『Golden Eye』作者:星龍 覚羅 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約11.33枚

Golden Eye

Chapter ? 青い瞳と紫の瞳

町の一角に、大きなビルが建っていた。
その地下には、得体の知れない秘密組織がある。
それは、『Night hunter’s』だ。


ミルクティーに、砂糖を六粒一気に入れ、ガムシロップをたっぷり入れた。
「よくあんた、そんなもの入れて飲めるわね?」
半分呆れて、吐きそうな顔をしながら、ミルクティーを見ている、かなり、美人の女性。金色の髪の毛に淡いブルーの瞳がこれまた合っている。
「おいしいんだよ。飲んでみろって」
そんな奴は、お前だけだと、青い瞳の美女に言われそうな、美女に負けず劣らない、美形の男性。美女と同じ、金髪の髪の色にパープルの瞳。
「絶対にい、や」
嫌を強調して、美女が言った。
ピンポンパンポーン
ありきたりな、音が鳴った。
『セリエ・ミルティード、セリエ・ミルティード。社長室へ。繰り返す―――』
「ふぅ。またか」
どうやら、この美女が呼び出された、セリエ・ミルティードらしい。
「がんばれよ。ナイカ」
美男が、セリエに『ナイカ』と言った。呼び名が、ナイカというのだ。
ナイカは、立ち上がって、美男を見下ろす。
「応援する位なら、私の仕事を手伝いなさい。エルシア・ゼルファー」
この美男の名前は、エルシア・ゼルファーというらしい。
「俺は、昨日終わったよ」
「仕事は、いつ入るか、分からないわよ。エド」
苦笑しつつも、凛としている顔。
エルシアの呼び名は、『エド』だ。
「そうだな」
エドもまた、苦笑いをしていた。

Golden Eye

Chapter ? Cat the cat

こんこん
「失礼します」
セリエが、社長室のドアをノックした。
「ナイカ。遅いぞ」
部屋の中に居たのは、またこちらも美形の男性だ。
茶色と金色が混ざり合った様な色の髪の色に、エメラルドの様な深い瞳の色。
眼鏡を掛けているが、その眼鏡が、一層その美形の顔を引き立たせている様な気もする。
「すいません。なんせ、この頃仕事が多くて、疲労が溜まっているので」
嫌味たっぷり込めて、美形の社長に言う。
「その点は、誰にも補ってもらえないんだから、仕方がないだろう。しかも、仕事を効率よく、失敗をしないからなぁ。『Night Cat』は」
『Night Cat』だから略して、ナイカだ。
社長の口が吊り上がった。
「それでは、失敗でもしましょうか?ライディス・マスタング?」
セリエも、口を吊り上げ、笑ってはいるものの、この笑みは怖い。
だが、ライディスと呼ばれた美形の社長は、さっきと同じ口調、同じ顔で、言う。
「それは、困る。だが、ナイカを信用しているから、任せるんだ」
表情が、少し引き締まった。
ナイカが、金色の髪の毛をくしゃと、掻き上げ、口を開いた。
「・・・今日の仕事は?」
ライディスが引き締まった顔をにんまりと笑わせ、ナイカに仕事の資料を渡し、内容を喋り始めた。
「今日の仕事は、ナイカに相応しいよ。―――」








Golden Eye

Chapter ? 夜の猫は夜目が利く

「っとに、ライディーは、人使いが荒いわ。本当に失敗でも、してやろうかしら」
などと、独り言をぶつぶつ言っているナイカは、夜の道路をスクーターで走っている。
ライディーとは、美形社長の事だ。


「ふぅ。着いたわ」
ナイカの目の前には、大きなお社が、ある。美術館かなんかだろう。
「なんて、警備の多そうな所なの?」
腕を組み、何かを考えているようだった。
ナイカは、急に向きを変え、門から離れたところに急に歩き出し、高い塀の所に来た。その高い塀の内側からは、その塀よりも大きい、大きな木があった。ナイカは、その木を目掛けて、太いロープを投げ、
ヒュッ
しゅるるるるる
意図も簡単に、木にロープが結びついた。
ナイカは、身軽にロープをつたって、高い塀を飛び越え、木に飛び移った。
「ん〜。やっぱ、ライディーがいつも言うように、この仕事は、私に向いているのかもしれないわ・・・。はぁ。・・・楽しいから」
ナイカが、そう言い終えると、ナイカのブルーの瞳が、一瞬、金色に光った様に見えた。
この仕事というのは、見るからにして、泥棒だ。
だから、秘密組織の名前が、『Night Hunter』なのか、分かるだろう。日本語に直すと、『夜の狩り』だから。


「この奥にあるのが、金色の仮面ね」
ナイカは、身軽な体をフル活動して、早くも美術館の中に侵入していた。暗い廊下がナイカの金色に輝いている瞳を大理石の床に映る。
「なんで、仕事をする時だけ、目が金色に輝くのよ?まるで猫みたいじゃない?」
ナイカの特殊能力のような物なのだろうか。金色に輝くときのナイカは、性格が変わるような気もする。
金色に輝く瞳は、今日の仕事の代物に近づくにつれ、輝きが増す。
ガチャ
ぱちん
金色の仮面のある部屋を開けた途端、部屋中が光に満ちた。
「―――眩しぃ〜」
部屋の中には、一人の男性が立っていた。
「ナイカ。また会ったな?金色の仮面を盗みに来たのかな?」
美形の男性が金色の仮面を人差し指で回しながら、笑っていた。
部屋の電気の光が、この男の髪にあたり、赤い髪が艶々と色を増した。
「盗みにきたというのは、ちょっと、響きが悪いわね。取りに来たとでも、言って欲しいわ。ウィンス・リーベルさん?」
金色の髪を風が揺らす。
ウィンスというのは、この町『セントラル』一優秀な警察だ。
いつもいつも、ナイカの盗む代物のある所に来ては、ナイカを捕まえようとしているのだ。だが、ナイカもハンターのプロだ。そう簡単には、捕まるはずがない。ましてや、夜の猫と呼ばれていて、猫のように素早いのだから、捕まるはずも無い。
このウィンスが普通の警察だったらなら。
「俺の事を覚えていてくれたのか?光栄だな」
ナイカが、ウィンスの笑顔を見て、顔を濁らせた。
ウィンスの顔が、ライディーにとても似ていたからだ。
「私、時間が無いの。早くしないと、警報装置が起動してしまう。だから、あなたの持っている、金色の仮面を渡して欲しいわ」
「ハンターの君に、この俺が、易々と金色の仮面を渡すと思うか?」
ウィンスが、金色の仮面を壁に掛けた。
「君を捕まえるまで、金色の仮面に触れさせないよ」
ウィンスが、顔を引き締め、駆け出した。
「私は、捕まらないわ」
ナイカが、ウィンスから逃れるようにして、走る。そして、黒いジャケットのポケットから、ロープを取り出し、金色の仮面に向かって投げた。
ひゅっ
金色の仮面に見事結びついた。
「隙あり・・ってね」
ウィンスがナイカに銀色のロープを巻きつけた。
「あらっ?初めての失敗だわぁ?」
「その金色の瞳に、金色の仮面は、さぞかし似合うだろうね」
そう言うと銀色のロープをきつく縛る。
「そうかしら?優秀な警察のウィンスさん」
「―――!」
今まで、ウィンスの持っていた銀色のロープの中に縛られていたはずのナイカが、いなく、部屋の外のベランダの淵に乗っかり、月の光に金色の髪と顔につけた金色の仮面を輝かせていた。
ウィンスが笑った。
「さすがだね。ナイカ」
「お褒めの言葉、嬉しく存じ上げますわ」
金色の仮面を片手で、はずし、ウィンスに微笑んだ。
「それでは、優秀な刑事さん。今度は、捕まえられると良いですね?」
「・・・捕まえて見せましょう」
虚しく床に落ちていた銀色のロープを手に巻きつけながら、ウィンスが言った。


「ふぅ。今日は、一段と疲れたわ」
また、ナイカが、夜も明けそうな空の下に居た。スクーターに乗っている。
金色に輝いていた瞳が、綺麗な淡いブルーの色に戻っていた。




















Golden Eye

Chapter ? 金色の仮面は手の中に

「さすがだな。ナイカ」
金色の仮面を手で動かしながら、ライディーが言う。
「―――ライディー。なんで、私の行く所には、ウィンスがいつもいるのかしら?」
確かに。
ナイカは、よく漫画とかである予告状など、出してもいないのにも関わらず、ウィンスは、ナイカの行く先々にいるのだ。ナイカには、それが、不思議でならない。
「ウィンス?またか?」
ライディーが訝しげな表情になった。
「そして、腕も上達していくのよ。―――このままでは、私、捕まってしまうわ。昨日だって、失敗する所だったんですもの」
不満と不安の入り混じった様にライディーに言う。
「その時は、俺が守ってやるよ」
キラリと眼鏡が光った。
自信満々にライディーに言われ、ナイカは、安心したのか、呆れたのか、笑顔に戻った。
「男に守られるほど、柔では、ないけどね」
ナイカが、いつもと同じ、落ち着いて言う。
「そうだな。ナイカは、Night hunter’s一のハンターだもんな。これからも、じゃんじゃん、仕事をやるから、頑張ってもらおう」
と言いながらにやにや嫌な笑いを浮かべた。
「やっぱり、一回失敗しましょうか?」
目を吊り上げて、ナイカが、ライディーを睨んだ。










Golden Eye

Chapter ? 甘党

一番上には淡い赤色の苺のジェラード。
二番目には、真っ白なバニラのジェラード。
三番目には、黄色のレモンのジェラード。
その側には、砂糖六つ程入ったホットミルクがあった。
「ん〜。しゃーわせ」
エドが、綺麗に色分けされたトリプルジェラードとホットミルクを交互においしそうに食べながら幸せそうな笑みでいっぱいだ。
「よくそんなものおいしそうに食べるわね」
またも、ナイカが、エドを見て吐きそうな顔をながら、ブラックコーヒーを飲み、言った。
「これがまた、絶品なんだよ」
「そんなの、エドだけだわ」
ナイカが、苦いコーヒーを啜りながら、エドに言う。
「食ってみれば分かるって」
「いつも言うように、絶対にい、や!」
またしても、いやを強調して言われたエド。
「食わなきゃ、分かんねぇって」
「バニラと苺なら、分かるけど、なんで、レモンがあるのよ?」
怪訝な顔で、エドに問う。
「バニラと苺の甘さをレモンの酸味で引き立たせるんだよ」
「味が変になるだけ―――」
「いいから!」
ナイカが言い終える前に、ジェラードを三色一緒に口に押し込まれた。
ナイカの表情が、だんだん曇っていく。
「どこが、おいしいのよっ!」
ビルの中に、ナイカの怒声が響き、エドの笑い声が聞こえていた。




The end
2004-04-05 21:45:51公開 / 作者:星龍 覚羅
■この作品の著作権は星龍 覚羅さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
Night hunterのナイカが、猫のように、動き回り、失敗をすることなく盗みを行うという、物語です

初めて書いた小説なので、おかしい部分もあるかもしれませんが、読んでくださると嬉しいです(^^♪
それと、小説友達募集しております。
ので、お友達になってくださる方、言って下さい!
それでは、失礼します.。o○
この作品に対する感想 - 昇順
怪盗系の小説は、初めて読みましたけど、なかなかいいですねー。これからも、がんばってください。
2004-04-05 22:16:40【★★★★☆】ジーク
初めましてw 良いんですか?こんなので?ありがとうございます。これからもがんばります
2004-04-06 18:10:53【☆☆☆☆☆】星龍 覚羅
ナイカ素敵ですね。私も怪盗系の小説は初めて読んだので面白かったです。
2004-04-27 16:30:52【★★☆☆☆】姫乃
ごめんなさいっっ!!間違えました!!↓(点数)↓
2004-04-27 16:31:48【☆☆☆☆☆】姫乃
ごめんなさい・・メッセージこんなにズラズラと・・・どうかお許しを〜!
2004-04-27 16:33:02【★★★★☆】姫乃
計:10点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。