知っているメンバーは泣いている。龍司は拳を握り涙をこらえて話を続けた。
「『死神戦隊』絶対の掟はヤクは絶対に禁止。そういうのには関わるなって事は知ってるよな?あれぁーなぁ五代目ヘッドがその先輩の姿見て作った掟なんだ。俺は先輩が正気を保ってるときに聞いたセリフが今でも頭に残ってるんだ。『なぁお前がヘッドになって今よりもっと大きくなったらよぉ絶対ヤクを売るようなグループは潰してくれ。俺は何度も何度もヤクを止めようとした。けど無理なんだ。依存性はタバコなんかの比じゃねぇ・・・・・・一度吸っちまったらもう止めることなんか不可能なんだ。だから頼むよ。俺みたいな奴が増える前に!!』ってな。俺はどうしてもそのセリフが忘れられねぇ。そして、10分後先輩は狂ったように部屋中ヤクを探し回った。俺は必死に止めた。けど先輩は異常だった。俺を警棒で殴りつけた。考えられなかった。そこまで狂わせてしまってたんだ。俺はずっと気絶してた。俺はその一週間後お袋さんにこの事を伝えた。そして、更正させる専門の施設に行った。もう少し早くこの事を言えば一生廃人になんてならなくてすんだかもしれない。俺は自分を呪ったさ」
 ついに龍司も涙を流した。これを聞いたメンバーも全員俯いた。似たような知り合いがいる奴はこの事を知らなくても泣いていた。当時のことを知ってるメンバーの一人が
「あれは仕方ねーんだ!龍司のせいじゃねー!誰だって言いにくいに決まってる!あん時他の先輩は誰一人その事について触れなかったじゃねーか!お前がいなきゃ先輩は絶対に死んでたはずだ!」
 龍司は涙をぬぐいながら再び落ち着いた口調で
「いや、俺がもっと早く言えばよかったんだ。そしたら今頃施設出てたはずだ。それを思うとな・・・・・・どうしても悔しいんだ!そして、先輩が施設に言った次の日俺は当時のヘッドに『ヤクばら撒いてるグループ知ってるんですよね?だったら潰して警察に引き渡しましょう!』って頼み込んだ。だけどその時『死神戦隊』は勢力あったほうだけど今ほどじゃない。それにそのグループのバックにはヤクザが絡んでて手の出しようがなかった。当然俺の申し出は却下された。その時ぁ本当に悔しかった。判っているのに手を出せない悔しさが一番大きかった!俺はどうしても我慢できなかった。死ぬ覚悟で行けば何とかなると思ってた。そん時俺は狂ってたのか躍起になってたのかどっちかは知らん。俺と数人でそのグループに突っ込んでいったけどフクロにされた。中には一生足が使えなくなった奴もいた。植物人間になった奴もいた。俺はヘッドにぶん殴られた。目の前に見えてる敵に全く敵わない悔しさを覚えた!!だから俺は決めたんだ。俺がヘッドになったら『死神戦隊』デカくして、絶対ヤクばら撒いてる糞野郎共一人残らず叩き潰すってな!!なのによう・・・・・・今は俺は幸せだ。いい仲間もいる。将来もある。だからあのときの悔しさを忘れかけていた。そして、今ヤクが出回っているというのに尻尾を出すまでと言ってあまり調べなかった。だからよう俺は決めた。『苦露虎蛇異流』と一緒に『黒岩ファミリー』もぶっ潰す。ヤクザがいようが関係ねー!死ぬ気でいけば銃なんか怖くねー!俺とタメの奴は絶対に賛成だよな!あの時の悲しみと悔しさ忘れてねーよな!」
 メンバーは全員叫んだ
「やってやるぞ!!後ろにどんなのがついようが俺たちにはヘッドがいる!!」
「黒岩なんかぶっ潰してやる!!」
「俺のダチもヤクに手ぇ染めて死んじまったんだ!!敵はとってやる!!」
 ここでアニータが閃いたように龍司に向かって
「龍崎さん!『苦露虎蛇異流』はもしかしたら黒岩味方引き入れてるかもしれませんよ!『死神戦隊』の過去を調べているなら多分その事件も知ってるはず!ヤクを売るような奴は絶対味方に引き入れないとわかってるはずですから!それに奴らはヤクザも後ろにいますし、」
 龍司は、なるほど!と感心した。寅次郎も戒斗も、ほえ〜と感心している。他のメンバーも、さすが!と言う者もあれば思いつかなかったくせに、あ〜俺が言おうと思ってたのに〜とかホザいてる奴もいるさらに淡々とした口調で続ける。
「それに、『苦露虎蛇異流』もヤクザに上納金払ってるって事聞いたことあります。この町はひとつしか組がないので『黒岩ファミリー』と同じ組だと思いますよ。だから同盟組んでる確率は結構高いです」
 メンバーの半数からさっきの勢いが消えうせつつあった。アニータは慌てて
「まぁまぁヤクザがバックにいるからってそうビビルことないっしょ。ヤクザが不良ごときの喧嘩に干渉するわけないっしょ。黒岩が潰れれば他のグループや族に切り替えるだけだと思いますし」
 龍司は拍手した。戒斗も他のメンバーも尊敬のまなざしで見てる。そして、拍手した。それと同時に少し安心したようにも見える。アニータは照れてる。
 その後メンバーの誰かが
「そういえば戒斗とイエヤスは黒岩中でトラジは黒岩中出身だろ?そんでもってトラジは黒岩高に言ったみたいだし。なんか知ってるか?」
 と聞いた。龍司も続けて聞いた。
「そうそう!お前らなんか知らねーか?」
 だが、誰も『黒岩ファミリー』については知る者はいなかった。イエヤスはもう一回知り合いの先輩に電話をかけた。イエヤスの喜んだ顔を見る限りではおそらく了解を貰えたのだろう。イエヤスはガッツポーズをキメ、喜びながら言った
「OKっぽい事言ってました。今からヘッドに相談するそうです。後でまたヘッド自らが電話するらしいので龍崎さんその時はよろしくです」
 龍司はコクッと頷いた。
 寅次郎は思い出したように
「そういや黒岩高にはよくバイクにのった野郎が二三人来ます。多分『黒岩ファミリー』そして、男女数人がやつらについていきます。いつも怪しいとは思ってましたけどさっきの話でわかりました。明日奴等尾行しますよ。」
 と言ったが、龍司とアニータに頭をどつかれた。
「いってー!何すんですか?」
 龍司は寅次郎の頭を掴みながらいつもの調子で怒鳴り声を張り上げた。
「お前わアホか!!見つかったらどうすんだ!?」
 力瘤を見せながら即答で
「やってやりますよ!」
 もう二発龍司とアニータからゲンコツがきた。今度はアニータが呆れたように
「相手はヤク売ってる奴だぞ。監視にも何人か来てるはずだ。そいつらにフクロにされるぞ」
「でもそしたらずっとヤツらのシッポ掴めないままですよ。」
 確かにそうだ。龍司は悩んだ。戒斗が
「じゃあ俺も一緒に」
 ゲンコツが銀色のツンツン頭に二つ落ちた。
 再び龍司とアニータが悩む。龍司は何故かうんこ座り。アニータはロープにもたれた。アニータは軽い口調で
「今日は龍崎さんが俺の味方で心強いっす。いつも龍崎さんも一緒に突っ込んでってしまいますから」
 と言った。龍司は考えるのをやめたようなスッキリした顔で笑いながら
「ハハッ確かにそうだな。鉄っちゃんは鉄っちゃんできっちり作戦立ててるみたいだからな。俺一人で突っ走ったら連携が崩れてしまうからな、たまにゃあモノを考えんと頭が腐っちまうわ」
 と言った。アニータは笑う。龍司も笑う。フランケンも寅次郎も戒斗もつられて笑う事10秒。そして、アニータが驚愕!って表情で
「ハハハッ。ん?ちょいまち。連携ってどゆ事?『閻魔』なんて関係な・・・・・・まさか?」
 龍司は意地悪く笑いながら
「まさか?」
 メンバーは今やっと気づいたらしく戒斗以外(もう知っている)声をそろえて
「「「「『閻魔』と組む!?」」」」
 龍司はうんこ座りからいきなり両手を上に上げて立ち上がった。そして
「その通り!どうだ!最強だろぉぉぉ!!」
 アニータは信じられないって顔で
「あっちはあっちで勝手にやるって訳じゃなかったんですか?大体あの頑固な鉄心さんがそんな申し出受けるわけないですよ」
 寅次郎も
「確かに夢のコンビですけどまず無理でしょ。そんな都合のいいことあるわけないじゃないっすか」
 龍司は寅次郎の顔の前に人差し指を伸ばし
「チッチッチッ。世の中都合よく出来てるんだよ!なんと向こうから組もうって言ってきたんだぜ!今回だけだけど。そんで俺はお前らに相談しようと思って集まらせたんだ。なのに本当の目的忘れて話し脱線して・・・・・・あっ!鉄ちゃんに黒岩潰すことまだ言ってないな。電話しよ」
 そう言ってロープの二段目に腰掛け、ケータイを取り出して電話した。
 アニータはどうやって黒岩のシッポ掴むかを考えてた。だけど、中々いい考えが浮かばない。明日は一応学校だ。今日もだけど、とりあえず出席日数が間に合ってるやつは休んで黒岩高校に待機そして、戒斗は給食食べたらそのまま黒岩高校に向かって寅次郎と共に『黒岩ファミリー』と思われる者と数名を尾行、ヤバくなったら黒岩高校に待機しているヤツに連絡。ヤバイ時なんていうのは絶対にケータイなど使わせてもらえるわけないので、ポケットにデッカイ音のなる玩具のピストルを入れてヤバくなったらそれを鳴らす。結局少し危険だがそういう策になった。
 龍司は鉄心と話してた。龍司はリングの端っこに座り込んでいる。鉄心は機嫌悪そうに
「なんじゃあ?今作戦会議しとったっちゅーのにの〜」
 電話の向こうからエンジンの音が聞こえる。バイクに乗ってる最中か?いつもは車なのに、龍司はそんな下らないことを考えながら
「まぁまぁ聞いてくれ。ちょっとな、黒岩がヤク撒いてるってことがわかったから潰そうと思ってんだけどいいか?ちょっと戦力が半減するけど」
「ふ〜ん。いいぞ。」
 意外とあっさりした答えに龍司は面食らった
「ふ〜んっていいのか?」
「ドアホ!!あのときのことを思い出したんだろ?お前が慕っていた先輩がヤクに手染めてしまったあの事件の事を。どうせワシだけでも十分過ぎるほどの戦力だしのう」
 またもや驚いた。
 そして、龍司はまた何かを思い出して黙った。
(でもそういえばあの時俺は鉄っちゃんにこの事を話したな・・どうすりゃあいいんだ?ってそしたら、強くなればいい!強くなってぶっ潰せばいい!お前一人で無理なら俺も手伝ってやる。って答えたな・・ありふれた答えだけどそのときの言葉は励ましになったな。尽も親身になって相談に乗ってくれたな・・だったら俺も手伝う!龍ちゃんがそんな悔しい思いしてるのに俺だけ黙ってみてるってのはねーだろ!鉄ちゃんも手伝うって言ってるしな!って言ったな。しかもアイツもらい泣きしてたし、ハハッ。そういえば今はアイツ鉄ちゃんの事おっさんって呼んでるけど昔は俺と同じように鉄ちゃんって呼んでたっけな)
 龍司は黙ってる。鉄心はイラつきながら
「オイ!コラァ!何とか言わんかい!!何黙っとんじゃい!!」
 龍司はさわやかな笑みを浮かべ感謝を込めそして、感動したのか半泣きになりながら
「サンキューな!」
 今度は鉄心が黙った。
(なんかえらいさわやかじゃのう気味悪い。)
「なんだよ!何で黙るんだよ!人がせっかく素直にお礼言ったのによ!」
 そしたら、シャッターが開いた。そして、電話からではなくシャッターから
「急に爽やかになったから驚いただけじゃ!!」
 鉄心が何故かシャッターの前に立っていた。後ろにはメンバーが全員揃ってる。クリボーヘイホーキノピオも怪我が軽かったのか復帰している。
 いろいろ友人に電話し、数を集めていたメンバーはいっきにざわめき始めた。色々な声が聞こえる「オイ!なんで『閻魔』のヘッドアイアンハートがここにいるんだよ!」「そういえば組むとか言ってたけど本当か?」「迫力あるな〜喧嘩したらゼッテー死ぬぞ」「バッカ恐ろしい事言うなって」「あっ久利坊がいる!アイツに2000円貸したまんまだったな」など。
 鉄心はまず龍司を見て驚いた。うろたえた様に手を前に出して
「な、なななんじゃあ?お前泣いとんのか?」
 龍司は涙を拭いて
「バッカ泣いてねーよバカ!!」
 と必死だ。こういうときは余計に涙が出てくるものだ鉄心は、照れくさいんだなと悟り。
「誰がバカじゃ!!この野郎!!」
 そう言って鉄心は服を揺らしながら中央のリングがある所まで走った。走ってる途中ケータイのストラップの鈴の音が鳴った。鉄心はロープにグローブがあるのを見つけた。そしてそれを手に取り急いでグローブをはめて龍司にもグローブを渡した。そして、
「バカバカ言った仕返しじゃ!ぶっ飛ばす」
 そう言ってファイティングポーズをとった。泣けてくるときは殴り合いで誤魔化せ!って事だ。泣く事は恥ずかしい事ではない。だけどやっぱり人に見られたくはない。特に親しい人には。さっきのヤクについての話は仕方なかったが感動して泣いたってのを人に見られるのは照れくさく思える殴り合っていれば汗も出る。汗で誤魔化せとそういうことだろう。
「本当に超が付くほどバカだから仕方ねーだろ!」
 内心とても感謝していた。だが、勝負と言った以上本気でやる。そして、何より鉄心には勝ちたい。それに、『ポイズンシャーク』からの返事もまだ後だし『銀星南連合』もまだ会議中だ。まぁ暇だしいっか。そう思い。メンバーに
「たまにはいいか!お前ら暇なヤツ審判やるか三分数えおあっっ!」
「隙だらけじゃのう」
 言い終わる前に鉄心のパンチが顎に入ってた。寅次郎が面白そうにリングに上がって審判になった。
「痛ってーなコノヤロー!!」
 龍司は中央にいる鉄心に左ジャブを三発だした。三発ともガードされた。鉄心も反撃のジャブを2発出す。少し下がりながら避けた。まだ小競り合いだ
「久しぶりだな〜マジでやんの」
「そうじゃな〜死神のメンバーにゃ悪いがのうKOさせてもらうわい」
 

 いつの間にかメンバーは全員応援していた。『死神戦隊』のメンバーは龍司を『閻魔』のメンバーは鉄心を応援していた。いつのまにか皆仲間を増やす事を忘れこの名勝負に夢中になっていた。
 メンバーの歓声が響き渡る中鉄心は怒涛の突進をし、その勢いでパンチを押すようにうった。押すパンチというのは中々効くものではないが目的はダメージを与えるのではなく体制を崩すためだ。案の定龍司は体制が崩れた。後ろに吹き飛び右のロープにもたれた。体が後ろに反るようになっている。
「もぉらったぁ〜!!」
 鉄心はフットワークで龍司の右に回り頭にストレートを放った。だが、龍司は間一髪のところで反った状態から体制を戻し。その勢いで左のフックを鉄心の顎に放った。鉄心は当たると思った渾身のストレートを打って外したところだから勢いで体が前につんのめっている。そこでフックを打たれたのだかわす事は出来ない
「ぐぁっ!!」
 

 鉄心は声を上げて頭をふらつかせた。だが、容赦なく龍司は攻める。右ストレートを顔めがけて放つ。だが、紙一重でかわし今度は鉄心がカウンターの左フックをレバーに叩き込んだ。龍司は苦しむ。レバーは急所のようなものだがなかなか当てるのは難しい。少なくとも作者は空手の試合のとき突きをレバーにあてたことはほんの数回である。そして、当たったとしてもしっかり打っていなければ苦しくなる事はない。つまり的確に!そして、強く!打たなければレバーに打ててもダメージを与える事は出来ない。さらに二人はボクシングのグローブをしているのだ。よっぽど重いパンチでなければ効かないだろう。だが、龍司は苦しむ。効いたのであろう。コーナーを回りこんでリングの中央へ出た。鉄心も追いかける、そして、連続でパンチを放った。10発か15発か、だが龍司は守りに徹していて体を丸めて顔と腹を守っているから有効打は一発もない。


(この痛みが取れるまでとりあえず守って、痛みが取れたら思いっきり攻める)


 龍司は受けながらフットワークを使って左右に移動している。鉄心も追いかけて、パンチを打つが鉄心の右のほうにすぐ移動した。続いて左フックを打つが今度は後ろに下がった。その後正面から四発パンチを放つが龍司は全部よけた。


「うおおおぉぉぉすげええぇぇぇ」
「アリの娘が出演してるあのCMのヤツの避け方みてーだ」
 メンバーからの歓声が沸き起こる。皆夢中になってみている。
 
 
 龍司はそのままコーナーにもたれかかった。鉄心はすぐ追いかけるがすぐに回り込んだ。フットワークに関しては龍司のほうが上らしくすばやい動きで翻弄している。そして、レバーを打たれた痛みはさっきよりよくなったので再び龍司が攻める。鉄心も打つ。激しい打ち合いになった。龍司と鉄心が同時に一発目を撃つ。龍司はかわしたので鉄心のパンチは空を切った。だが、交わしたときに自分の体制も少し崩れたのでパンチには重さがない。体制を取り戻して龍司は続けてボディーにパンチを叩き込んだ。みぞおちの少し下のあたりに四発パンチを叩き込んだ。顔をガードしていたのでガードが追いつかなかったのか最初の二発をまともに喰らってしまった。そして鉄心は痛みのせいでガードが下に下がったままだったので顔ががら空きだ。龍司がそれを見逃すはずがなく顔に連続で打つ。


「「「「ワアァァ!!いいぞおおお!!」」」」
 再び歓声が起こる。


 鉄心はすぐにガードしたが最初の2発はまともに入ってしまった。鉄心の顔が赤くなる。鼻血も出てくる。頭がガンガン響いてふらつく。五発目の右ストレートが来たときなんとか右に避けカウンターの右ストレートを龍司の頭に叩き込んだ。その後鉄心が連続で三発腹を殴る。龍司は腹の痛みをこらえ顔のガードを固めるが。鉄心の体重を乗せたハンマーパンチと腹へのパンチのコンビネーションでガードが崩れる。そして鉄心の懇親のストレートが龍司の顔を捉えた。龍司は鼻血を出し倒れた。鉄心は両手を挙げてメンバーにアピールする。


 『閻魔』メンバーはいっきに盛り上がる。
「よっしゃー!!アイアンハート万歳!!」
「いいぞぉぉ鉄心さん!!アンタは最強だぁぁ!!」
「いよおぉっ!さすが自称銀星町のマイク・タイソンだ!!」
 『死神戦隊』のメンバーは
「立てー!立つんだー!ジョー!!」
「うっせんだよ!!『閻魔』!黙ってろ!!」
「ダブルドラゴンの旦那ー!!負けないでくれー!!」
 一人どさくさにまぎれてあしたのジョーのネタをやっている馬鹿(アニータ)もいたが皆必死で応援する。中には『閻魔』のメンバーに喧嘩売るものもいた。戒斗も必死で
「龍の兄貴!!立ち上がってくれー!!」
 そして、戒斗から少しはなられた場所で互いのメンバー同士が小競り合いをしていた
「あんだぁコラァ!!死にてーのか」
「んじゃっワレェ!!いい度胸してんじゃねーか」
「ウォラァァァ!!」
「うわっやりやがったな!」
 リングの下でも殴り合いが始まる。鼻血を出す者や額を切る者も続出した
 そんななか寅次郎はカウントを取る
「1,2,3・・」
(立ってくれ龍崎さん!)
 寅次郎は必死でそう願いながらカウントをとっている。心なしかテンポが遅い。
 龍司は息絶え絶えといった表情で
「畜生効いたぜ」
 背中がちくちくする。そういや〜ずっとこの畳使ってるからボロボロだな・・・・・・それにしてもウルセーなーあのバカ共。なんか一人一人の声が良く聞こえてくるぜ。アニータのアホはこんなところでもボケてやがるし。このままあぁ眠っちまおうかな・・
 龍司は頭がくらくらする中いろいろ考えてた。
 だけどまぁ皆応援してるし、ここで立たなきゃ男じゃねぇな
「6,7・・」
 エイトのところで再び龍司が立ち上がる。
「ウォォォォォォォ!!いけぇぇぇ頑張ってくれぇぇぇぇ!!」
「やったぁぁ!さすが自称銀星町の徳山昌守だ!!」
 龍司は立ち上がって再びファイティングポーズをとった。鉄心も龍司のほうを向いて
「なんじゃぁまだ立ち上がるんかい?まぁええわい今度こそマット(畳)に沈めちゃるからの〜」
「言ってろ!!」
 寅次郎が二人のグローブを拭いて
「ファイッ」
 

 ゴングがなった。鉄心は前に出る龍司は少し警戒しているのかやや下がり気味だ。ロープに背中が付いたとき鉄心が顔めがけて打つ。龍司は顔を下げてパンチ避けてコーナーからリングの中央へ回りこんだ。そして、鉄心が向き直って攻める。龍司もジャブを打つ。鉄心は少し下がった。龍司の思惑通りだ。けん制のジャブを放って。龍司は落ち着いて考えた。


(どう攻めるかな・・)


 龍司はさっきと同じようにフットワークを使ってリングを動き回った。鉄心は追いかける。そして、パンチを打つが動きながらだと力が入らない。そして、隙が出来たところで顔にパンチを打った。そして、また動く。鉄心は


(なんじゃそんな作戦バレバレじゃ)


 そう思い追いかけるのをやめてリングの中央に留まった。龍司の作戦を見破った。龍司も戦い方を変えた。


(やっぱダメだわな)


 龍司は数で攻める作戦に変えた。高速のジャブを三発。ストレートも入れながら放つ。今度のはけん制用ではないので、鉄心が下がっても追いかける。鉄心も打つ。結局打ち合いになった。鉄心はジャブを顔に喰らいながらもストレートを顔に入れ。フックを再びレバーに打ち込んだ。だが、今度のはあたりが浅く効いていない。龍司は六発顔にパンチを放った。重いハンマーパンチだ。鉄心はガードごと崩そうという作戦だなと判断しガードをがっしりと構えた。だが、顔へのガードが固まったところに鳩尾めがけて龍司は右のアッパーを決める。


 しかしあたった場所は肋骨だった。鉄心は当たる直前に上体を前に出し腹を引っ込めた。鉄心はアッパーを打ってて空いている頭の右側に左のフックを叩き込んだ。龍司は再びふらつく。効いたらしい。


「うおおお!!入ったぞ!!」
「すげー!!あんなん喰らったら死んでまうぞ!!」


 メンバーの歓声が沸き起こる。鉄心は勝利を確信した表情で
「あとで医者呼んでやるけーのぅ安心して沈めや!!!」
 そう言ってさっき龍司をダウンさせた渾身の右ストレートを放った。だが、龍司もそう何度もやられているわけではない。
「あぁ俺が呼んでやるよ!!」
 そう言って鉄心の右ストレートを左手で上に払いのけた。そして、体を沈め鉄心の顎にアッパーを決めた。鉄心の体が少し浮いてマット(畳)に倒れた。今度は『死神戦隊』のメンバーが盛り上がる。


「うおぉぉぉしゃーダブルドラゴン最強!!」
「いいぞぉぉ銀星町の徳山(自称)ー!!」
「うおおおぉぉぉよくやったぞぉージョー!!」
 一人またボケてるヤツ(アニータ)もいるがまた盛り上がった。『閻魔』のメンバーは
「さっきは鉄心さんが勝ってただろ!!」
 『死神戦隊』のメンバーは
「あん?なんだテメエ今は龍崎さんが勝ってるだろ!」
 喧嘩するグループが増える。
 寅次郎が再びカウントを取る
「1,2,3・・」
 鉄心も龍司みたいに
 背中がちくちくするの〜。龍がダウンしたときもこんなんじゃったんか?大体なんで畳なんじゃ?まぁええわ。っちゅーかダウンした時ってなんでこんな無駄な事考えるんじゃワシ。龍司もか?あぁ頭が重いのう
 などと無駄な事を考えてた。頭がクラクラするとなんか普段は考えない事を考えてしまう。
「6、7・・」
 だが、立ち上がった。
「これしきでやられるワシじゃないわ」
「しぶといなやっぱり」
 寅次郎はグローブを拭いて
「ファイッ」
 

 ゴングが鳴った。両者前へ出る。だが、その後もう一回ゴングが鳴った。試合終了だ。ちなみに1ラウンドルールである。寅次郎は
「えーこの試合判定になります」
 この言葉を聞いて全員の頭の上に?マークが浮かんだ。自分で言った寅次郎も、誰が点数数えてんだよ?と。メンバーは一斉に
「「「大場さんが勝ってた!!」」」
「「「いや!!龍崎さんだ!!」」」
「「「ダブルドラゴン万歳!!絶対ダブルドラゴンの旦那だ!!」」」
「「「ふざけちゃいけねぇ。絶対にアイアンハートの親分だ!!」」」
「「「あんだこらぁ!!テメエ等の目は節穴か」」」
「「「あーん?テメエ等ぶっ殺す!!!!いくぞぉぉぉぉ!!!!」」」
「「「やるってんだな!!!だったら容赦しね〜ぜいくぞぉぉぉ!!!!」」」
 こうして大乱闘になった。アニータは誰もいない場所まで避難していた。かわりに寅次郎が下に下りて乱闘に参加していた。
 

 龍司と鉄心は寝転がっている。背中はちくちくするが気にしていない。鉄心は息が荒いまま言葉も途切れ途切れにしながら
「はぁはぁ・・・・・・あいつ等・・・・・・皆・・・・・・アホじゃのう」
 龍司も
「はぁ・・・・・・あぁ・・・・・・皆バカばっかだから・・・・・・な」
「久しぶり・・・・・・じゃのう・・・・・・こんなマジで打ち合うのはのう・・・・・・喧嘩は最後にいつしたんじゃっけ?ワシら」
「三週間前に・・・・・・確か鉄ちゃんが俺んち来た時俺の隠してたAVを唯のアホの机に置いたときだったな・・・・・・あんときゃ無茶苦茶ひっぱたかれたなぁ・・・・・・そんで朝っぱらから喧嘩売りに・・・・・・言ったんだよ俺が」
「確かそうじゃったのう・・・・・・オマエの妹は本当怖いからのう・・・・・・どうなるか楽しみじゃったけーのう・・・・・・その日の夜は楽しみで寝られんかったわい。そしたらオマエ顔中に引っかき傷とそれからビンタの後みたいな手形もついててのう・・・・・・グフッ!あの事思い出したせいと腹に効いたパンチのせいでのう腹痛いわい・・・・・・ハァハァ・・」
「ハァ・・笑いすぎだ!」
 やっと呼吸が落ち着いた二人は思い出話にふけっていた。
「尽の妹もお前の妹と同じぐらい凶暴じゃのう」
「そういえば一週間前戒斗も凄い事になってぜ。なんか喧嘩したらしくてな戒斗の頬に手形があったぞ。それに引っかき傷も結構あったぜ。あと鼻血たらしてたな」
「ガッハッハッハッ似たもん同士じゃのう。」
「ほっとけ。そういやあん時どっちが勝ったっけ?」
「忘れとんのかアホじゃのう。ワシじゃ。正確に言うと喧嘩ド真っ最中にお前の妹が来てお前にビンタ食らわしてのう。その後オマエ引きずって帰ってったわい。しかもワシにゃぁ満面の笑みで「大場君。私のバカ兄貴が世話かけました」とか言ってたかのう。なんかしらんがワシャ怖かったわ。去年の夏肝試ししてるとき墓場で本物の幽霊見たときぐらい怖かったわ」
「そうだったな・・ハハッ」
「お前も大変じゃの」
「つーか口が痛い。マウスピースつけてなかったな俺ら」
「そうだのうしばらく口にしみるもんは食えんのう」
 と、二人が思い出話にふけっているときアニータがひょっこり現れて
「お二人さーん感傷に浸るのはいーけどあのバカ共止めてくれます?」
 ん?と思い二人は転がってリングの下の様子を見ると。まだ乱闘中だった。しかも過半数が倒れている。残っているのは『死神戦隊』は戒斗と寅次郎と他数人。息も絶え絶え。皆ボロボロである『閻魔』は真理雄とクリボーと他数人。真理雄以外はなんとか立っていると言う状態である
「中三のくせにやるじゃねーか!テメー」
 真理雄が言う
「あたりめーだ!伊達に黒岩中の帝王って言われてるわけじゃねぇんだよ」
「俺だってそう簡単にはやられねーぜ!いくぞ戒斗!真理雄はオマエと二人で倒す」
「よっしゃあ!!」
「いい度胸してんじゃねぇか!せめて五人じゃねーと手も足も出ねーと思うぜ」
「「「いくぞぉぉぉぉぉぉぉテメーラー!!!!」」」
「「「おっしゃぁぁぁぁ!!!!かかってこいやー!!!!」」」
 そして、互いのメンバーがまた総当たりの乱闘を始めた。殴る者蹴る者頭突きをする者肘打ちする者一本背負いする者。皆がぶつかり合って凄い騒ぎである。そして、最後に戒斗と真理雄だけである。戒斗は結構タフなので、こういう場面には案外強いのである。
 龍司と鉄心はその光景を見下ろしながら顔を見合わせ、
「はぁ・・・・・・」
 とため息を吐いた後急いで下に下りて止めた。真理雄には鉄心の戒斗には龍司のゲンコツが頭に飛んできた。
「「いってー」」
 二人は声をそろえて言う。龍司は呆れながら
「味方同士で戦力潰しあってどうすんだよ」
 戒斗は頭をさすりながら
「だってアイツ等が先に・・ってかなんで喧嘩したんだっけ?」
 真理雄も頭をさすりながら
「鉄心と龍司どっちが勝ったかもめたんだろ?」
 戒斗は口の血を拭くためにティッシュを口に入れて
「あ?そうだっけ?なんか喧嘩し始めると血が騒ぐっつーかもう楽しくなって理由なんてどうでも良くなっちまうんだよな」
 それを聞いて龍司は戒斗の後ろに歩み寄ってチョークスリーパーをかけながら
「理由がどうでもよくなった喧嘩でテメー等何人怪我してんだよ?無駄な喧嘩はするなっつーの」
 自分こそアイアンハートの兄貴とさっきまでボクシングしてたやん。マウスピースも付けずに殴りあうアレは喧嘩じゃないんすか?
 戒斗はどうも腑に落ちない事があったので締められた体制でも構わず言った。
「ダブルドラゴンの兄貴もアイアンハートの兄貴もついさっきまで殴りあってたじゃないですか」
 確かにそうだ・・っつーか俺等なんでボクシングなんて始めたんだ?まぁいいや。それよりなんて答えよう・・
 龍司は悩んだ。鉄心も悩んだ。しばらく時は止まった。そして、アニータがリングからジャンプして下りて龍司のほうへ近づきながら
「そーっすよ。あれでみんな盛り上がって乱闘になったんすよ。」
 寅次郎もリングから下りて
「でも見ててカッコよかったからいいんじゃないっすか?」
 鉄心は照れくさく笑いながら
「オメエ次ワシとやらんか?」
 と聞いた。寅次郎は慌てて逃げた。龍司はアニータのほうへ向かってアニータの首に腕を回し
「そういえばよーオメー誰応援してた?俺等ん中にはジョーって名前の奴はいないぜ!何テメーさりげなくボケてんだコラ!?」
 アニータは笑顔で
「絶妙なタイミングでしたから」
 と答えた。龍司は締めまくった
「あぎゃぁぁぁぁぁ!!ギブギブ」
 龍司は締めを弱くして
「それともう一つ!テメーなんで止めねーのよ!何さりげなく隠れてんだよ!」
「俺が入ってもどうせ巻き添え食らういますよ。それに喧嘩見るのも楽しいですから」
「あぎゃぁぁぁぁぁ!!ギブギブ」
 再び締めた。アニータの顔がさりげなく赤くなっている。だが、ぎゃぁぁぁぁぁという声が響く中”世界に一つだけの花”の着うたが鳴っていたのに気づいたのは戒斗だ。
「ダブルドラゴンの兄貴?アニータの兄貴のケータイ鳴ってますよ」
 龍司はそれに気づいて手を離した。アニータはハァハァいいながら電話に出た。相手は沢渡である。会議の途中に電話をかけてきたらしい。アニータは電話に出た。龍司は電話に耳を近づけている。
「あ?沢渡?どうよ当然オッケーだろ?」
「いや〜会議中だけどなかなか決まらなくて。反対派も結構いてさ」
 その言葉に龍司とアニータ内心キレてるが我慢している。さっきと同じ手で行く事にした
「龍崎さん。沢渡が代わって欲しいとのことです」
(んげ!さっきと同じ手で来たか!どうしよう。)
「もしもし代わりました龍崎です。先ほど会話が聞こえたのですがなかなか決まらないそうですね。その会議是非私とその隣ににいる大場と兄伊田も混ぜて頂けるとありがたいのですが、ただ大場はこの所イラついてるらしく返答しだいではどうなってしまうかはわかりません。私は平和に解決したいのでどうかいい返事をお待ちしております」
 今のセリフを簡単に訳すと組まないんだったらボコすよ?である。平和に解決したいなどと心にもない事を半分脅し口調で言っている。もうこの時点で龍司はこの話し合いには勝ったようなものだ。龍司は脅すもの沢渡はそれに従うもの。もうすでにそうなっている。そして、沢渡はさっきの言葉を疑った。
(大場?あの一年停学の乱で有名になって『閻魔』のヘッドになってからは『Violence Soldiers』潰して一気に『閻魔』を巨大な勢力にのし上げたあの大場鉄心?まさかね・・ハハハッそんなことあるわけがない。あっ!そうか同じ苗字の人なんだよね。フフフフッきっとそうに決まってるさ!アハハハハそうさ三大勢力の一つ『閻魔』のヘッドが同じ三大勢力のヘッドと一緒にいるわけないさ!そんな事になったら他のグループ全部根こそぎ駆られてしまう。そして、万一手を組まないなんて事になったらどうする?龍崎と大場の二人にリンチにされて一週間紅学の校門に生えてる木に全裸で吊るされてその後足を縛られてバイクで引きずられてそして、その後は・・・・・・アハハハハハッ夢なら覚めてくれ〜誰か覚ましてくれ!!)
 泣きそうな顔で
「分かりました。しばしお待ちを」
 その後沢渡が『銀星南連合』のメンバーに
「オーイテメー等!『死神戦隊』と『閻魔』が組んだらしい。もう同盟組むしかないと俺は思う。下手に逆らったら俺達皆ボコボコにされる」
 『死神戦隊』だけでも恐ろしいのに『閻魔』まで一緒になって俺達と組めって言うのかよ・・
 メンバーは満場一致で同盟を組む事に賛成した。賛成するしかなかった。
「決まりました。たった今。組む事に皆賛成しました」
 龍司はニヤッと笑って。
「そうですか。私も平和的に解決できて本当に嬉しく思います。では自己紹介を私は龍崎龍司と申します。何かと至らない点がありますけど何卒夜露死苦(死語)お願いします」
 すっかり萎縮してしまった沢渡。もうすでに沢渡はヘビに睨まれた蛙である。だが、消えるようなか細い声で自己紹介した。
「私は『銀星南連合』の総長をやらせてもらってます沢渡啓吾と申します。以後よろしくお願いします。」
 鉄心は手でケータイをかせという合図をした
「では大場も自己紹介をしたいと言っておりますので代わります」
 龍司は鉄心に電話を渡した。
(は?マジで?助けてくれ・・・・・・もう勘弁してくれよ・・・・・・泣いていいか?俺)
 鉄心は豪快な声で
「えーっとワシャア『閻魔』っちゅーグループでヘッドやらしてもらっとる大場鉄心っちゅーもんですわ。これから色々世話になると思うからの〜夜露死苦(死語)お願いしますわ」
「私は『銀星南連合』の総長をやらせてもらってます沢渡啓吾と申します。以後よろしくお願いします。」
 さっきと同じセリフを言った沢渡はホッとしている。何とか機嫌を損ねずに済んだようだ。沢渡は
「では作戦会議がありますので」
 そう言って電話をきった
「だーっはっはっはっはっは!!!俺等にびびってるぜアレ。随分ピヨった総長だなーアニータ!!本当に大丈夫か?」
「なんじゃあありゃあ随分とピヨっとるのう!むしろアレは三下だろオマエにもあんな調子なんか?アニータ?」
 龍司と鉄心は腹を抱えて大笑いした。
「俺にだってあの調子ですよ。要するに『弱いやつには威張ってるけど強いやつの前ではおとなしい』っつー一般的なヤンキーっすよ。龍崎さんや大場さん相手ならもうヘビににらまれた変える状態ですよ。でも『銀星南連合』は数が多いので戦力にはなりますよ」
 龍司と鉄心はどっこらせっとと言いながら起き上がった。寅次郎がタバコを口にくわえ鉄心のほおうをむき
「そういえば鉄心さんとこはもう仲間にするグループ決めたんですか?」  と聞いた。龍司も戒斗もアニータも、あ、そういえば聞くの忘れてた。って表情をしてる。アニータも
「そうそう忘れてた。どこ仲間にしようとしてるんですか?」
 と聞いた。真理雄はガッハッハッハと笑い
「何言ってんだよ!俺等ぁもうとっくにそういう事は済ませたわ、鬼塚と鬼頭がな。結構皆鬼塚と鬼頭の事知ってる奴おってな『蛇蠍連合』と『白成連合』はすぐ俺の仲間に引き入れたわ、まぁ奴等は「赤鬼」「青鬼」って言われてるし、結構派手に暴れたらしいからな。そんで今粘ってるのが璧隆大学付属衣ヶ丘第二高校の二大勢力『前田一派』と『霧島一派』だ。お前ら奴等の事知ってるか?」
 皆首を横に振った。龍司が
「よくわからんもんで教えてくれよマリオ」
 真理雄は自分の知識が人に頼られるのが嬉しいらしく。照れながら話した(全部鉄心に教えてもらった)鉄心はまんざらでもない様子で見ている
「まぁ知らんよな。死神のテリトリーと奴等のテリトリーかなり離れてるからな。じゃあ教えてやるよ。璧隆付属ってのはな、銀星町の一番北にある高校でな奴等のテリトリーは銀星町の北地区から隣町の常盤市全部。常盤市では誰もが認める第一級の危険集団だ。そして、奴等のテリトリーは警察でも近づかないらしい。常盤南の派出所なんて落書きだらけだぜ。はっきり言ってこの二つはどっちかでも敵に回すと手ごわいぞ。なんせ璧隆付属は不良の数こそ圧倒的に銀星南に劣るけど質は全然比べ物にならんからな。とにかくこの二大勢力が手を組んだら『死神・閻魔連合』なんての作って張り合わんと絶対勝てないだろうな。この二つ以外にもグループはあるし、単独でいる奴の中にも強い奴はいる。例を挙げると結構前に派出所に落書きしているのを注意した勇気ある警官5人半殺しにした番堂春樹と銀星北にあるゲーセンでドスもったヤクザ数人を素手で殴りかかり半殺しにして全裸にした島原源治、武倉寿のコンビ。極めつけが幼馴染の女友達が無理やりナンパされて犯されそうになったっつって犯そうとした奴等数人が所属する銀星北で勢力のばしていた『紅蓮の牙』と『デスマジシャン』のグループを一人で潰し、今じゃ璧隆付属最強と言われる城戸正宗、通称キッドって呼ばれてる。ヤツは団体行動が嫌いらしくいつも一人だ。強さはヤツも格闘技かなんかやってるらしくウチのヘッドやアンタ等のヘッドにも引けをとらないはずだ。キッドも仲間にしようと思ってるんだけどアイツは気まぐれだしさっき言ったとおり団体行動が嫌いだからな。」
 ここで一息入れた。鉄心はからかい半分で
「よ〜しっとるのう誰に聞いたんじゃ?え?」
 真理雄は
「ウッセーよ!!」
「まぁいい。とにかく奴等が『苦露虎蛇異流』側についちまったら俺等が組んでるといえどもきつくなる。逆に味方に引き入れれば楽勝って訳だ。だが、油断すると逆に潰されるかも知れねえ。俺等は結構奴等とは因縁があるからな『前田一派』と『霧島一派』とは結構何度も争ったけど決着はつかない。そして、一度だけ負け、全員病院行きになったのが『前田一派』に番堂と島原武倉コンビ、そして、キッドが加わったときだ。まぁ金でも使ったんだろうけどな、俺はサシで番堂とやり合ったが、俺が負けた。島原武倉コンビはヘイホークリボーキノピオを一瞬で倒し、他のメンバー10人ぐらいノックアウトしたな。そして、キッドと鉄心との勝負は壮絶極まりない戦いだった。結局最後に立っていたのは鉄心だったけど鉄心はアバラが五本と左腕の骨が折れていた。そして、キッドは頭蓋骨にヒビが入ってたのとアバラが二本折れてた。だからどっちが勝ったのかは実のところわからん。前田は赤鬼青鬼コンビが倒したが、あれも二対一だったからな・・・・・・まぁ組んだのは一度っきりみたいだったからよかったけどな。璧隆付属のヤツが全員銀星南みたいにまとまったらと思うとゾッとするぜ。とまぁそんなわけで〜奴等は敵にすると危険だけど味方にするとこれ以上頼りになる奴はいないってことだよ」
 龍司は驚いていた。そして、ある確信をした
(『閻魔』相手に引けをとらなくてしかも単独で動いてるやつを引き入れたときは負けた?バケモノだらけの学校だな!ってか本当に高校なのか?アニータにビビりまくりのヤツが一番強い銀星南ですら殺人高校だの刑務所高校だの言われてるっつーのに・・・・・・確かに敵にするとゾッとするけど味方にすると心強いな。絶対に仲間にしたほうがいい!)
 とここで戒斗が質問をした
「でもなんでそんな強い奴等が集まるところがあるのになんで銀星町の巨大勢力って言われないんですか?それに銀星でもそんな有名じゃないし」
 鉄心が
「あ〜それなんじゃが。さっきもクッパが言ったとおり奴等は常盤全体がテリトリーっていったろ?銀星北に勢力を伸ばし始めたのは最近の事じゃ。他のグループは奴等の事知ってるヤツ等は常盤の警察や『閻魔』のテリトリーや『死神戦隊』のテリトリーの管轄の警察みたいに見てみぬフリ。知らない奴は挑んでいきあっさり返り討ち。今では銀星北のゲーセンの看板に『璧隆大学付属衣ヶ丘第二高校生専用ゲームセンター他の高校及びグループ使用禁止!勝手に入ったら殺しちゃうよ(ハート) by愛の貴公子キッド』って書いてあるからな。そして、ゲーム機全部に璧隆付属の顔役のヤツ等が自分の名前書きやがったからな!そして、そのゲーセンにはヤクザの勧誘すら恐れてこなくなっちまった。島原と、武倉がボコしてその後日本刀もってヤクザが50人ぐらい来たんだがな、璧隆付属全員が組んで皆半殺しにしちまったんじゃ。ワシはなんで銃もってしかえしにいかんのか?と思ったが、まぁ高校生相手に銃っつーんわプライドが傷つくだろうしあそこは人通りが多いからな。さすがのワシも隣の市の奴等に荒らされるのを見ててだまっとるほど人間出来てねーんじゃ。ヤクザ50人半殺しにはビビったがの。そして、ワシ等とヤツ等はあらそっとる。まぁプライベートでは結構璧隆付属のヤツ等と仲いいときもあるんじゃけどの」
 『死神戦隊』のメンバーと一部のあまり詳しくなかった『閻魔』のメンバーは納得した。戒斗はこの話を聞いて何かを思い出そうとしていた。真理雄がヒゲをいじくっていると電話がかかってきた。相手は璧隆付属の『霧島一派』に同盟の交渉しに銀星北の『璧隆付属専用ゲーセン』行った。鬼塚だ
「俺だ」
 真理雄は期待10%不安90%で電話に出た
「あっマリオさん?ダメでしたわ、ワイズマンが来なかったら死んでましたよ俺」
 真理雄はすまなそうに
「そっか・・ゴメンな・・あんな危険なとこいかせて」
 鬼塚は怒ってはいないのだが怒ったように聞こえる声で
「危険なんてモンじゃないっすわ!トラとライオンが入ったオリにいるような気分でしたよ!!あのゲーセンが第一級危険地帯っつった意味が判りましたわ、入った瞬間いきなり20人ぐらい詰め寄ってきて「なんじゃコラァ!!」「『閻魔』如きペーペーがこんなとこ来てなんだぁ?自殺かコラァ!!いい年してもうこの世に未練がねーのか?」「奥のパンチングマシンなキッドのアホが数値んとこぶっ壊しやがったからよ。オメーかわりに俺等のパンチ力計ってくんない?」とか!!頭にきて殴りかかろうとしたらボコボコにされ殺されるかと思ったところでワイズマンが来て他の奴に「オイテメー等!!宇動にタイマン以外の喧嘩すんなって言われてんだろうが!!またアイツのゲンコツ喰らうか?」とかなんとか言って、それで助かったわけだけど「話をしたいならアイアンハートのオッサンだしな」って言われて・・・・・・まぁ情けない話逃げ帰ってきましたわけですわ」
 真理雄は「『閻魔』如き」というセリフのところで眉間に皺をよらせたが宇動って名前にピンと来たどっかで聞いたことあるような・・・・・・だが、恐らく俺の知らない顔役の一人だろうなという考えに終わり鬼塚に
「そうか・・最初から和泉にあってれば話ぐらいは聞いてもらえたろうに・・・・・・それじゃあ戻って来い鬼頭にも戻ってこいって連絡入れといてくれ。」
 そう言って切った。戒斗はやっと思い出したって顔で龍司に
「ダブルドラゴンの旦那!!思い出しました!!璧隆大付属って尽が通ってる高校ですよ!!」
 龍司は目を点にしマジデスカ?って表情で
「よーっし尽がいるなら尽にいろいろ聞いとこう」
 と言ったとこで
「ん?そういや最強はキッドっつったな?尽より強いのか?まぁそんなわけねーだろうけどよ!!」
 鉄心は
「アホか。尽は不良同士の喧嘩には興味ないっつってるじゃろ?まぁ学校ではいろいろ目立ってるけどのう。キッドと一緒に授業中暴れたり」
 龍司はすぐさま
「ちょっ待て何でそんな事知ってんだ?」
 鉄心はニッと笑って
「校門で待ち伏せしてのぅ生徒一人から制服かりてスパイに行ったわけじゃ。勿論ワシ以外の奴が行ってバレたら即刻死ぬじゃろうからワシだけで行った。だが、一時間でバレたから結局前田ボコして逃げた。ガッハッハ」
 その会話の途中にまたもや戒斗が思い出した!って感じで口を出した
「それと弱小だった『Tiger Snake』に新しく入って一気に銀星南地区で『銀星南連合』と肩並べれるほど勢力を盛り立てチーム名を『ポイズンシャーク』に変えた。あの鮫嶋兄弟も璧隆大付属ですよ。アイツ等は町をバイクで暴走して通ってた車20台を釘バットでボコボコ殴って警察ともめたあの有名な事件のせいで三ヵ月ほど停学喰らってるからこの事知る奴はそういないですけどね。アイツ等は元々兄弟で動くヤツ等だったんですけど。停学期間中暇だったからっつって『Tiger Snake』入って弟の法慈郎がヘッドをいきなり倒してしまったんですよ。そして、その後兄貴の仁平とタイマン張って兄貴のほうが一発でぶっ飛ばしてヘッドになったわけですよ。あ、ちなみに南地区で勢力伸ばしてるのは家が南地区にあるからだそうです。この話は冷事に聞きました」
 と話し終えた後。ふぅ〜と一息ついた。鉄心が
「仁平ってのは通称ジンベイザメって言われてるあの鮫嶋仁平で法慈朗ってのが通称ホオジロザメって言われている鮫嶋法慈朗か?アイツ等も璧隆大付属か・・・・・・まぁ確かにあの兄弟は強いわな。ワシ等にゃ負けるけど。そして、そいつ等との交渉はうまく行ったのか?」
 そしたらイエヤスが
「龍崎さん!仁平さんがOKっぽいこと言ってましたので代わってください」
 といってケータイを龍司に渡し、戒斗の方をむいてピースした。戒斗も親指を立てて手を前に出した。龍司と仁平は顔馴染みらしくタメ口だった。
「よっ!ジンベエ!!正直無理と思ってたんだけどまさかOKか?」
 仁平は普通に
「あぁ。オマエの下っ端・・氏家だっけ?ソイツに色々聞いてなでかい抗争になりそうだから久しぶりに暴れようと思ったわけよ」
「なるほどね・・オメー等そういえばまだ停学?」
「いや〜宿題山ほど出されてな、終わるまで停学解けないんだよ。だから俺の宿題手伝ってくれたら組んでやる。前だってオマエが停学になったとき宿題手伝ってやったろ?」
「何言ってんだよ!テメーその電話したとき無言で切っただろうが!まぁいいや。こっちにゃ優等生のアニータもいるわけだし」
 そう言ってアニータのほうを見た。
「そうかそうか助かたっ・・」
 「助かった」って言おうとしたときガチャって音がして次に違う声が聞こえた。弟の法慈朗が電話を無理に取ったんだろう
「ハロー!!龍ちゃん。俺のも頼むよ!!仁平の奴「俺の」とかホザいてたからな。そしたらどうせ仁平の宿題しかやんねーだろ!!だからたの・・」
 ここでまたガチャッって音がして次に「勝手に取ってんじゃねぇ!!」とか言う声が聞こえた。そして、仁平が
「ま、そういうわけだ。んじゃ!」
 そう言って切った。
 これで体制は整ったぜ!!
 龍司は喜びながら大声で
「よしっ!んじゃ戒斗とイエヤスとトラジは黒岩の尾行。アニータは鮫嶋兄弟んとこ行け。そんでその後は沢渡んとこ行け。そして、俺と鉄ちゃんでもう一回璧隆大付属に行く。」
 鉄心も
「鬼頭『蛇蠍連合』んとこ行け場所は、商店街の先にある潰れた本屋だ。鬼塚は白羽学園の視聴覚室行け。多分そこで吉田はゲームしとるだろう。真理雄は・・まぁ家かえって屁でもこいとけ」
 真理雄は文句アリの表情だった。そして、二人は声を重ねて
「「よし!!解散!!」」
 皆散っていった。早く家に帰りたい奴は家に向かい、それぞれのバイクで岐路に向かった。改造しているのかエンジンのけたたましい音がカエルの鳴き声を見事にかき消していた。やる事なくて家に帰っても暇な奴や親がいない奴、親と気まずい関係にある奴は第二アジトに残ってリングに上がりボクシングをしていた。そして、これから始まる大抗争の準備運動のためなのか興奮が冷めないのか街で喧嘩する奴もいた。
 戒斗は考えていた。何か忘れてはいけない事を忘れてしまっている。そんな気がする。そんな事を考えてるうちに龍司が戒斗の背中に軽くけりを入れて、戒斗が今思い出そうとしている事を言ってのけた
「そーいや戒斗?恵梨菜ちゃんには電話したか?遅くなるって事言わなかったらまた顔中傷だらけになっちまうぜ」
 戒斗はハッ!と目を覚ましたように目を見開いてそれから一気に顔がブルーになった。どうしよう・・・・・・あの糞姉貴にまた半殺しにされる。
 戒斗はケータイをポケットから取り出し恐る恐る姉のケータイにかけた。
 プルルルル・・プルルルル・・
 一回一回鳴るたびに不安になってくる。龍司はそんな戒斗を見て
「なぁ・・一応急な事だったっし俺にも責任あるから俺に変わってくれ・・ちゃんと謝るからさ」
 プルルル・・
 まだ電話には出ていないらしい。戒斗は泣きそうな声で
「いえ・・・・・・どうせダブルドラゴンの旦那の前だと「あっ龍崎さん。どうもウチの弟が世話になってます。え?そんな〜龍崎さんは悪くないですよ〜暇があったら今度遊びに来てね〜」とか言って俺の前だと「アンタ今何時だと思ってんだコラ?死にたい?晩飯?抜きに決まってんだろ?家帰ったらドラゴンスープレックスホールド試させてな」とか言うんですよ・・・・・・」
 そういった直後に電話を取る音がした。戒斗は精一杯愛想良く朗らかに
「もしもし?姉ちゃん?遅れてゴメンすぐ帰るから」
 電話の向こうからは凄みのある声で
「アンタ今何時だと思ってんだコラ!連絡一つよこさずに!この世の地獄見るか?あ?」
 微妙に違っているが大方予想通りのセリフである。だが、秘策があった
「そういえば「死神銭湯」・・じゃなかった。「和みの湯」の入浴剤欲しがってたでしょ?アレ俺の金で買ってやるから勘弁してください」
 「和みの湯」とは銀星南地区の商店街から離れたスーパーの近くに建っている銭湯の事だが、『死神戦隊』のメンバーが入り浸り昼でも入る始末なので、大人子供、老若男女、そして、他のグループの不良も皆近づかなくなってしまった。『死神戦隊』以外の不良がもしこの銭湯に来ようものなら即ボコされてサウナに放り込まれてしまうので、街の人々は皆恐れと畏怖の念をこめて「死神銭湯」と呼ぶ。他にも死神戦隊専用の「死神公園」(元秋原公園)や死神戦隊専用のボーリング場「死神ボウル」(元ラッキーストライク)などがある。何故そう呼ばれるかは上に同じ
「まぁいいや買っといて?んで試したい技だけどさ、ゴー・トゥー・ヘルやらせて」
 殺される・・駄目だ完璧に怒ってる。戒斗は祈るような気持ちで龍司にケータイを渡した。龍司はナンパする時のような優しい声で
「あの龍司だけどさ、恵梨菜ちゃんゴメン。実は戒斗と色々話したいことがあって無理やり誘ったんだ・・戒斗も最初は断ったんだけど引きずって連れて行っちゃって・・・・・・だから戒斗許してやってな」
 精一杯の嘘をついた。多分イチコロだぜ!!龍司はそう確信した。ちょっと言葉の使い方がおかしいが、そして、恵梨菜はさっきとは別人のような口調で
「いえそんな・・龍崎さんに謝られたら私困っちゃいます。そういう事でしたら私許します。今度また一緒にどこか遊びに行きましょう」
 龍司はホッとした。そして、思わぬ誘いに喜んだ。さっきの戒斗に対する口調とプロレス技がどうのこうのという会話から恐らくゴッツイ女プロレスラーのような姿をイメージされたかと思うが、尽と戒斗の妹だけあって顔も超可愛いしプロポーションもモデルみたいにいい。問題は性格と腕っ節だけだ。プロレス技に関して詳しいが、別にレスリングをやってるわけでもプロレスラーでもない。テレビと本を見てそして、戒斗を使って試しているだけである。戒斗がさっき尽にかけたプロレス技も姉譲りの賜物である。だが、龍司には甘えんぼの女の子を演出しているので龍司にとっては性格も問題なしなので龍司は素直に喜びながら
「そうだね。実は俺もうすぐプロテスト受けるんだよボクシングの。それで合格したら合格祝いにパーッとやろうね」
「キャーOKもらったー断られたらどうしようかと思ったわ〜ありがとね。それじゃ!」
 恵梨菜はそう言って電話を切った。龍司も電話を切り戒斗のジーパンのポケットにケータイを入れ込んだ。戒斗はボソッと
「腹黒女」
 と呟いた。龍司は頭をポンポンと叩き
「でも怒るってことはオマエの事ちゃんと心配してるってことだぜ。いい姉貴じゃないか。可愛いし・・・・・・あぁ羨ましい。俺も恵梨菜ちゃんに関節技かけてもらいて〜」
 戒斗はムッツリしながら
「それはどうも。ダブルドラゴンの旦那こそ兄思いの妹を持って羨ましい限りです。あぁそういえば唯ちゃんに今日遅れるって電話しました?たぶん今頃晩飯作って兄の帰りを待っている頃だと思いますが」
 龍司の顔から血の気が引いた。龍司の顔がブルーになった。早速龍司は妹に電話をかけた。どうやらケータイがすぐそばにあったらしくすぐに出た。龍司はさっき恵梨菜と話したときの声で
「よっ唯遅れてゴメン」
 と言おうとしたが「よっ」の時点で
「お兄ちゃんの糞バカ!!!!家帰ったら覚悟してよ!!!!」
「後一時間で帰るから」
「30分以内!!」
 プツッ・・ツーツー
 あぁ俺のイケメンがまた傷物にされちまう・・龍司は絶望に明け暮れていた。
 その頃鉄心は家に帰らないヤツ等の『閻魔』『死神戦隊』共同ボクシングの審判をしていた。だが、素人同士の殴り合いにいい加減飽きてしまったのか、アニータにタッチし、龍司のほうへ行って
「そういえばお前鮫嶋兄弟となんで知り合いなんだ?」
 と聞いた。龍司は「そんなこともしらねえのかよ」って感じの口調で
「そんなん今まで喧嘩しまくったからに決まってんだろ?奴等は鉄パイプ使うとかなり強くなるからな。チーム自体はあの兄弟以外に青山意外強い奴いないから弱いんだけどな」
 戒斗もいまさらながらって感じのないようだが気になっていた質問を思い切ってぶつけた。
「あの〜マジでいまさらなんですけど、ワニ共のメンバーが寅の兄貴をフクロにしたってのは立派な喧嘩の理由だと思いますけどだからってなんでそんなに沢山のグループと組んで戦闘体制になってるんですか?まだ奴等仕掛けてくるかも分からないし、それにアイアンハートの兄貴んとこのもんをワニ共んとこに送り込んで怪我の治療代請求に行ったアレもどうなったんですか?」
 龍司と鉄心は呆れながらも、そういやコイツは中三だし伊集院の事なんて知らないかと、改めて
「あぁ伊集院って男はなとにかく慎重で絶対自分からは行かない奴なんだよ。そして、内輪揉めとか起こったグループにだけ攻撃して潰すっていう非教な奴なんだ。それ事もあろうに三大勢力の二つに攻撃しかけるってことは宣戦布告以外考えられないんだよ。そういや鉄ちゃんとこの奴等どうなった?」
 鉄心は眉間に皺を寄せ
「見張りごとフクロにされてたわ。ゆるせん!!絶対殺したるわあの糞共」
 大きな声でそう言い放った。龍司はしばらく黙った。気持ちは分かる。オレだって一人で乗り込もうと思った。何も言わないほうがいいな・・そう思い黙った。そして、数分後時計を見て
「オイ!そろそろ閉めるから出ろ!!」
 と言った。リングの上にいたメンバーは物足りなさそうにしぶしぶ下りた。そして、影の薄くなりがちなフランケンが中に残り全員出て行った。フランケンは全員出て行ったのを確認すると鍵を閉めて第二アジト見張り専用ベットにはいった。
 龍司と戒斗、鉄心、真理雄、アニータ、寅次郎、イエヤス。皆それぞれの方向へバイクや車を走らせた。バイク組は蒸し暑い夜のせいで風が全然気持ちよくなかった。龍司と戒斗は工場からしばらく進んだデコボコ道で段差を上手く避けながら走っていった。途中で何かの虫の鳴く声が聞こえた。戒斗は何の虫の鳴く声だったのかは思い出そうとしたが、小さい頃に虫を採ったり図鑑などで調べた記憶などとっくの昔に忘れていたので思い出せなかった。商店街のほうからはまだ明かりが見える。
 戒斗は龍司の背にしっかりつかまったままあたりを見渡した。別に意味があったわけじゃなく暇だったし、夜の光景を見るのは久しぶりなのでつい夢中になった。左を見れば商店街の明かり。右を見れば不気味な夜の森。確かあそこで肝試ししたっけな・・そんな事を考えていると龍司もよそ見し始めたので戒斗は慌てて注意した。そして、商店街の明かりが見えなくなり、戒斗の家に着いた。戒斗はバイクから下りてヘルメットを龍司に返して礼を言った。玄関にはバイクの音を聞きつけた姉の恵梨菜とパジャマ姿で欠伸をこいてる兄の尽がいた。
 尽は眠たそうな声で
「おかえりぃお前のメシは俺が全部食っちまったからな。それから龍ちゃん。戒斗に電話かけさせてくれよ。コイツ忘れっぽいんだからさ。んじゃおやすみ〜」
 そうって家に入っていき自分の部屋に入っていった。恵梨菜は怒りながら
「電話ぐらい入れなさいよこの馬鹿!!龍崎さん戒斗送ってってくれてありがとう」
 龍司は優しい声で
「いや。いいんだよ。本当は走らせてやっても良かったんだけど、恵梨菜ちゃんが心配すると思ってね。早く安心させてあげたくて乗せて来てあげたんだよ」
 そして、トドメの流し目攻撃。会心の一撃。
「まぁ。そんな・・」
 戒斗は
(この二人は男用と女用のしゃべり方をきっちり変えてるな。そういえば兄貴もそうだな〜まぁいいや糞姉貴の気が変わらんうちに早く帰って寝よ)
 そう思って龍司に
「ありがとうございました。帰り気をつけてくださいよ」
 そう言ってそそくさと家に入って三秒でパジャマに着替え風呂にも入らず寝た。
 そして、話に花が咲いた恵梨菜と龍司は一時間ぐらいずっと話していた。妹との約束も忘れて・・そして、翌日龍司の顔が引っかき傷だらけに鳴ってしまったのは言うまでもない。

【外伝 ブラックリストブック】へ続く
 

 
2004-04-16 01:01:27公開 / 作者:グリコ
■この作品の著作権はグリコさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
ブラックリストブックってのはある高校の広報委員がこの街のヤンキーについてまとめた本です。その内容を次は書いていきたいと思います。そして、その後【5】に行きます。名前だけ出てきた奴等のプロフィール。さらに推定の強さなど詳しく書いていきたいと思っています
この作品に対する感想 - 昇順
そういえばウチの学校にギャングとかいろいろいたな……(ぇ アニータの過去話はおもしろかったですね。裸にして廊下に放り出す、ああ懐かしい(……!? とは何はともあれ、これらの進展を期待しています!
2004-04-07 10:29:49【★★★★☆】神夜
神夜さん いろいろいますよね〜本当夜うるさくて・・・ん?懐かしい?・・・・・・まぁいいや聞かなかった事に(ぇ これらの進展ですか・・・とにかく忘れっぽい俺は矛盾しないように気をつけていきます。
2004-04-07 14:25:43【☆☆☆☆☆】グリコ
すいません、少し前のワタシもそうです→”世界に一つだけの花の着歌”。だんだんアニータが、人気キャラになってきそう。っちゅうか、アニータにかわされる龍司がウケる!・・・・・・なんて言ってるけど、後半はかなりシリアスな展開でした。いよいよ奴らがバトル・モードにはいってきたようッスね!次回はついに!?
2004-04-07 15:45:19【★★★★☆】卍丸
卍丸さん 俺は今でもです。Eメールだけつい最近さくらんぼに変えたところです。シリアスになっちまいましたね・・・・・・シリアスムードっつーのは苦手なんでボロが出ないうちにいつものムードに戻したいと思います(笑
2004-04-07 21:17:00【☆☆☆☆☆】グリコ
アニータの策士的な魅力が、前面にでてきましたね!力だけでなく、頼れる存在っていうか。これからの展開に期待してます!
2004-04-08 12:26:45【★★★★☆】小都翔人
”デッカイ音のなる玩具のピストルを入れてヤバくなったらそれを鳴らす”って、おいおい(笑)ウケるけど!たしかにスゴイ抗争になりそうだ。それにしてもホントに、アニータ目立ってんね!このところ。
2004-04-08 14:29:28【★★★★☆】卍丸
小都 翔人さん まぁバカばっかになると作者もバカなんじゃないかと思われそうだったので(まぁ実際俺ぁバカだけどさ 卍丸さん デッカイ音のなる玩具のピストル結構効果てきめんなんですよ。俺も運動会のピストルと同じぐらいおおきい音のなるヤツ実際に持ってますよ。結構凄い音なります。というわけでこれを使おうと考えました。
2004-04-09 17:16:05【☆☆☆☆☆】グリコ
気になるところで続きますね。この後の戦いにどう決着が着くのかが楽しみですな!!
2004-04-10 10:01:32【★★★★☆】神夜
神夜さん この後の戦いですか〜まぁついたところで「強くなったな〜お前」「いやお前こそ」ってな感じでストーリーとはあまり関係ないんですけどね。ただここんとこ喧嘩シーンがないのでボクシングで補う事に・・けどボクシングに関しては雑誌とたまーにやる世界戦見るだけの知識しかない俺が書くので下手なボロが出てしまいそうで怖いです。
2004-04-10 11:27:39【☆☆☆☆☆】グリコ
話の展開がいいですね。この後の話が気になります。次回も頑張ってください。
2004-04-11 15:02:35【★★★★☆】フィッシュ
うぉぉ!!最強軍団結成!!イケイケの展開になってきたのぉ〜。やっぱ鉄心は最高だわ。でもけっこう涙もろかったりする、龍司の人間味にもかなり惹かれるね〜。ここにきて、すっげぇとんでもなく冷酷で卑怯なキャラとか出てくると、彼らが更に活きてくる気がします。老婆心ながら(汗)
2004-04-12 08:43:47【★★★★☆】卍丸
ああ、アニータのキャラ最高ですわ(笑 ジョーって叫ぶのがまさに……。勝負の合間の会話も楽しませもらいましたし、いやもうおもしろいですな!あんまり進んでほしくなくこのままゆっくりと進展していってほしいと思うのは自分だけでしょうかね?と、何はともあれ続きが楽しみです!!
2004-04-12 16:23:13【★★★★☆】神夜
ではレス返しを フィッシュさん 話の展開がいいと言ってもらえるとありがたいです。前に書いた事を忘れて変な方向へ向かわないかも悩みの種でしたので。 卍丸さん ええ、ええ、分かりました。卑怯キャラですね。だったら話は早いです。自分が出ます(汗 とまぁ冗談はそれまでにして卑怯に卑怯を重ねたキングオブ卑怯ってキャラは最初から出すつもりだったんですけど、どう生かせるかが分からなかったのでちょっと先送りにしてます。最強軍団揃わせました。けど、多分全員のキャラを生かせる自信がないです。そういえば戒斗。主人公のくせにキャラ薄い気が・・グフッ(吐血 神夜さん あぁ助かりました(ぇ このペースでいいって言ってもらってマジホッとしてます。「ちんたらしとらんで先進めやボケ!」って言われたらどうしようと心配してました。ジョーですか?あれはつい最近図書館に行ったときあしたのジョーがあったので読んではまったので、使ってみました。結構ネタになってますから。でも個人的に「もう立つんじゃねぇ!壊れちまう!」みたいな感じのセリフのほうが多いような気がしたのは俺だけでしょうか?(ぇ
2004-04-12 17:17:48【☆☆☆☆☆】グリコ
初めて読みました〜最初は長いから読むのしんどいなぁと思っていたのですが、一応全ての作品に目を通していく修行をしているので^^;で、気に入ったモノにはこうして作品を書いているのですが、この作品は萌えます!あ、いや燃えます!!ちょっと流し読みしてしまったので、もう一度時間を置いてゆっくり読もうと思っています。続き頑張って下さいね。
2004-04-13 17:37:49【★★★★☆】風
風さん ありがとうございます。やっぱり読みにくいですね・・しかも【4】が超長いし・・一応【4】は作戦会議って感じなんですけど、長くなっちまいましたね。多分もうすぐ【5】になると思います。
2004-04-13 18:06:21【☆☆☆☆☆】グリコ
続々と、ヒトクセもフタクセもありそうな新キャラたちが登場ですね!この後の展開にワクワクしてきますよ!一時、アニータの個性に浮気心を起こしましたが(笑)、やっぱりワタシは豪快な鉄心派です。”生徒一人から制服かりてスパイに行った”ってのが、いかにも彼らしい(爆
2004-04-14 09:12:21【★★★★☆】卍丸
新キャラがわんさか登場!!これからの流れが更に気になります!! ……すごいですね、グリコさん。自分は絶対に三人以上のキャラをメインぽく出して物語を進める、というのができないので、グリコさんの表現力が羨ましい限りです……。っと、これかもどんどん行っちゃってください!!(どこに?ぇ
2004-04-14 17:17:01【★★★★☆】神夜
卍丸さん ヒトクセもあるフタクセもあるキャラが出る代わりに今まで出ていたキャラの影が薄くなるかも・・(汗 まぁそうならないように気をつけます・・でも個性のないキャラは出なくなるかも・・。鉄心ですか。どんどん豪快にいきます。それと、戒斗もちゃんと活躍させます。 神夜さん いえいえ・・・・・・キャラ薄くなってる奴もいますし・・・・・・多すぎるのもよくないですね。それと、新キャラわんさか登場させますが、今回はあまり活躍させません。次に書く続編に使おうと思ってます。
2004-04-15 18:13:15【☆☆☆☆☆】グリコ
恵梨菜ちゃんno
2004-04-16 09:32:00【☆☆☆☆☆】卍丸
恵梨菜ちゃんのキャラも最高だよね。戒斗との会話が可笑しくも、ほほえましいです!それにしても、龍司ってイイ奴だな〜。けっこう狙いがあるにしても(笑今回は人物描写が○です! 『ブラックリストブック』って、めちゃめちゃ気になるんですけど!!また新たな、とんでもないヤンキーが出ているのか!?
2004-04-16 09:45:06【★★★★☆】卍丸
惠梨菜と唯のキャラがすんげえいいですね。こんな姉、又は妹がいてくれたらどれだけ幸せ……なのか?(ぉ そして次回はブラックリストブック、外伝ですね。それもすごく楽しみです!!  あ、『春に〜』の方でも書きましたが、自分の作品はもう使い放題で結構ですよ。面倒ならばほっぽり出しても全然オーケーです。
2004-04-16 20:47:56【★★★★☆】神夜
神夜さん ありがとうございます。実はどうしても使いたかったんですよ。ブラックリストブックってのは後で出てくるキャラの紹介などです。簡単に言えば 卍丸さん 人物描写が○ですと!やった〜やった〜意識した分そういってもらえると嬉しいです
2004-04-17 09:25:45【☆☆☆☆☆】グリコ
計:52点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。