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リレー小説 『エルフ物語(仮)』
05/03/10
00:51:27

紅堂幹人
 地図にも載ってない孤島『シケラエル島』。
 この孤島に住む人達はこの島の事をこう呼ぶが、世界は無人島にしか思っていない。
 それに、とてつもない結界が張られていてそう簡単には入れない。
 そんなシケラエル島には、青々と茂った森が広がり、様々な生命が生きている。
 太陽は森を照らし、森は太陽の光を利用し、木々を育てる。
 木々達は水を生み、水は生命に潤いを与える。
 森に生きる生命は、自然を利用し、恵みを与えてくれる森を神のように崇めていた。
 森の生命の中には特殊な種族エルフがいた。
 エルフは森の生命達と優しく触れ、森の生命達はエルフに親しむ。
 森の中では最高の知恵をもつ生命として崇められていた。

 穏やかな川の向こうに、エルフ達の村がある。
 一人のエルフが、川へ水を汲みに来たようだ。
 金色に輝く長い髪からにすると少女のようである。
 彼女は、水を汲み終わると村へ帰っていった。
 村では、祭りの準備をしているらしい。昼間だというのに、松明の火が見て取れた。
 恐らく、自然神信仰の祭りの準備をしているのだろう。
 水を汲んだ彼女の名はリーナ・リシェリアと言い、今回の祭りでは自然神を奉る役を演じる。
 祝詞を唱え、祭舞を舞い、安全を祈願するのである。
05/03/10
00:51:27

紅堂幹人
 そして夜。自然神信仰の祭りが始まった。
 リーナは、神を現す白衣を着て出番を待ってるようだ。
 神の使い役のエルフ達が踊り終えて、いよいよリーナの出番が来た。
「神よ、どうか私達にお姿をお見せ下さいませ」
 神の使い役のエルフ達が言うと、リーナは、広場中心にある台へ歩き出した。
 月の光が台を照らす。
 リーナが台を上がった途端、リーナは不思議な声を聞いた。
「……リーナよ、民に伝えなさい……災いが訪れようとしている。すべての生命を聖地へと避難させなさい……早く……しないと……災いが……」
 よく聞き取れなかったのだが、リーナは皆に声の事を告げた。
 民は神の御告げだと従い、すぐに森の生命達を聖地へと避難させた。
05/08/19
23:51:49

那都
「災いって……なにが起こるんだろう」
聖地へと避難する道中、リーナは不安になりポツリと呟いた。
「さぁな……」
 リーナの隣にはある少年の姿があった。いや、少年と青年の間ぐらいだろうか。 彼の名はアレン・ドナウン、リーナの幼なじみであった。
「……恐いのか」
 少しの沈黙の後、心配そうにアレンは尋ねた。
「……ううん、私は大丈夫」
 恐がってちゃいけない、自分は今年の神役なのだから……リーナはそう思い、本音は不安だったが隠しひたすらに聖地へと向かった。自分が不安そうにしていたら村の皆も不安がる、そう思ったのだ。
05/11/13
10:04:18

更夜
「追え! お前ら!」
 ブラッドはスカーレット達に指示した。
「貴様ァ! よくも将軍を!!」
「許せん!」
 5人の兵士がブラッドに斬りかかっていった。
「や、やめろ……」
 アレスは必死の思いで声を絞りだしたが、兵士達の耳には到底届かない。
 案の定、兵士達は声をあげる間もなく、ブラッドの力によって切り刻まれた。
「ああぁ……!」
 フェンネルは両手で顔をおおった。他のエルフ達もテントや物影に身を潜め、祈ることしかできなかった。また、兵士達も完全にすくみあがり、どうすることもできずにいた。
 そんな中、ブラッドは躊躇することなく、エトゥリシールに続く森へと歩みを進めていく。
「逃がしはしないよ」
 ブラッドは不敵な笑みを浮かべた。
06/03/04
18:55:46

「アレン!!」
 リーナはその友の名を叫んだ。
 次の瞬間、アレンはブラッドに突っ込んでいった。
 ブラッドは不適な笑みを浮かべたかと思うと、まるで霧のように消えてしまった。

「また会おう、リーナ……」

 ブラッドはその言葉を残して消えてしまった。
 リーナはその場にペタンと座り込んでしまった。
「リーナ!?」
 リーナは顔を真っ青にして、
「あ、あれが……災い……どうしてこんなことに?」
「リーナ? 大丈夫か? とにかく、今は聖地に向かわないと……」
「……う、うん」
06/03/05
11:46:42

「…スカーレット!!」
 クライアはリーナとアレンを庇う様に前に進み出た。
「あーらら。 平気よ、 あんたはまだ殺さないもの。 それにしても、 随分その2人にご執着なのねぇ?」
 スカーレットは深紅の瞳で蔑む様にクライアを見た。
06/03/08
19:45:53

 その建物の中に入ることは禁じられている。
 島の言い伝えでは、「島を救う力を持つ者が現われしとき、聖地に神、降臨し、聖地の封印が解かれるであろう」と、ある。
06/03/24
18:08:49

rdjd
リーナは、胸を張って
「いきましょう。」
といった。
06/04/08
12:41:09

 しかし、クライアは少しも慌てる事なくそららの刃を避けた。
「千里眼は、その気になれば相手の心や動きを読める」
06/04/09
20:34:55

「スカーレット……、ブラッド……島の中央にいる」
 紺色の包帯で両眼をおおった黒髪の男が船から降りてきて、女の名前を呼んだ。
「私が求めてるのはね、血の匂い、悲鳴、肉の裂ける音、血と炎で紅く染まった戦場が、私はだ〜い好きなのよ♪」
「スカーレット……」
 男は、自分を無視してしゃべり続けるスカーレットに、半ば呆れる様に言った。
「わかってるわよ、クライア。ブラッドが戻ってくるまではおとなしくしてろって言いたいんでしょう? ずるいわよね……。島の中央に入れるのはあいつだけなんだから」
 
06/04/16
13:28:55

 黒い船が泊まっている海岸の反対側の海岸に数隻の船が泊まっていた。
 船の頂点には青色の旗に龍の刺繍が施された国旗がある。
 船から誰かが降りてきた。
 茶色の短髪の髪に、青い瞳。甲冑に身を包んだ少女だ。
「…ここが生き残りのエルフ族がいるという島か」
 少女は興味深そうに島の周りを眺めた。
06/04/16
13:28:55

ラッパマン
 リーナは引き寄せられるように、聖地の中央、灰色のピラミッドへと歩み寄った。
 周りにはとても神々しい空気が漂い、島の他の場所とは一味違っているようだ。
 すぐそばで見ると、建造物はこの島を包み込んでしまいそうなくらい大きい。
 今までは小さくしか見えていなかったので、余計にそう感じたのかもしれない。
 リーナは夜風を頬にあびながら、しばらくその場にたたずんでいた。
 だが、まるで独り言のように、頭の中に響いた言葉を唱えた。
「エトゥリシール」
 それは、古来より誰一人として踏み入っていない、偉大な神殿の名だった。
06/04/16
13:28:55




「リーナ!」
 リーナは我に返った。振り返ると、灰色の髪に、口髭をたくわえた男、リーナの父親、ジアンが手を振っていた。
「リーナ! 心配したよ。無事で何よりだ」
「お父さん。ごめんなさい、心配かけて……」
「いや、君が無事ならそれでいい。それより、はやく皆のところに行こう」
 村人達はお互いに持ち寄った食料を分け合った。テントをたて、ここで夜を明かすことになった。リーナとアナベルは二人用のテントで一緒に寝た。
 その晩、リーナは夢を見た。リーナが7歳のときの出来事だった。リーナがいつものように浜辺をひとりで歩いていると、リーナと同い年くらいの少年がぐったりと倒れていた。その少年がアレンだった。リーナは少年の様子を見るやいなや、大急ぎで村の大人達を呼びに行った。
 アレンは村に運ばれた。だが、村人達にはひとつ疑問に思うことがあった。結界の張られたこのシケラエル島に、少年はどうやって辿り着いたというのだ。少年は同じエルフ族だったので、結界の影響を受けなかったのでは、という意見も飛びかったが、不安になった村人達は、今年の祭りの自然神を奉る役、神子役を務めるリナリアという女性に神の御告げを聞くように頼んだ。その女性は、リーナの母親だった。

『その少年はこの島の運命に深く関わる者……選ばれし者……神子の剣となる者』

 その神子が今年の神子のことなのか、来年の神子のことなのか、はたまた再来年の神子のことなのかは御告げにはなかった。
 その後はアレンは子供のいなかったドナウン夫妻に引き取られた。

「お母さん! アレンもね、エトゥリシールの昔話が聞きたいんだって♪」
「……こんにちは」
「あら。こんにちは、アレン君。じゃあ、今から話してあげるわね♪」
06/04/16
13:28:55




 そこでリーナの夢は途切れた。テントの中で目が覚めると、涙が頬を伝うのがわかった。
 リナリアはもうこの世にはいないのだ。リーナが12歳のとき、森に行ったきり帰ってこなかった。もう4年になる。
 リーナは涙を乱暴に拭うと、テントの外に出た。
06/04/16
13:28:55

 ちょうど日の出の時刻だった。
 聖地のエトゥリシールが朝日を浴び、不気味な光沢を放っていた。
 リーナはまだ涙が止まらなかった。
「どうした? リーナ……」
 アレンもちょうどテントからでてきたところだった。
「アレン……」




「お母さんの夢を見たの……それで、お母さんがいなくなったときのことを思い出してて……」
「そうか……」
 ふたりは近くの切り株に腰掛けていた。
「ねぇ、アレン」
「?」
「エトゥリシールの昔話って、覚えてる?」
「リナリアさんがよく話してくれたな……」




06/04/16
13:28:55

ラッパマン
 リーナは、最愛の母リナリアが歌った歌の一つをゆっくりと暗唱しはじめた。
「『その力、限りなく世にそそがれよ。その焔、闇の狭間を照らし出せ。その光、永遠にこの大地に降り注がれよ。エトゥリシールに集いしは、神々の力の結晶。炎。光。命の源。故、踏み汚してはならぬ。
聖なるバルゴアル、癒しのセルファサル、信仰のシケラエル、血塗れのラギレウル、力のゼラドウルよ。
掟を破る者に制裁をあたえよ。
多いなる神の鉄槌を受け、悪しき獣よ、闇へとかえれ。』
確か、続きもあったんだけど、覚えてる?」
06/04/16
13:28:55

 そのとき、リーナはとてつもなくおぞましい悪寒を感じた。脳裏からはいずり出るように、あの「血濡れのイーストウッド」の顔が思考を埋めつくした。全身から一気に血の気が引くようだった。
 リーナは切り株から立ち上がって、辺りを見回した。
「リーナ?」
 リーナの異変に気づいたアレンも、切り株から立ち上がった。
(あいつに見られていた? まさか……―――)
 リーナはブラッドが最後に言った言葉を思い出した。

「また会おう、リーナ……」

「皆に……知らせなきゃ。嫌な予感がするの……」
 リーナはアレンの返事も聞かず、アレンを置いて、テントのほうに戻って行った。
06/04/16
13:28:55

 聖地には島に住むもの以外、入ることはできない。ありえないことなのだ。今は一刻もはやく、皆に災いのことを伝えなければ。リーナは心の中で何度もそう言い聞かせた。
06/04/16
13:28:55

「クライア、どう?」
 スカーレットは船の見張り台に立つクライアを呼んだ。
「……奴らが動き出した」
「ふ〜ん。さすが、〈千里眼のクライア〉ね。それにしても、先を越されちゃったわね、ブラッド」
 スカーレットはブラッドの方に向き直って言った。
 ブラッドは不適な笑みを浮かべて、
「フリーデンの連中のやることだ。あの人間共に何ができるっていうんだい?」
「ブラッドの言う通り……」
 がっしりした体格に黒い髪に真紅の瞳の長身の男が言った。
「奴らなど障害のうちに入らぬ。問題は……」
「エトゥリシールのふたりの申し子……」
 車椅子に乗った灰色の髪の少女が言った。
「彼らがいい伝え通り、エトゥリシールの聖獣達をあやつれるとしたら……、簡単には殺せない」
 声色は少女そのものだが、その真紅の瞳には、何か別のものが宿っているように見えた。
「アレンとリーナ」
 ブラッドは楽しげにつぶやいた。
「あのふたりを殺せば、僕らの野望は達成される」



 見張り台に立つクライアからは、聖地の様子が感じ取れた。
 リーナがエルフ達を集め、何かを伝えている。そのリーナのそばにはアレンがいた。
「アレン様……」
 クライアは独り言のように、アレンの名をつぶやいた。
06/04/16
13:28:55






「聖地にはまだ着かないのか?」
 男勝りな口調でその少女はつぶやいた。
 シケラエル島のうっそうと草木が茂る森の中を、甲冑を身に着けた兵士達がぞろぞろと行進していた。その中で唯一の女性、茶色の短髪に青い瞳の少女がいた。
「もう弱音を吐いているのか? アテナ」
 アテナのすぐ隣りを歩く青年が言った。
 黒い髪に、アテナと同じ青い瞳、凛とした雰囲気の青年だ。
「弱音を吐いているわけではない! それよりネブロス。少しペースが下がっているんじゃないのか?」
 そういうとアテナは、ネブロスを早足で追い抜いて、前へと進んでいった。が、ネブロスもすぐに追いついて、
「兄貴を呼び捨てにするなと、前にも言っているだろう! 大体お前はいつもそうやって意地を張るよな。子供のときからそうだ! 成長していない証拠だぞ!」
「うるさい!バカ兄貴! いつも思ってるんだけどなぁ、あんた口臭くせぇんだよ! そんなんだからモテねぇんだよ!」
 アテナはさも臭そうに鼻をつまみながら言った。
「お前に言われたくねぇんだよぉぉぉ!」
 ネブロスは青筋をたてて怒鳴った。
 兵士達の見ている中、兄妹喧嘩はデッドヒート。兵士達は、ふたりが将軍の子供というだけあって、口をはさむことができずにいた。あの兄妹を止めることができる者はいないのか、と誰もが思ったそのときだった。
「お前らぁぁぁぁぁぁぁ! 軍の規律を乱すなぁぁぁぁぁ!」
 兄妹に鉄拳制裁が下ったのは、その怒鳴り声が聞こえた直後だった。
 薄茶色の髪にあご髭を生やした中年男性。ふたりの父親であり、この隊の指揮をとる将軍、アレス・デュバルだった。
「まったく! お前ら兄妹は。どうしてそう幼稚なんだ! 恥ずかしくないのか!?」
「だって父上! このアホが……」
「このバカが……」
 アテナとネブロスはお互いを指差しながら言った。やっぱり幼稚だ。
(我が子供ながら情けない……)
 アレスはそう心の中でつぶやくと、大きなため息をついた。そして、ふたりを睨みつけて言った。
「お前ら。今度そんな軍人らしからぬ行動をとったら、減給だぞ。減給!」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
 ふたりはさも不満がありそうな声をあげた。
「アレス将軍!」
「どうした?」
 兵士のひとりが、前方を指差して言った。
「聖地が見えてきました!」
06/04/16
13:28:55

ぽぽぽ
「なに!よし、よくやったぞ!」
甲冑をガチャガチャ言わせながら、アレス将軍は部隊の先頭へと走った。
「おお、素晴らしい。なんと素晴らしいんだ。私が幼いころから求めていた力が、あそこにはある!よし、お前ら、進め!」
「いわれなくともさ」
アテナとネブロスが声を合わせて言った。


「ブラッド、行動を起こせ。人間共を聖地に近づけるな。」
<千里眼のクライア>が言った。
「あん、なんでだよ。いきたきゃあテメーがいけっつうの。大体、人間なんて敵じゃないだろ。」
「こら、ブラッド、あなた、それでも血塗れのラギレウルの力を受け継いだつもりなの。用心には用心を重ねなさい」
06/04/16
13:28:55

 スカーレットは厳しい口調で、ブラッドをたしなめたが、表情は笑っていた。
「で、どうするの? クライア。……あら?」
 スカーレットが見張り台の方を見上げると、そこにはすでにクライアの姿はなかった。
「行っちゃったみたいね……」
「ねぇ、ブラッド……」
 灰色の髪の少女が言った。
「クライアは、カルミアの従者だったんでしょう? あいつはきっと私達を裏切るつもりだ」
「確かに、君の言ってることは正しいと思うよ、ローゼ……。だが、ひとつだけ、間違っていることがあるよ」
「?」
「あいつはもうすでに裏切り者さ。グリムザの一族の血を引いていながら、あいつはあの女を選んだ! 忌まわしいエルフの血を引いた、あの女を!」
06/04/16
13:28:55








 聖地に集まっているエルフ達は、リーナから災いのことを知らされ、皆、動揺していた。
06/10/07
17:24:30

ぽぽぽ
「災いとは何だ!神は我々を見捨てたのか?」
「まさか、そんなはずがあるかよ」
動揺する民を落ち着かせるために、リーナは声を張り上げた。
「みなさん。大丈夫。シケラエルの結界はとても強力です。なかでも聖地は最も強力な場所です。それに、もし災いが起こっても、神様はきっと私たちを守ってくださるでしょう。」
民は落ち着き、静まり返った。しかし、心には大きな不安が取り巻いているに違いない。みんなを安心させるため、リーナは言葉を続けた。
「今夜は、ここで枕を共にしましょう。共に祈り、心を一つにあわせるのです。神はきっと、祈りにこたえられるでしょう。」
06/10/07
17:49:07

ぽぽぽ
 真夜中
 聖地では焚火を終えた跡の煙が上がっており、みな、毛布を被って深い眠りについていた。
 聖地の中央、エトゥリシールの近くに、リーナがただ一人立っていた。
 これから起こる災いのことばかりが頭をめぐり、全く眠気がしない。
 おそろしい血塗れのイーストウッド、動揺する民、これからおきるであろう恐ろしい災い、そして、その中で自分がほんのちっぽけな力しかもっていないこと。
 木々の間から吹きつくやさしい夜風も、今は彼女の心を癒さなかった。
 ひとつの人影があった。
 全く気配のないその影は、ゆっくりとリーナに近づいていった。
 影の足が小石にあたり、わずかに音をたてた。
「誰」
 リーナは振り向かずに言った。
 というよりも、恐怖で振り向けなかった。
 後ろから来る者が、あの血塗れのイーストウッドだったら・・・
「そんなに怖い声をださなくてもいいよ。リーナ、僕だ。アレンだよ」
 やさしいその声に、リーナの不安は一気に吹き飛んだ。
「アレン!もうっ、おどかさないでよ!」
 そういって、リーナは近づいてきたアレンにだきついた。
 アレンも彼女を抱きしめると、やっぱりやさしい声で問いかけた。
「どうしたの?もうこんなに遅いのに。ちゃんとねなきゃ、体に悪い。倒れるかもしれないじゃないか。」
 リーナは、安心のあまりに泣いていた。こんなにも優しい友がいてくれることに、涙をながした。
06/10/07
17:59:55

ぽぽぽ

 一方、聖地までもう少しというところまで迫った森の中では、甲冑をまとった兵士たちが眠っていた。
 おきているよう命じられた見張りでさえも、この森の居心地のよさにいびきをたてていた。
 一同をまとめる将軍は、後継ぎであるアテナとネブロスの寝顔を見つめながらしばらく起きていたが、やがてウトウトと眠り始めた。
 夢の中に入る直前、アレス将軍は、低い男の声を聞いた。
「貴様らには渡さぬ。あの力は貴様らのものではない。私たちのものだ」
 すっかり眠りについたアレス将軍をしばらく眺めながら、クライアはキャンプを立ち去った。
06/10/08
16:04:56

ラッパマン

 海岸では、ブラッドが海鳥の血を啜っていた。
 その隣にはスカーレットがひざまずき、ペンダントのような物を両手でしっかりと握り締めている。
 大きな波がおこり、しぶきが二人にふりかかり、月が雲に隠れてゆく。
 次の瞬間、スカーレットはペンダントの先で、自分の指を傷つけた。
 どす黒い血が指をつたい、ペンダントにかかる。
「我らが支配者ラギレウルよ。血塗れの名をもつ者よ。血の契約をここに交わす。我らを裏切りし者、カルミアの従者に裁きを与えよ。汝の力を受け継ぎし者、このイーストウッドに、さらなる力を、裏切り者を滅ぼすための力を与えたまえ!エダ・ドルバレス・シダ・ラギレウル!」
 突然、まるで血を注がれたように、空が紅く染まりはじめた。
 そして、空から放たれた邪悪な紅い雷が、ブラッドを打った。
 ブラッドがゆっくりと立ち上がる。
「ごくろう、スカーレット」
06/10/08
17:45:14

 ブラッドは満足気に微笑んだ。
「これでラギレウルの力は僕のもの……。そうだよね?ラギレウル」
 その言葉に反応するように、ブラッドの影が紅く不気味に光った。





 リーナはその夜、また夢を見た。
 リーナは真夜中、エトゥリシールの前に立っていた。
 エトゥリシールの入り口に、白い人影が見えた。真っ白な服に、金色の長い髪。ひとりの女性のうしろ姿が見えた。その女性は詩を暗唱していた。



剣の青年は真実を知る
槍の乙女は神を知る
エトゥリシールの血に濡れし獣
グリムザの青年に捕らえられ
彼の中で力を止める
槍の乙女
剣の青年
一族のためにエトゥリシールへと



 そしてその女性は、エトゥリシールの中へと吸い込まれるように入っていった。
 その夢はとても鮮明なもので、何故かその女性の声は、ひどく懐かしいもののように思えた。
06/10/08
21:58:41

 朝日が昇り、アレンは目を覚まし、テントの外をのぞいた。
 外を見てみると、近くの木陰で、ひとりの老女とジアンが何やら真剣に話しこんでいた。
「あれからもう、4年が立つのですね……」
 彼女はこの島のエルフの長老、フェンネル・リベラ。
 フェンネルは静かな口調で、どこか遠くをみるように言った。
「ええ。リーナも大人になりましたよ……。リナリアのことでは、寂しい思いをさせましたが……」
(何の話をしているんだ?)
 アレンはじっとふたりの会話を聞いていた。
「彼女は島の神子として、充分に役目を果たしてくれました。島のためとはいえ、あなたとリーナには申し訳ないことをしてしまいました……」
「もう、いいんですよ。でも、リーナにはいつか話さなければならない。リナリアのことを……」
「ジアン。これは私の予感にすぎないのですが……」
「何か?」
「あの子は、リーナは、近いうちに、この島から旅立ってしまうきがするんです……。だから、今のうちに伝えるべきだと思うのです」
06/10/08
23:54:51

ラッパマン
「だが、本当に大丈夫かね? なにしろ……」
 その時、聖地の端の方から、ものすごい雄叫びが聞こえてきた。
「進め!進めえ!我が無敵の精鋭たちよ!」
「なんだなんだ!?」
 アレンは、テントから大急ぎで飛び出した。
 同時にテントからとびだしたエルフも少なくなかった。
 聖地の端、西の森にほど近いところに、甲冑に身をまとった兵士が数十人ほど、こちらに向かってくるのだ。
 空には、赤い背景に黒の紋章が描かれた軍旗があがっている。
「アレンッ!」
 リーナが何事かという顔をして、こちらに向かってくる。
「リーナ!あれは一体……」
そうしている間にも、兵団たちは聖地に近づいてきた。
06/10/09
21:27:20

ラッパマン
 フェンネルとジアンが、兵団の方へと走っていった。
 アレンとリーナは二人を追いかけた。
「フェンネルさん、ジアンさん、なにをやってるんですか。奴らは武器をもっているんですよ!」
 アレンが叫ぶ。
「大丈夫だ。交渉の余地はあるだろう。」
 ジアンはそういって、若者顔負けの足の速さで駆けて行った。
 しばらくたってから、リーナがアレンに聞いた。
「ねぇ、アレン。あれって、まさか……」
「ブラッド・イーストウッドに関係しているかって?」
「うん、私、なんか嫌な予感がして」
「それは僕も同じだよ、リーナ。とりあえず、あいつらが何者なのか、探りにいってみないか」
「うん、そだね」
 リーナの嫌な予感は増すばかりだったが、何もしないよりはマシだろうと自分に言い聞かせると、アレンの後に続いた。
06/10/09
22:02:29

ラッパマン
 聖地と西の森の境目では、フェンネルとジアンの二人が、厳めしい甲冑に身を包んだ兵士と向き合っていた。
 兵団の先頭に、リーダーらしき男あご鬚の男が、ものすごい形相で二人を睨んでいた。
「我々に道をあけろ、先住民ども」
 あご鬚の男が、地の底からわきあがるような低い声で言った。
「道を開けるだけなら我々も喜んでやるぞい。しかし、それだけではなかろう。こんな孤島のこんな奥地までようこそ。一体なにをしにきたのかね?」
 フェンネルも負けずに言い返した。
「老いぼれババアと愚かな先住民共には関係のないことだ。どかねば力ずくでも切り開くまで。」
 あご鬚の男が腰から剣を抜く。剣先に光が反射し、あやしくギラリと光った。
「まったく、野蛮人どもめ。悔いはないぞい。殺して神罰をうけ、罪の重さをしるがよいわ」
「それはありえぬなぁ。このわしこそ、神の力を統べる者なのだから!」
 そういって、男が剣を振り上げた。
「やめて!」
 リーナが両手を広げて、フェンネルと男の間に入った。
「!!」
 男の手が一瞬止まった。
 しかし、次の瞬間、剣は振り下ろされた。
 リーナが目をつぶると同時に、激しい金属音が響く。
「リーナには……ふれさせねぇ……」
 リーナの目の前には、短剣を握り、男の剣を防いだアレンの姿があった。
「この民全員、俺の命の恩人だ!傷つけさせて、たまるかってんだ」
 アレンが、男の剣を押し返した。
「ふん。ここの先住民どもは皆、自分がどういう立場か分からないらしい。死をもって、わからせてやろう」
 男とアレンが再び剣を交えた。
 だが、アレンの短剣はいとも簡単にはじかれ、アレンの右手からは真赤な血が流れ出ていた。
「アレン!」
 リーナが叫ぶ
 アレンがひざまずく。
 男が切りつける。
「クソ……」
 再び、激しい金属音が響いた。
「お遊びはそこまでだ。アレス・デュバル君。初めまして。いや、君には昨夜あったかな」
06/10/10
15:32:54

「貴様は! グリムザの者か……?」
 次の瞬間、アレスの剣ははじかれた。
 紺色の包帯で両眼をおおった、黒髪の男がアレスの前に立ちはだかっていた。
「だ、誰だ……お前は?」
 アレンはその男の背中に問いかけた。
「私はクライア・シアラー。あなたの母親、カルミア様の従者です」
「!……か、母さんの?」
06/10/10
19:30:33





「クライア。どうか、あの子を、アレンを連れてここから逃げて下さい!」
「できません! カルミア様を置いていくなんて……」
 アレンはドアの向こうから、夜の船室にいるふたりの会話を聞いていた。
 クライアは金髪のエルフの女性と言い争っているようだった。
「私は、シケラエル島の神子として、責任を果たさなければ……。私がハイマの思惑に気づいていれば、こんなことには……、私は一族全体を危険にさらしてしまった」
「全てあなたが悪い訳じゃない! 決着は私がつけます!」
「それじゃだめよ! あなたは関係ないじゃない!」
「そんなこと……!!!」
「お願い、クライア! あの子を私の代わりに守ってあげて!! 私はアレンに幸せになってほしいの!」
「カルミア様はアレン様の母親ですよ! あなたのいない幸せなんて……」
「私だって、そんなことはわかってる!!」
 カルミアは声を荒げ、翡翠色の瞳に涙をためながら怒鳴った。
「あの人は、ハイマは、アレンを殺すつもりよ! エトゥリシールの申し子は、剣の青年となる者はふたりもいらないからっっっ!!」
「あなたとハイマ様の息子ですよ?」
「アレンはエルフとしての血を多く受け継いでいるのよ。あの人にとって、アレンは邪魔な存在なのよ……」
 カルミアはかすれた涙声で、今の状況の虚しさを訴えた。
「そんな……」
「……クライア。今まで、エルフの私に従者として使えてくれて……、ありがとう」
「……カルミア様」





 アレンは大型船から、クライアと一緒にボートに乗り移るとき、何も言わなかった。きっと、船に残るなどとカルミアに言ったら、また泣き出すと思ったからだ。
「アレン。気をつけてね……」
「……うん」
「……ねぇ、アレン」
「え?」
「アレンは、もう7歳になるのよね?」
「……うん」
「そうよね……」
 アレンには、その後に、「まだ、7歳なのよね」と、カルミアが小声で言ったような気がした。
 アレンは母の悲しすぎる表情を見るのが辛かった。
 夜の海はなんて暗いのだろう。海に出たら、あの黒い波に引きずりこまれてしまいそうだ。
 アレンは不安な気持ちでいっぱいだった。
06/10/11
10:10:02

「カルミア様、アレン様。そろそろ、ボートを降ろします……」
「ええ、お願い……」
06/10/15
19:25:03







「あれがカルミア様の言っていた、シケラエル島ですね」
 夜の海をしばらく渡っていくと、ひとつの島が見えてきた。
「アレン様、もうすぐ島に着きますよ……」
 アレンはクライアの問いかけにには答えず、船の方をじっと眺めていた。
「ねぇ、クライア……」
「?」
「母さんに……、また会えるよね?」
 無機質な言葉だった。
 質問せずとも、悪い方向に答えが向かっているのはわかっていた。
 指先が震える。こらえられない感情が、涙となってあふれそうだった。
「アレン様……。カルミア様は―――」
 クライアはその時、海のどこからか、詠唱の断片が流れてくるのを聞いた。
(詠唱術……!?)
 クライアはすぐさま「千里眼」で船を見た。
 黒いマントをはおった詠唱師がひとり。詠唱術を放とうとしている。
 そうこうしている間にも、詠唱が終わろうとしていた。途切れ途切れに聞こえてくる。
「天空の……鼓動……。大地の裂け目に……神よ。……の海を司る……、弧月の元に集いし生ある者を、破滅へと導け!」
「アレン様!伏せてください!!」
「!?」
 轟音と共にボートは真っ二つに割れ、吹き飛び、クライアとアレンは海に叩き落された。
06/11/04
18:28:24

ラッパマン
 クライアは、とっさに砕けたボートの破片にしがみついた。
 しかし、アレンを見失ってしまった。
「ぐぐ…くそう、アレン様」
 クライアは必死で叫んだが、黒い波音と風音に掻き消されてしまった。
 クライアは冷たい波をかぶりながらも、必死でアレンの名を呼び続けた。
 その時、クライアの頭上から声が聞こえた。
「叫んでも無駄だよ、クライア殿」
 クライアが千里眼で見ると、小型の漁船があった。次の瞬間クライアの体は宙を舞い、船の甲板に叩きつけられた。
 甲板には、一人の大男が立っていた。黒いマントで体中を覆い、どうやら千里眼でも顔をうかがい知ることはできない。
「き…貴様は…」
「君に知らせる権利はないが、教えてやろう。私は次なる血塗れの力を継ぐ者、イーストウッド様の従者、タフネス。我々のイーストウッド様の崇高な目的には、君の力がどうしても必要。そのため少々強引ではあるが、我々の元についてきてもらうことになった。よろしく」
06/12/27
12:15:32






 ここはどこだ?

 しめった砂の感触。
 照りつける太陽。
 頬をなでる風。
 波の音。
「ねぇ、大丈夫? どこか痛いの?」
 幼い少女の声。
「うぅ……」
 アレンは声をそれだけ出すのが精一杯だった。
「待っててね! 今、村の人を呼んでくるから」
 少女の足音が遠くへと消えていった。



「……思い出した」
 アレンが今まで自分の中に封印していた、忌まわしい過去。それが今、彼の中で鮮明に蘇った。
「カルミアですって!?」 フェンネルがひとり青ざめた声をあげた。
「あなたは、カルミアの……」
「フェンネルさん?」
 フェンネルの様子を見たリーナは、訝しげにたずねた。
「〈千里眼のクライア〉……」
 アレスは不愉快そうに言った。
「貴様は、グリムザ族の族長、ハイマ・イーストウッドの直属の部下であろう?貴様らもこの島にあるモノを狙ってきたか?」
 イーストウッド。アレンとリーナはその名前をよく覚えている。そして、ふたりが頭に思い浮べた人物は、すぐ間近にいた。
「そいつが父上の部下なんて、昔の話さ」
「!!」
 旋律が走る。
 ブラッドと、その部下3人。堂々と聖地の中央に足を踏み入れていた。
「き、貴様ら、どうやって聖地に!?」
 ジアンの問い掛けに、ブラッドは声高らかに笑った。
「何かも手遅れなんだよ、能無しエルフ共! お前らの信じる神のひとりは、この俺、ブラッド・イーストウッドに降った!」
06/12/27
15:48:13

「ブラッドぉぉぉぉ!」
 アレンは狂気じみた声で、ブラッドに向かって叫んだ。
06/12/27
16:55:56

 クライアはアレンの行くてをはばんだ。
「今のあなたでは、奴に勝つことはできない」
「クライアのいう通りだよ、アレン。今の僕は強いよ♪」
 そういうと、ブラッドはパチンと指をならした。
 後ろで何かが裂ける音がした。
 リーナの頬に、何か生暖かい、赤い液体が飛び散った。
 振り返ると、アレスが仰向けに倒れ、分厚い鎧は砕かれ、胸から腹部にかけて、何かで斬られたような傷が刻まれていた。
「!?」
「しょ、将軍!!」
 兵士たちが、アレスの異変に気づき、駆け寄ってきた。
 ブラッドはより一層高らかに笑った。
「あ、あなた……おかしい!」
 リーナはブラッドに怒りをこめて叫んだ。
「おかしい?」
 ブラッドは訝しげに片方の眉をあげた。
「そうよ! おかしいわよ! こんな風に、人を無意味に殺して……」
「無意味ねぇ……。僕としてはちゃんとした理由があるから殺したつもりだけど?」
「ふざけないで!」
「邪魔なんだよねぇ、お前……死んでよ」
「!?」
 そういって、ブラッドはリーナの方に手をかざした。
 だが、次の瞬間、クライアはリーナとアレンを抱え上げると、そのまま空中へと跳び、宙返りしたかと思うと、3人は消えていた。
06/12/28
14:57:42

「追え! お前ら!」
 ブラッドはスカーレット達に指示した。
「貴様ァ! よくも将軍を!!」
「許せん!」
 5人の兵士がブラッドに斬りかかっていった。
「や、やめろ……」
 アレスは必死の思いで声を絞りだしたが、兵士達の耳には到底届かない。
 案の定、兵士達は声をあげる間もなく、ブラッドの力によって切り刻まれた。「ああぁ……!」
 フェンネルは両手で顔をおおった。他のエルフ達もテントや物影に身を潜め、祈ることしかできなかった。また、兵士達も完全にすくみあがり、どうすることもできずにいた。
 そんな中、ブラッドは躊躇することなく、エトゥリシールに続く森へと歩みを進めていく。
「逃がしはしないよ」
 ブラッドは不敵な笑みを浮かべた。
07/01/09
22:34:59

「クライア! なんで皆を置いて逃げたんだ!」
 アレン達は島の中央に最も近い場所、エトゥリシールの領域にいた。
 クライアはアレンとリーナに言う。
「ブラッドの第1の狙いは、御二人を殺すことです。奴らをこの島から追い出し、シケラエルの平和を取り戻すには、〈エトゥリシールの申し子〉であるあなた方が必要なのです」
「エトゥリシールの申し子?」
 アレンとリーナは声をそろえて言った。
 その時、リーナは母リナリアが聞かせてくれたエトゥリシールの昔話の続きを思い出した。
「バルゴアル達、5の聖獣を従えるは、エトゥリシールのふたりの申し子……」 リーナは静かな声で言葉を紡ぐ。
「槍の乙女と剣の青年。光をさえぎる魔を打ち払わん」
「槍の乙女と剣の青年は、〈エトゥリシールの申し子〉を指しているはず。リーナ殿とアレン様……」
 クライアはふたりを交互に見て言った。
「あなた達が、エトゥリシールの申し子なのです」
「俺が……」      「私が……」
 リーナとアレンは半ば今の状況に混乱していたが、「元の平和な島を取り戻せる」。その言葉が強く頭の中で響いていた。
「見つけたわよ、クライア」
 クライアにとってひどく聞き覚えのある声。声の主は、ブラッドの部下・スカーレットだった。
07/02/01
00:23:06

マーモン
「…スカーレット!!」
 クライアはリーナとアレンを庇う様に前に進み出た。
「あーらら。平気よ、あんたはまだ殺さないもの。それにしても、随分その2人にご執着なのねぇ?」
 スカーレットは深紅の瞳で蔑む様にクライアを見た。
07/02/02
13:10:18

 クライアはリーナとアレンにしか聞き取れない声量で、
「エトゥリシールの神殿に向かってください」
「!」
「あなた達ふたりなら、神殿に入り、エトゥリシールの力を手に入れることができます」
「でも、クライアさ……!」
 リーナはクライアを心配したが、アレンは黙ってリーナの手を取り、森の奥にある神殿へと向かった。
「いいのかしら? あのふたりだけ向かわせて……」「お前を倒して行くだけの話だ……」
「私をなめないでくれる?」
 スカーレットは腰にさげた2つの黒い鉄扇を両手にかまえた。その大きさは、スカーレットの身長の半分に匹敵する。
「漆黒の舞姫 スカーレットの名は伊達じゃないわよ」
07/02/02
23:47:06

マーモン
「君の実力は知ってるさ…だが私も『千里眼のクライア』だ。負けはしない」
 クライアはゆっくりとスカーレットの方を向いた。
 両眼を包帯で覆ったその顔から表情を伺う事は出来ない。
 しかし、その口元は微かに微笑んでいた。
 その笑みを見たスカーレットが不愉快そうに眉をひそめた。
「馬鹿にしないでよ」
 そういって両手の鉄扇をぱっと広げる。
「…三日月の舞!!」
 その言葉と同時にスカーレットが右手の鉄扇を横に薙いだ。
 風の刃が発生し、クライアに向けて襲いかかった。
 たんっ、とスカーレットがその場で舞を舞う様な動きを見せた。
 鉄扇が美しい弧を描く。
 その軌道をなぞるかの様に、いくつもの風の刃が現れ、次々にクライアに向かって行った。
14/10/06
15:36:59

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リレー小説 『エルフ物語(仮)』 編集
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