『ラズワイル王国の不思議なおとぎ話』作者:千夏 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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:出会い

草原が風に吹かれている。サラサラという音が、耳に心地良い。
俺の身体は寝転がっているらしい。閉じている目を無理やりにこじ開ける。
日の光が眩しい。目が痛くなってきた。また目を閉じる。
俺から10?ほど離れたところからザッザッと歩く音がする。
どんどん近くなっていく。近く近く・・・。目の前に光が無くなった。
どうやら俺の顔を覗き込んでいるらしい。重たい目をまたこじ開ける。
と、そこには白いワンピースを着た女の人が立っていた。
彼女がなにか言っている。
「どうか・・したのですか?」
どうもこうも無い。ただ家の近くの草原で寝転がっているだけだ。
いや、俺の家の近くに草原なんて無い。ならここは、一体何処なんだ?
彼女がなにか独り言をぶつぶつと言っている。
「やだ・・どうしよう、この人・・。目は開いてるのに・・言葉を発さない・・」
俺はハッして起き上がる。
「スンマセン。ここ・・・何処ですか?」
彼女はビクッとして少し怯えながら言った。
「あ、ここはラズワイル王国です・・けど、どうかしましたか?」
ラズワイル王国・・?何処だ?知らない国に来てしまったとでもいうのか?
「こんなところでお話も難ですので、私の家でお話しましょう」
と言うと、彼女は彼女の家があるらしき方面に歩いていった。
俺も遅れをとらないように彼女に着いて行った。

:彼女

小さな白い四角い家に着いた。ここが彼女の家らしい。
ここに来るまでにいろいろなものを見てきた。珍しいものを、だ。
意味があるのか知らないけど縦に長い建物や、逆に横に長い建物もあったし、
そのほとんどが白か灰色か薄い水色だった。川も至る所に流れていた。
俺が今まで歩いてきた道を回想していると、彼女が言った。
「あの・・どうぞお入りください」
俺が慌てて中に入ると、中は外から見たのより広く感じられた。
彼女が「少しそこの椅子に腰掛けておいてください」と言うと、隣りの部屋へ行った。
5分ほどすると彼女は戻ってきた。俺が「どうかしたんですか?」と聞くと、
「いえ、なんでもありません」と控えめに微笑んだ。
彼女はなかなか美人だった。白いワンピースがよく似合っているし、髪は茶色。
多分、俺の勝手な考えだが、彼女の茶色は地毛だと思う。その茶色の髪は、
肩くらいのところに揃えてある。サラッサラのストレートだ。
彼女は全体的に色白だった。ワンピースから見える腕は細くて、か弱そうだった。
思わず、守ってあげたくなる女性だ。
「あの・・お茶でも入れましょうか・・・?」
俺はまたもハッとして答えた。
「あ、スンマセン!」
さっきから謝ってばかりだ。彼女はそんな俺を見て少し笑った。
「ごめんなさい。・・話の続きですが、えと、あ・・」
「神山時斗っていいます。時斗って言ってもらって結構ですよ。えと、貴方は・・」
彼女はハッというように言った。
「ごめんなさい自己紹介もせずに・・。私はファズといいます」

:ラズワイル王国でのはじまり

自己紹介してから彼女は紅茶を入れてくれた。日本のとほとんど同じものだ。
俺はためらいがちに言った。
「ファズさん、ここってラ・・ラズワイ・・ル?王国なんですよね?」
彼女は首をコクンと縦に振った。俺ははぁ〜と溜め息をついた。
「トキトさんって他国の人・・ですよね?どうやって来られましたか?」
どうやって来たか?本当だよ。俺はどうやってこんな王国来たんだよ。
「あぁー・・信じてもらえないかもしれないけど・・」
俺は諦めつつも言ってみた。
「気がついたら来てたんです」
彼女は俺を見て眉間にしわを寄せて言った。
「やっぱり・・」
やっぱり何を言ってるんだこいつはと飽きれただろう・・。あれ?やっぱり?
「やっぱり!?」
俺は座っていた椅子から勢いよく立ち上がって言った。
「やっぱりってなんですか!?ファズさん!?」
彼女は凄くびっくりしたかの様に、目を丸くして言った。
「あ・と・・・とりあえずお座りください」
俺は顔を赤らめてスンマセンと一言言って座った。
「やっぱりと言うのはですね、このラズワイル王国というのは・・」
ラズワイル王国とは、なんなんだ?
「何かから逃げ出したいと強く願う人が無意識のうちに来てしまう国なのです・・」
彼女は付け加えて言った。
「あ、いえ、もちろん最初からこの国に生まれこの国で育つ人もいますけどね」
何かから逃げ出したいと強く願う・・?俺がいつ願ったというのだ。
でも分かる気がしなくもない。俺は毎日がつまらなくて仕方が無かった。
でもそんなに強く願った覚えはないのだが・・。
「ファズさん、それって強く願わなくても来ることがあるんですか?」
彼女は少し上を向いて悩んでから言った。
「自分では意識してないでしょうけれど、無意識のうちに強く願っているものなんですよ」
そうなのか。でもまぁ、俺はこの国へ来てヤバイとはあまり思わなかった。
「あの・・もし良ければこの家の二階をお貸ししますが・・」
彼女は勇気を振り絞って言ったらしい。確かに帰るまで野宿とはいかない。
ここは彼女の言葉に甘えてそうすることにした。プライベートを大切にするという条件で。
俺の摩訶不思議な生活が明日からはじまる。期待と不安を胸に―       
2004-04-06 12:48:25公開 / 作者:千夏
■この作品の著作権は千夏さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
今回はよくあるおとぎ話ですvv
ラズワイル王国っていう名前は悩みました。。。
ホワイト→ラズ→ラズホワイト→ラズワイト→ラズワイル!って感じに。
アドバイス(きつくない程度)、コメントなどヨロシクお願いします!
あと、誤字もあったら教えてください!!
この作品に対する感想 - 昇順
はじめましてv麗羅(りら)といいます。はじめの方はとても読みやすくていいと思います!それに国の名前や登場人物など自分でつけていて工夫されてますねww続きを頑張ってください♪
2004-04-06 14:32:59【☆☆☆☆☆】麗羅
すいません点数をつけるのを忘れていました^^;
2004-04-06 14:33:30【★★★★☆】麗羅
読ませてもらいました。まず目に付いたのが「・・・」ですね。たまに「・」などたった一つで表すより、「・・・」又は「……」で統一した方が読み易いと思います。物語はまだプロローグっぽいので何とも言えませんが、このラズワイル王国で主人公がこれからどうなっていくのかが気になります。点数は次回入れさせてもらいますので、更新頑張ってください。
2004-04-06 14:34:57【☆☆☆☆☆】神夜
主人公がどこか分からない場所(世界)に来たというのに、少々順応し過ぎではないでしょうか?もちっと困惑しても良かったかなと思います。ではでは
2004-04-07 03:37:38【★★★★☆】rathi
麗羅さん→レス有難うございますvvはじめのほうは表現ちゃんとしてたのに後が微妙でしたね;スンマセン。工夫するのが難しいということが分かりました!応援有難うございますvv 神夜さん→「・」は私の間違いです;スミマセン。。統一したほうが読み易いですか!分かりました!直してみます。応援有難うございましたvv rathiさん→毎回毎回レス有難うございますvvそれもまたその主人公の性格ってことじゃダメでしょうか(汗)ダメですよね。では次から主人公がもっと困惑する出来事を出して見ます。。ではでは>
2004-04-07 16:32:13【☆☆☆☆☆】千夏
計:8点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。